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俺とFEZ(4)

前回の記事↓

前回のあらすじ

・Eカセでもやっぱり晒された
・講習会をやった


11.FEZの課金要素について

さて、前回の記事でも書いたが、Eカセに移住した俺は<カセに火がついた>という部隊に加入した。

<カセ火>には上手な人も下手な人もいたが、カセの中ではトップクラスに強い部隊だった。その理由としては、「課金アイテムを使用していた」という点が大きい。

FEZというゲームにおける課金要素は、武器や防具などの「課金装備」もあったが、見た目はともかく、性能面では無課金でも同等品を用意するのは難しくなく、課金と無課金の差はあまり無かった

問題は回復薬や強化アイテムなどの消耗品で、こちらは明確に課金と無課金で差があった
もちろん「課金が無課金を圧倒する」ほどの差はないのだが、無課金プレイヤーと課金プレイヤーでは攻撃力、防御力がおおよそ1.2倍くらい、回復量では1.5倍くらいの差があったのだ。(ちなみに1試合あたり50円くらいだ)

FEZは50vs50のゲームだが、レーティングやウデマエのようなシステムがなかったので、初心者もベテランも、課金も無課金も関係なく同じ試合に放り込まれる。
そんなゲームなので、<カセ火>のような「ある程度まとまった人数の課金プレイヤーが同じ試合に参加してくる」という集団は、それだけで強かったのである。


12.Eネツ"連合"の誕生

Eカセの隣国、Eネツにも<Briah style>という強い部隊があったが、彼らはB鯖がメインだったのであまりE鯖では活動しなくなっていた。

Eネツで目立っていたのは、<KATATE><コレジャナイロボ><笑顔一家>という3つの有力な部隊である。

・「鉄人」srea率いる「王者」<KATATE>
・「皇帝」いよかんゼリー率いる「精鋭」<コレジャナイロボ>
・「猛将」AtomicHeart率いる「名門」<笑々>

などと、2ちゃんねるに冗談交じりに書かれたりしていた。
(<笑顔一家>はいつのまにか<笑々>に改名していた)

これら3つの部隊は、「中堅~上位クラスの実力を持つ課金プレイヤーを10人以上動員できる」という点で強力な集団だった。
それだけなら他国にも同じような部隊はあった(カセ火も似たようなものだ)が、彼らが優れていたのは「有力な部隊が3つあった」ことと、「その3つが手を組んだ」という点だった。

どういう経緯でそうなったのかはよく知らないのだが、いつの頃からか、<KATATE>と<コレジャナイロボ>と<笑々>の3つが示し合わせて同じ試合に参戦してくるようになったのだ。

それぞれ10人以上を動員できるので、50人のうち30~40人が彼らで占められる。多い時には40人以上になることもあった。そしてその全員が中堅以上の実力者で、チャットやボイスチャットを使って連携して戦うのだ。

このEネツ"連合"に、他国は全く勝てなかった。まるで「ベテランチーム」対「野良」のような構図になるからだ。

"連合"との対戦は他の国にとっては負け確で、しかも野球で言えばコールドゲームのような一方的な試合になりがちだった。それほどまでに"連合"は強かった。

FEZのサービス開始から約1年、誰もが思い描いて実現させられなかった「強いヤツ集めて人数揃えりゃ絶対勝てる」という必勝法がここに確立したのである。


13.バンクェット開催!

そんな強力なEネツ"連合"が猛威をふるっていた頃、Eカセの「れいのひと」がどうしていたかというと、まったくE鯖でプレイしていなかった

"連合"に恐れをなして逃げ出した…わけではない。FEZ初めての公式大会「バンクェット」が開催されることが発表され、大会に出場するためB鯖に戻っていたのだ。

FEZは50vs50のゲームだが、公式大会「バンクェット」は新しく実装された「闘技場」のマップを使って7vs7の形式の試合を行うらしい。

1チームは10人、ABCDEの5つの鯖で予選を行い、予選で優勝したチームがサーバーの代表として決勝戦に進む。決勝戦はパシフィコ横浜にて行われるオフラインイベントだ。
そして優勝賞金は100万円、準優勝でも50万円の賞金らしい。

2007年当時まだその言葉は無かったと思うが、これは間違いなく"Eスポーツ"だったと言える。

そんな面白そうなイベント、俺が見逃すはずがない。Bネツで親しくしていたKAILというプレイヤーのチームに入れてもらい、優勝を目指すことになった。

KAILのチームには俺のほかにBゲブのLogiceroisuqualitySweetFraud&SweetHeartのコンビといった実力派のプレイヤーが所属しており、B鯖では「優勝候補の一つ」という下馬評であった。
(余談だがこのBゲブの4人は数年後に別のチームで公式大会に出場し、優勝している)

毎日22時から1時まで7vs7の練習時間とし、遅れると携帯に電話がかかってくる、まぁネトゲのガチ勢ではよくある感じの充実したネトゲ生活を過ごしていた。

ところがここで、俺の身体に異変が起きる。
当時20歳の俺の身体に、いったい何があったのか!?

次回、「肺に穴が開いた」編に続く!


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