reisender1983

旅が好きです。

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最近の記事

5. 旅に効率は必要なのか

 写真は何年か前、秋田県にある乳頭温泉郷の有名宿「鶴の湯」に行ったときのもの。日本各地にある秘湯の中でも特に有名で、なかなかに不便(当時は携帯の電波が届かなかった)な湯治場だけど、普段の旅行とは違った雰囲気で楽しかった。  まわりにコンビニなんてなく、ただ静かに温泉に入るためだけに訪れる宿。1週間ここにいろって言われたら飽きちゃうかもしれない。でも、たまにはこういうところに行くのも、いいものだと思う。きっと昔の人は、こうやってのんびり旅をしていたんだろうな。  なんでそん

    • 4. ドイツ人すらまともではない

      「ヨーロッパのどこに行ってみようか」という話になったときに、日本ではよく「ドイツ人は真面目だし、日本人が旅行しやすいと思う」という意見が出てくる。ちょっと待ってほしい。たしかに日本を一歩出れば、実にいい加減な国ばかりだ。アジアだろうがヨーロッパだろうがアメリカだろうが、とりあえず言うだけ言って何もしないとか、伝わるべき相手に用件が引き継がれていないとか、当たり前過ぎて、むしろ、ちゃんと物事が進む方が驚いてしまう。だが、ヨーロッパの中で、イタリア人やスペイン人があまりにも適当だ

      • 3. 1月の暑い夜

        突然の東南アジアデビュー 旅行会社で働いていると、仕事の都合上、どうしても行きたくないところに行かされることはある。新卒1年目のぼくは暑いところが苦手で(その頃はまだアトピー性皮膚炎が完治していなくて、汗をかくことを極力避けていたというのもある)、寒い地域に行くツアーばかり担当する部署に配属され、助かったと思っていた。特に東南アジアなんて、人が行く場所じゃないと信じて、ずっと避けていた。ところが、年が明けてすぐ、「バンコクに行ってこい」と課長から言われてしまった。  ぼくが

        • 2. 飛行機の飛ばない空港

          「好きなことっていうのは、仕事にするもんじゃなくて、趣味でやるからいいんだ」と言う人がいれば、「好きなことで生きていく」というCMが流れたりする。どっちの意見も他人の人生にとって無責任なことに変わりはないけど、ぼくは旅が好きだったから、新卒で旅行会社に入った。そして、そこで人生(22世紀初頭くらいに終わる予定)で最も辛い旅に遭遇した。ふたつあって、どちらの方が辛かったか選べないので、今回と次回で、一体どんなことがあったのか綴っていこうと思う。 2泊4日のローマ出張 ぼくはク

        5. 旅に効率は必要なのか

          1. ピーターパンとロンドンの夕暮れ

          初めて海外に出るまで ぼくが初めて日本を出たのは、高校1年生だった1999年の12月。その年の秋口から1年弱の期間限定でベルリンに住んでいた父のところへ向かったのだった。今でこそ、こどものうちから夏休みに家族で海外旅行する話も珍しくないけど、当時、地方都市に住んでいた我が家には、もちろん周囲のともだちの家にも、そんな一大イベントはなく、海の向こうが一体どんなところなのか、テレビや地理の教科書でなんとなく思い浮かべる程度。それが、父が仕事でしばらくベルリンに住むと言うので、つい

          1. ピーターパンとロンドンの夕暮れ