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近くて遠い伯母の家

歯医者の帰り道、父が、伯母(父の姉)に会いに行きたい、と言った。今月は父の誕生日、伯母から電話がかかってきて少し話したらしいのだが、電話の調子が悪く、よく話せなかったとのこと。

よし、わかった。行くなら早い方がいい。梅雨が来る前に、暑くなる前に、何より生きているうちに。伯母夫婦は90歳を超えている。悠長なことは言ってられない。

伯母の家は実家からタクシーで15分。私が付き添う。父と日時を決めて、伯母に電話することにした。父は耳が遠いため、母に「電話して」と頼んだ。が、母は私が電話しろ、と言う。

しばらくどっちが電話するかを押し付けあった末、母が電話することになった。母が「昼寝の後に電話する」と言うので、私は自宅に帰って母からの連絡を待つことにした。

さて、前回、父が友人に会いに行った際の反省を踏まえ、計画を立てなければいけない。

まず、重要なのは「父の体力の温存」
前回は、公共交通機関を乗り継いで行ったため、目的地に着く頃には、父が疲れてしまった。今回は、タクシーで15分なので問題なし。

忘れちゃいけない「補聴器」
前回、父は久しぶりに友人と会ったのに、話があまり弾まず、眠そうにしていた。なぜ、話さない?自分が会いたいって言ったのに。間が持たずに、途中から私と父の友人が話していた。話すのが得意ではない私にとっては、なかなかの苦行だった。

帰りに父に聞くと、「何を話しているのかわからなかった」とのこと。ショック!せっかく苦労して連れてきたのに。今回は、補聴器を必ずつけてもらう。

前回の友人宅への訪問は、苦労の割に上手くいかず、「付き添いとか二度と嫌!あ〜 イライラするぅ〜 」と久しぶりに夫に愚痴りまくった。実家のストレスは、なるべく私の家庭に持ち込みたくないのだけど、イライラするなという方が無理だ。

今回は、親戚とはいえ、私はほとんど交流がない。街中ですれ違ってもお互い気づかないだろう。電話するのを母に押し付けるくらいには、他人感覚の親戚の家への訪問。ちょっと憂鬱。

しかし、父が会いたがっているなら仕方ない。少しだけの我慢だ。この付き添い業務が終わったら、旅行に出かけちゃおうかなあ。ご褒美を先に準備しておけば、頑張れるかも。

母から電話がかかってきた。伯母に電話したところ、家には来ないでくれと言われたとのこと。伯母夫婦の方が、父に会いに来るということで、話がついたようだ。

ちょっと無理をしてでも会えるうちに会っておいた方がいいと思ったのだが、来てくれるな、というなら押しかけるわけにはいかない。

伯母も高齢なのでいろいろ事情があるのだろう。父は残念そうだった。近いうちに、伯母が会いに来てくれるといいんだけど。

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