HELP!プロジェクトの開幕宣言
小さいころから世の中のあらゆることに違和感があった。
例えば自分が女子であること。ほんとうは男子になりたかった。
今も憧れるのは男の人ばかり。なんで私は女なんだろう。
行きたい高校も特になかったし、就職活動もわけがわからなかった。
やりたいことが見つかっていなかったので、どんな会社を受けたら良いのか、面接でも何を言っていいか分からなかった。
世の中に既に存在しているものの中で、こりゃ最高!と思えるものや概念が圧倒的に少なくて、スーツとか、ヒールとか、健常者と障がい者を隔てることとか、大量生産の服とか、ダサいサッシの建物とか、結局作りこまれすぎているYouTubeとか、何がそんなに良いのか本当によくわからない。
社会人として平然としたフリをして生きていくということは、自分をパンの生地みたいに揉みこんでグニャグニャに柔らかくしてから、小さな箱に押し込めるような感覚だった。
心は無いのにやたら丁寧な挨拶なんかも意味がわからない。
日本の住宅の、玄関すぐに廊下がある意味もよくわからない。
とにかく既存のシステムに対してわからないことだらけなので、逆を言えば「それわかる‼」の瞬間は世界で一番高揚しているような気分になるし、大好きになると大好きが止まらない。そんな時は全身の血管に多幸感があふれ出す。
私は生き方にまで影響を受けるような「推し」の存在に昨年巡り合い、そして彼らのように生きてみたい!と、ついにこの5月から動き出すことにした。
まずは会社を辞めて、そして手始めにインスタで「HELP!」というプロジェクトを立ち上げると、開幕宣言をしてみた。
https://www.instagram.com/p/CO1kiejHjyz/
この企画自体は昨年から存在していたものだ。推しのひとりが、やってみたいことがあれば企画書から書いてみると良いと言っていたので、それを何度かやってみていたが、「HELP!」というタイトルは今日突然思いついたものだ。
このプロジェクトの発端は、ファッションブランドで働いていた際の、ふとした違和感がきっかけになったかもしれない。
ブランドでセールスの仕事をしていた私は、売上が正義の世界で生きていた。この時代に店舗で高い洋服を買ってもらうのはとても大変。顧客になってもらうのはもっと大変。どこのブランドも素晴らしいものを作っているし、どこのショップの店員さんも親切だからだ。
入社した当初はほんまもんの役立たずで、さすがにまずいと思い始めた。ヤバい奴にはなりたくないと自分なりに色々工夫するようになって、職場にはいつだってピリピリ真面目な態度で臨み、戦場さながらに奮闘していた。
色々が実りはじめ顧客様も出来てきて、少しずつ余裕が出てきたころ、自分の心が満たされるような仕事と、正義であるはずの売上が、自分の心の中であまり密接にリンクしていないことに気が付き始めた。余裕のない時には作動していなかった、お得意の違和感察知能力が揮い始めた。
ああ、いい仕事したなー。と思える瞬間は、決まって目の前の誰かの役に立てたと実感できた時だった。役に立てたんだ、楽しそうに笑ってくれたとか、居心地の良いお買い物を提供できたかとか、私にとっての仕事の喜びはそういうことだと気が付き始めてしまった。
逆に商品を買いに来た人がこちらをやたらと警戒して、心を開いてもらえないなんてことの方が多く、そんな時は買ってもらおうとせずに品番を渡して帰してしまようにすらなっていた。とても親切だが、すっかりコスパの悪い販売員になっていた。
それと同時期に感じていた違和感として、とにかくみんな病んでいるな、と思っていた。
一緒に働く仲間も、みな個性豊かで素敵な人たちだったが、一種の精神病みたいな状態に陥っていると思っていた。他人のことをそんな風に観察しているんだから、精神病なのは自分なのかもしれないし、実際にそうだったのだと思うが、とにかくみんな平然と働いているように見えて心のどこかが壊死しているように感じていた。
さてはみんなも、グニャグニャの生地になっちゃってるんじゃないか。きっとそうなのかもしれないし、実際にそうだったのだと思う。
スタッフのメンタリティを健康に保つことが売上を安定させる一番良い方法になると思い、コミュニケーションを頻繁に取って健全なお店を目指したが、自分のメンタリティを保つことにすら手間取った。
だって自分こそ無理やり箱に詰め込まれた、原型を潰されたグニャグニャ人間じゃないか。
このままじゃいかん。
本当にやりたいことをやろう。
本当にやりたいことをやれるのか。
本当にやりたいことで生きていけるのか。
私はこれから実験的生活に突入して、みなさんに経過を報告していきたいと思います。あーこわい。でもグニャグニャ人間よりは、楽しいかもしれない。
ここで私の推しのみなさまに一言お礼を。
奇奇怪怪明解事典の玉置周啓さん、タイタンさん、その番組で知った心のメンター坂口恭平さん。
生きたかった世界を生きている私の推しのお三方、私はあなた方に影響を受けて、これまでとは全く違う生き方をしてみることにしました。どうもありがとう!
そしていつも私のインスピレーションになってくれている、夫の辰徳さん、サンキューです。
やはり私の憧れは男子ばかり。彼らは成人ですが、男子です。
さてみなさま、またここで色々お話していきます!
どうぞよろしくお願いいたします。
気が向いた時、サポートしてくださるとウレシイです。