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キングダムから学ぶ歴史のポップ化(レキシズルスペシャル 2020.9.30)

9月のレキシズルスペシャルは、レキシズル首脳と”中国の歴史TERAKOYA”という壮大なプレゼンをした公望先生のコラボ。

早速ですが、キングダム、好きですか?
わたしは好きです。(最新刊はまだ読んでませんが)
会場は読んでる人、読んでない人が半々。
どんな中身になるのか、全く想像できないままプレゼンはスタート。

キングダムの舞台は春秋戦国時代。

主人公は二人。
李信(りしん)。最下層から武力と人間力でのし上がっていく、ジャンプの主人公的なパカポジティブ。

もう一人は嬴政(えいせい)。後の始皇帝だ。
映画で吉沢亮くんが漫画のイメージそのもの、美しい”政”を演じてくれた。

物語の中心になるのは”飛信隊”。
主人公の信が率いる隊で、こんな人、身近にいるいるという愛すべきポンコツ感ある人がいっぱい。

個人的には、強さでいったらダントツで羌瘣(きょうかい)ちゃん(繊細な女性剣士)なんですが、人間的には渕(えん)さんが一番好き。
現場のまとめ役で優しくて責任感が強い。夫にするならこういうタイプという人。

と、こんな風に脇役にも感情移入できちゃうのが、キングダムの面白さ。

キングダムは、中国統一を目指す成長ストーリーなわけですが、ここで公望先生の名言が。
「キングダムは三国志よりグッドエンド」
確かに、三国志は結局だれも統一できなかったというオチだものね・・・。

首脳いわく、キングダム最大の功績は「春秋戦国時代というマニアックを突破し一般化させた」こと。
つまり「歴史のポップ化に成功したコンテンツ」ということだ。

これはレキシズルのビジョンとも重なる。

歴史好きを増やすのは簡単ではない。
が、キングダムをヒントにすると「誰か一人、歴史上の人物を好きになってもらう」ことではと首脳は言う。

キングダムには魅力的な人物が数多く登場するが、今回取り上げたのは、桓騎(かんき)将軍と李牧(りぼく)

桓騎は、極悪非道な夜盗出身の将軍。
公望先生いわく「中華の戦い方を一番踏襲している」のが彼だそうだ。
敵を完膚なきまでに叩きのめすがゆえに、反撃する気をなくし、結果的に味方の被害も最小限にとどめるという。

もう一人が、主人公の敵役である李牧。
趙国の宰相かつ軍司令官。文句なしにキングダムで最高のスペック。
が、彼の悲劇は上司(国王)に恵まれなかったこと・・・それが最新刊に描かれているそう。

三国志で例えると李牧は諸葛孔明と趙雲の合体型。
つまり、武力にも優れている軍師。うーん、完璧。

プラスで取り上げられたのは、桓騎軍にいるオギコ。
戦いの緊迫した空気を緩ませるポンコツキュートなキャラ。
この緩急のつけ方が絶妙なところもキングダムの面白さ。

最後にプレゼンター二人がイチオシの物語として紹介したのが「合従軍編」。

序盤だけど、一番のクライマックス。
戦国七雄といわれた時代、秦がイケイケで攻めまくっていた時に、秦以外の六国が同盟を結ぶという驚きの展開。

仕掛けたのは、先に紹介した李牧。

と、何度も何度も崖っぷちに立ちながら主人公が強くなっていき、魅力的な人物もたくさん登場するキングダム。

中国が一番盛り上がった時代であり、日本ではまだ縄文晩期。
早すぎるぞ、中国の歴史。

実は、本当の歴史で李牧はそこまで強い人という認識はないそう。
文献も少なく、好き勝手できるところが良さでもあり、絶妙なところを突いたキングダムは”マニアックポップ”。

人物の魅力、ストーリーの面白さが歴史の難しさを超えてメジャーになったすごい作品と改めて実感。
また読み返したくなってしまった夜なのでした。

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