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長編小説【記憶の石】

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14歳の、終わりから。 ※フィクションです。
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2023年3月の記事一覧

【記憶の石】13

【記憶の石】13

 少女がこの日会う約束をしていたのは、25歳のサーフ系の男だった。高校2年生の初夏の土曜日、少女は学校の自習室に朝から晩まで籠ると宣言して、7時半くらいに着くよう母親に送り届けてもらった。勉強するというのは嘘ではない。

『ぉはようございます☀️晴れてよかった⤴︎⤴︎』
 少女は今日の相手にメールを送る。
『おはよ〜俺も起きてるよ。もうそっち向かおうかな』
 彼は意外なことに朝型なようで、このメー

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