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行政書士事務所の都道府県を跨ぐ移転(所属会変更)に必要な事務手続について

令和3年度の行政書士試験に合格し、(勢いだけで)令和4年4月に神奈川県で開業(行政書士名簿登録)したミニマルなサンデー行政書士が、(ほぼ勢いだけで)令和5年1月に福岡県へ事務所を移転し週末行政書士へとプチ進化した話です。今回は、このうち、行政書士会(名簿登録)周りの事務手続について、忘備録的に解説しておきます。

はじめに(個人的事情・状況)

よくある高齢親子系の諸事情により、神奈川県から親元の福岡県へと引っ越すことを令和4年11月くらいに決意。当時、本業としていた作業員の仕事を年末で退職。明けの1月下旬に福岡県に引越し完了。並行して行っていた所属会変更手続きについても、無事に4月1日付で福岡会への入会が認められ、(諸事情により)5月度の入会式に出席。
、、、といった感じで、去年の11月から今年の5月くらいまで何かとバタバタしていたのですが、ようやく落ち着いてきたので、こうして記事を書いています。

では、前置きはこのくらいにして、以下に行政書士事務所が都道府県を跨ぐ移転(所属会変更)をする際に必要な事務手続と書類、ざっくりとした手順、思いつく注意点などを挙げていきます。

3つの手続:変更と退会と入会

開業(名簿登録)をしている行政書士において、都道府県を跨ぐ事務所移転(所属会を変更)をする際には、以下の3つの事務手続を行う必要があります。
 1.日本行政書士会連合会への変更登録手続き
 2.現在の所属会の退会手続き
 3.移転先の単位会への入会手続き

それぞれの手続き・手順、各種書類の書式等については、だいたい連合会や各単位会のWEBサイトに記載されています。なお、入会に関しては外部から閲覧可能だと思いますが、退会に関しては会員専用ページ内に記載されていることが多いでしょう。

【手続1】日本行政書士会連合会の変更登録手続き

"(様式第17号)行政書士変更登録申請書"にて、"事務所の所在地"の変更について申請します。多くの場合、併せて"住所"の変更も必要となるでしょう。当該書類の提出先は移転先の単位会で、入会申請書類一式と併せて提出します。なお、手続自体は単位会と連合会との間で行われるため、通常は直接連合会と応答する必要はありません。連合会のWEBサイトにある会員名簿の書き換えもやってくれます。
手数料は(都道府県を跨ぐ)所属会変更の場合は5,000円です。これも移転先の単位会に納付する形になります。
ちなみに、この書類は登録を受けた事項に変更があった場合に提出する書類で、事務所の名称や氏名、本籍などに変更があった場合にも提出します。所属会変更を伴わない変更の場合、手数料は4,000円です。

【手続2】現在の所属会の退会手続き

所属会へ"事務処理完了証明願"を提出します。記載事項に会費の納入期間や会員証等の返還に関すること等があるので、予め所属会の事務局のかたに相談・確認をしてから、作成・提出をしたほうがいいと思います。この書類の提出先は現状の所属会事務局で、所属会事務局から移転先の単位会事務局へ発送されます。
他に実施する手続きとしては、然るべきタイミングで会員証等を返還することと、単位会・支部会の会費の最終的な精算くらいだと思います。
ちなみに、徽章は返却せずに、引き続き使用します。このため、移転先であらためて徽章を受領することもありません。

【手続3】移転先の単位会への入会手続き

懐かしき新規登録時とほぼ同様の書類を準備・提出する必要があります。大まかには以下の感じだと思います。単位会によっては多少や濃淡があるかもしれません。また、必要な通数?、正本か写しか?、面談時に現物確認のみか?、等にも違いがあるかもしれません。まずは各単位会のWEBサイトを確認のうえ、疑問や詳細については移転先単位会事務局のかたに確認することをお奨めします。
 ・行政書士変更登録申請書
 ・移転先単位会の入会申込書
 ・各種誓約書
 ・住民票
 ・履歴書
 ・行政書士証票のコピー
 ・(地域によっては)所属会の会員証のコピー
 ・事務所関連の書類・写真・図面
 ・顔写真
外国人の場合、使用行政書士の場合、他士業開業の場合、等はそれ界隈の書類が必要になります。

さて、ここで、関係者から辛口コメントが発せられる可能性を秘めた入会金問題(?)があります。以下に少しだけ、完全なる私見をマイルド気味に書き留めておきます。
たしかに、行政書士は"街の"法律家なので地産地消(モノみたいな言い方でスイマセン!)が基本であること、また逆に、昨今の電子化に伴う事務所所在地に依存しない業務受任のグローバル(ローカルだけどグローバル?)化の流れもあり(?)、単位会変更を伴う事務所移転は相当にレアな事務作業ではあると思われます。
また、新規登録時と(所属会の)変更登録時では、発生する事務作業の工程数や実施事項の内容に大きな違いもなく、その明細もブラックボックスという訳でもないので致し方ないとは思います。
とはいえ、来るべき大労働力不足時代(?)に備え、作業の効率化や精密化には継続的に取り組む必要があるとも思うところではあります。
実際、(今回、私は退会する側になってしまいましたが、、、)神奈川県は個人的には"いつでも戻ってこれる!"と思える額に設定されています。
若干、話が取り留めもなくなってしまいましたが、都道府県を跨ぐ(所属会の変更を伴う)事務所所在地の変更登録にあたって、幾何かの入会金が必要である、という話でした。

必要な手続きと書類は、だいたい以上の通りとなります。
続いて、以下に事務所移転(所属会変更)の大まかな流れを記載しておきます。

事務所移転(所属会変更)の大まかな流れ

【手順1】現在の所属会への事務所移転の連絡

まずは、移転先の都道府県と大まかな日程が判明したくらいの時点で、現在、所属している単位会の事務局へ一報を入れてもいいと思います。主に所属会の退会に必要な書類や手続き、手続きに要する時間などを教えてもらえます。また、必要に応じて移転先の単位会事務局とも連絡を取り合って下さるので、それほど混乱することはないと思います。
なお、現在の所属会(支部会)での活動歴が長く、支部会での繋がりが濃い場合には、そこ(支部会)で、まずカミングアウトしてもよいかもしれません。
私は昨年4月の登録から半年ほどの期間において、実質的な活動は行っていなかったので、支部会については、たまたま登録したマイナンバーカード申請手続相談員の活動にて関わりのあった方々にメールにてご挨拶をするに留まりました。。。

【手順2】移転先の単位会への連絡

先に所属会へ事務所移転(所属会退会)の一報を入れ、その後に移転先の単位会と連絡をとるほうが円滑に話が進むと思います。
場合によっては、所属会からの連絡・案内を受けて、移転先の単位会事務局のかたから、問合せ・確認のご連絡をくださることもあるようです。
ここでは、入会についての手続きや必要書類、スケジュール等を確認します。
ちなみに、どうしても退会手続きよりも入会手続きのほうが手間も時間もかかるので、円滑に移転を進めるために、ここからはスピードも必要となってきます。

【手順3】入会申込書類の準備~事前送付(または持参)~面談による本申請

書類の準備や事務所の体裁などは、新規登録時に行った事項・要領を思い出しながら進めれば、躓くことはないと思われますが、それでもなお時間・手間が掛かりがちです。プライベートな引越しの部分でも何かと時間をとられるでしょうが、申請書類一式の事前送付(または持参)については、できるだけ早く済ませたほうがよいです。後のスケジュールで意外に大きな差が生じる可能性があります。
こうして提出した申請書類について、事前チェックをしていただいた後に、面談による本申請となる流れが一般的と思われます。また、面談時に申請にかかる費用を現金やクレカ等で納付することになると思われますので、オフィシャルとプライベートを含めた引越し全体の費用・予算の中に、予め組み込んで確保しておいたほうがよさそうです。

面談による本申請の受付をしていただいたら、しばらく待ちの時間になります。そのあとは、個別対応となり、多くの地域では事務所の実地確認を受けることになると思います。そうして、最終的には入会を認めていただけるハズです(たぶん、、、)。晴れて移転先の単位会への登録が完了したら、お待ちかねの入会式です。コロナ禍は落ち着いてきたものの態様は単位会ごとにまちまちだと思われますが、こればっかりは何度出席しても何とも言えない高揚感が、、、。

、、、と、ざっくりと以上のような流れで、都道府県を跨ぐ所属会の変更(事務所移転)にかかる手続きが完了することになります。
最後に、直接に必要な手続き・実施事項ではないのですが、気を付けたほうが良いと思われる点を以下に思いつくままに並べておきます。

その他の注意点

1.ご挨拶、ご案内
いうまでもなく、お世話になった方々やこれからお世話になる方々、引き続き関わる方々へもご挨拶、ご案内をしましょう。今どきなので、形式にはそれほどこだわる必要はないと思います(そう思っているのは私だけか、、、?)。
2.WEBサイト、SNSのプロフィール等の記載変更、情報発信
事務所の公式WEBサイト、各種SNSのプロフィール等において、しかるべきタイミングで事務所所在地を変更することになるでしょうが、ここでサプライズはあまりお奨めしません(そんな人はいないかもしれませんが、、、)。かえって、事前に発表しておいてカウントダウンする形で猶予期間というか移行期間を作っておくと、バタバタすることが少なくなるかもしれません。また、併せてご挨拶などを発信するのは、周知の意味を含めて、よい話題だとも思います。
ちなみに、個人的には今回の事務所移転全体において最も躓いた事項がGoogleのビジネスプロフィールの変更です。1月末に実際に新たな事務所で活動を始めた頃に、ビジネスプロフィール内の事務所の所在地を変更したら、不正な変更と判断されたのか、他の理由か知らないですがアカウントを停止されてしまい、しばらく手が付けられない状況になってしまいました。また、回復するのに変更後の事務所での営業証(法人化してない場合、行政書士証票以外にあるでしょうか?)または変更後の住所の法人名(?)が宛先となった郵便物や電気・ガス・水道等の請求書・領収書等の書類(画像)が必要らしく、結局、私は新たな行政書士証票を受領した4月まで2か月強のあいだ、Googleのビジネスプロフィールをほったらかしにしてました。
あとは、何をどうすればいいのか未だにわかりませんが、検索結果の下に出てくる短文(スニペット?)が、これを書いている令和5年6月半ばの時点でも、未だに旧住所と移転予定の新住所を併記していた頃の文章のままです。。。
3.税務周り
時期によっては混乱するかもしれません。私は丁度、年末年始に物理的な移動を行い、我ながらどうなることかと思ってましたが、E-taxのみで(=お部屋で)無事に居住地・事業所の移転や確定申告を済ませることができました。
4.届出済証明書再交付願
いわゆるピンクカードを所持している場合で、所属会が変更となる場合には、"届出済証明書再交付願"を提出してカードを再交付していただく必要があります。提出先は移転先の単位会(新たな所属会)です。ただし、添付書類に(移転後の新たな)行政書士証票のコピーが必要なので、多少、後回しにしてもよいと思います。また、他にも顔写真等、いくつか添付書類が必要なので抜け・漏れにはお気をつけください。
5.事務所物件・所内の仕様
手続きそのものではありませんが、事務所物件や所内の仕様についての解釈は地域ごとに少しずつ差がある可能性がありますので、標準的な仕様について遵守することはもちろん、疑問や不明があれば、先回りして問合せ・確認をしておくべきです。手続きそのものに支障をきたしたり、余計な手間や時間が発生する可能性があります。
6.その他
その他、個別具体的な事情・状況がある場合等において、気になる点・不明な点があれば(所属会、移転先の単位会のどちらでもよいので)事務局へ、早めに問合せ・相談をしておくとよいと思います。

以上、滅多に機会はないとは思いますが、行政書士が都道府県を跨ぐ事務所移転(所属会の変更)をする場合の事務手続について記載してみました。
何かのご参考になれば幸いです。
ここまでお読みくださり有難うございました。

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