豉汁鳳爪【もみじのトーチー蒸し】完全攻略本
気持ちわるい...食べたくない...
鶏の足の料理を見た時、日本人のあなたはそう思いましたよね?
まず安心してください!
僕もそうです。日本人には正常な感覚だと思います。
むしろそんなあなたにこそ読み進めてほしいです。
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ー僕が作った豉汁鳳爪【もみじのトーチー蒸し】の特徴ー
鶏の足なんて食べたくない!と思っている日本人のあなたに向けて再考し、「まだこれならギリ食べられる!」を目指しました。家庭でも作りやすいように工夫をこらしたレシピになっています。
ーこの記事の使い方ー
豉汁鳳爪【もみじのトーチー蒸し】について
極めて個人的な視点から深く考察しました。
それぞれ読み応えのあるものになっていると思います。
ですが全てを読む必要はありません。
気になった目次の項目だけつまみ食いしてください。
1 中国人と日本人の感覚の違い
これは年末の上野アメ横からの写真です。
抵抗感...ありましたでしょうか?
僕はぶっちゃけ、かなりあります!
しかしこれはただの文化の違いなだけです。
日本で言うところ刺身です。
日本人は魚を生で食べます。でも中国人は抵抗感を持っています。
日本は海に囲まれています。しかもそれだけじゃなく山が多い。
そのため火山の噴火によって大量のミネラル成分が海に流れ込んでいます。
しかも複雑に海流が交差していて、美味しい魚が日本の周りをウヨウヨしている世界にも稀な環境なんです。
一方中国は、一部を除いて広大な陸続きの国です。
日本のように都市と都市が近いわけではないし、国としても豊かではありませんでした。
その為人の動きも頻繁ではない。
なので各家庭で鶏を飼い、それを潰し食料にしてきました。
なので鶏の足(もみじ)にも抵抗感がないのです。
そんなこと言ったって気持ち悪いものは気持ち悪いですよね?
それは仕方のないことです。僕もそうですから。
しかし
もみじをなんて野蛮な食べ物だ!とかちょっと下に見る考え方は間違っていると思います。
それはただの環境による文化の違いなだけだからです。
2 僕が目指すもの
「もみじを気持ち悪いと思っている」と言う大前提で作っています。
僕は中国料理を19年やってきました。
「これが本場の料理や!」
そうマウントをとって強引に押し切ることもできないこともありません。
ですがそんなことは僕はしません。
日本人の方に向けたものです。
「おいしい!」は狙っていません。諦めています。それはあまりにもハードルが高い。
「まあ・・・これならまだ食べれるね・・・」
ここを目指して作りました。
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これは先日アメ横で購入した、抵抗感のない中国人が好むもみじです。
僕のもみじはこれとは違います。
日本人ために徹底的に思考し、工夫したポイントを具体的に解説します。
3 工夫した具体的なポイント
①タレともみじを一体化させる
まずもみじという食材はめちゃくちゃキレのある上質なスープがとれます。
僕が19年間勤めた中国料理店では、料理のすべての土台になる「毛湯(マオタン」に豚のゲンコツともみじ、老鶏を贅沢に使っていました。
ここを活かしたい!
味をつけるソースを多めにもみじに絡め、仕上げの蒸す調理工程をを長めにします。
そうすることでタレに、もみじのおいしい出し汁がプラスされ深みが出ます。
さらにもみじは半分にカットします。
味が出やすいだけでなく、丸ごとかぶりつかなければいけない抵抗感を和らげます。
おいしいタレをもみじにつけ、すくって食べるような感覚です。
「おいしい!」とは言いたくないけど、「タレがおいしいね!」と言いやすいように配慮しています。
②家庭で作りやすいようにアレンジ
今回下処理の段階でオーブンでもみじを焼きました。
プロの現場では油で揚げます。
バチバチと強烈に油が跳ねます。
やっぱりそれは家庭だと難しい・・・
調味料も一般的ではないものもありますが、極力厳選しました。
プロの現場では当たり前にあるせいろも家庭ではありません。
あるもので簡易的なせいろで調理しました。
4 嫌われる勇気(個人的な話)
そもそもこの料理を作る意味って何でしょうか?
求められていない、多くの人が食べたくないと感じているのに。
自分自身でも実はわかりません・・・
しかし僕はこの豆豉鳳爪で壁を越えられたのかもしれない・・・
という個人的な僕の話をこの章では書きたいと思います。
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料理を長くやっていると何となく壁が立ちはだかります。
5年前くらいの30代半ば、何となくモヤモヤしていました。
仕事を覚え、できるようになることが増える喜び。
それが全体に役に立っているという実感を感じた時、僕自身とても嬉しくやりがいでした。
料理もある程度それなりのものを作れるようになり、賄いで僕が作った料理がおいしい!と言われることもあったりしました。
時にはお客様からお褒めの言葉をいただいたりし、嬉しい限りでした。
一方で、人の顔色ばかりを伺い、仕事をすることに何処か疲弊していました。
誰がなにを好みかなどは考えず、嫌われてもいいから好きなものを作りたい!
そんな欲求がどこかにあったのです。
賄いの時、豉汁鳳爪を出しました。
スタッフのひきつった顔に僕はどこか興奮に近い喜びを感じてしまいました。
人がおいしいと喜んでくれるものを作るだけが、料理の楽しさではないんだ!
「こだわり」という名の「変態的な部分」を自分自身受け入れ、満たしてあげる事。
自分が他人にどう思われてるかを気にしすぎていた。
その辺りから自分の気持ちを自分自身が少し大切にしてあげるようになったのです。
そうしてなんとなく立ちはだかっていた壁を乗り越える事が出来ました。
しかし
変態を押し付けるだけでは犯罪者です。
相手を思いやる気持ちを同時に持ち合わせないといけません!
その時のスタッフは
こんな気持ちわるいもの食べさせないでよ!
言いたかったでしょう!
でも料理人に対する敬意からそれは言われませんでした。
「これ...タレはおいしいね...」
しっかりと逃げ道を用意してあげてから、押し付ける。
それが最低限の大人としてのマナーです。
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