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ポートレート撮影の条件「相互無償」ってなに?

ポートレート撮影の条件をあらわす相互無償

モデルさんとカメラマンの間では良く使われている言葉ですが、一般的にはあまり馴染みがありませんよね。

相互無償でポートレートモデルさんを募集していると、
「タダで写真を撮ってくれるんですか?」
「撮影はボランティアなんですか?」
といったご質問をいただくことがあります。

お金をいただかないという点では確かにタダなんですが、厳密にはちょっと違います。

この記事では、モデル・被写体経験がない方に向けて、この相互無償の意味をお話したいと思います。

相互無償とは

相互無償とは、モデルさんとカメラマンがそれぞれもらうべきモデル料・撮影料を相殺して、お互いに金銭の支払いを無しとすること

ポートレート撮影では、モデルさん・カメラマン双方に色々な経費が発生します。

モデルさんは、

  • 衣装

  • メイク

  • ポージングの研究

  • 日頃のお肌の手入れ

などなど。

カメラマンは、

  • カメラ、レンズ、照明などの機材

  • 写真現像ソフト

  • 撮影技術の習得

などなど。

そのほか共通するものとして例えば、

  • 撮影場所までの交通費

  • スタジオを借りるならその利用料

  • 拘束時間に対する人件費

このようにポートレート撮影は、モデルさんとカメラマンの様々な経費負担の上に成り立っています

特に私の場合は、撮影した写真の仕上げ作業に時間がかかるタイプなので、実は撮影そのものより撮影後に投入している時間数が凄まじいですw
その人件費たるや…

また、カメラマンが写真をSNSにポストするために、モデルさんに肖像利用の許諾を得る。

あるいは逆にモデルさんが、カメラマンに写真(カメラマンの著作物)の使用許諾を得る。

こういった経費やメリットを相殺して、お互いに金銭の支払いを無しにしましょう、というのが相互無償です。

だから相互無償のほうがプレッシャーが高い

「ただでモデルしてもらえるならカメラマンはラッキーだよね?」

と思われがちな相互無償ですが、撮る側としてはむしろお金を払ってモデルさんを雇ったほうが楽ですw

私はいわゆる有償モデルさんを撮影することもあります。

やや極論ですが、有償モデルさんの場合は、モデルさんを拘束する時間と肖像の利用料として、カメラマンがモデルさんにお金を払います。

さきほどお話したモデルさんにかかる経費(衣装やメイクなど)も、この料金の中に含まれていると言って良いでしょう。実際に賄えているかは別として。

基本的には撮った写真をモデルさんに提供する義務はありませんので、たとえ失敗写真ばかりだったとしても自分の懐が痛むだけ。ほんと極論ですが。

他方、相互無償の場合、カメラマンには、持てる機材と技術を駆使しモデルさんが負担している経費に見合った以上の写真を提供することが期待されています。

ですので、衣装やメイクを整えて撮影時間を割いてくれたのに「使える写真が一枚も無かった」なんてことは非常にマズいわけです。

つまりカメラマンにとっての相互無償は、モデルさんから撮影料をいただいているのと同じようなもの。

有償モデルさんを雇うよりも心理的プレッシャーが高いと言えます。

ポートレート撮影の条件「相互無償」についてまとめ

「相互無償」は、モデル料・撮影料を相殺して、結果的にお互いに金銭の支払いを無しとすること。

ポートレート撮影は、モデルさんとカメラマンの様々な経費負担の上に成り立っています。

また、撮影した写真をSNSに投稿するには、モデルさんは肖像、カメラマンはその著作物である写真の使用を許し合う必要があります。

こういった経費やメリットを相殺してお金の支払いは無しにしましょう、というのが私が考える「相互無償」です。

そのため、撮影イメージが合わない方などで、経費やメリットの釣り合いが取れないと一方が判断すれば、撮影に至らないこともあり得ます。

逆にいえば、撮りたい・撮られたいが一致する方だけと撮影を楽しめるのがアマチュアの相互無償の良さではないでしょうか。







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