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手帳の話をしようか

最近デジタルガジェットのことばかり書いている私ですが、恐らくガジェット好きの御多分に洩れず、紙の手帳にも試行錯誤してきました。今日はちょっとその辺りについて書いてみます。

私の手帳遍歴は、デジタルガジェットよりも古いです。社会人になりたての頃、憧れて購入したのはTime/systemというデンマークで生まれた手帳でした。数種類のリフィルから構成されるスケジュールとタスク管理用の手帳で、商社マンとしてこれからやっていくという意気に燃えた私は、結構なお値段がしましたがセットで買いました。

しかし、配属された部署が財務部出納課であったため、商社マンらしい営業活動もスケジュールもなく、毎日決まった仕事を決まったスケジュールでこなすだけ。手帳なんて代物は不要でした。

持っていても埋まらないスケジュールとタスクリストに耐えかねて、結局使わずじまい。今考えたら新人にはオーバースペックだったのでしょう。ちなみに、ググってみたらこの手帳は健在でしたが、既にスケジュールとタスク管理がデジタル化してしまっている私が使うことは二度とないと思います。

次に記憶のある手帳はアッシュフィールドのバイブル型システム手帳でした。でも、これもいつの間にか使わなくなってお蔵入りでした。当時の財務の仕事は異常に忙しくて手帳などつけている余裕はない、全て頭の中に叩き込んでおけ、という感じでした。

深夜零時過ぎまで仕事をしてタクシーで寮に帰るお金がもったいなくて、新卒でお金を出し合って会社近くのワンルームマンションを借りて転がり込むような日々だったので、手帳など悠長なことをやっていられなかったのは確かです。

手帳を使う余裕ができたのは10年ほど経って商社を辞め、外資系のITベンダーに転職してからでした。ただ、ここでもスケジュール管理やタスク管理はシステム化されていたので、手帳の用途はメモ書きや議事録書きでした。

その頃出会ったのがモレスキンの手帳です。サイズはポケットサイズ。映画のインディ・ジョーンズで主人公が使っていた裏表紙にゴムバンドが付いていて手帳が開かないようにするメカニズムが刺さりまくって使うようになったと記憶しています。

モレスキンとは長い付き合いになります。それ以来、今に至るまで使い続けています。途中でトラベラーズノートやPlotterに興味を移したこともありますが、結局モレスキンに戻ってきました。AppleのMacintoshもそうですが、若い頃に憧れたプロダクトは歳をとってからも使い続けるものなのかも知れません。

若い頃の手帳遍歴のせいだと思いますが、今でも私は手帳をスケジュール管理やタスク管理のために使いません。完全にデジタルに移行しています。スケジュールはGoogleカレンダー、タスク管理はSlackのリマインダーで管理しています。この辺りの話はまた別の機会に書くことにしましょう。

日記をつけることに意味を感じない私は、人生のプランニングやライフログの目的で手帳を使うこともありません。やりたいこと、やらければならいことは借金をしてでも即実行するというのが私のやり方なので、プランを立てる必要はありません。自分の足跡を振り返る暇があったら前に進みたいという性格なので、ログも不要です。ましてや他人に残すべき大事なんてやってないですしね。

今の私の手帳は、ロディアの11番とモレスキンポケットサイズ(ソフトカバー)の組み合わせです。このサイズの手帳が二冊収まる革製のカバーを10年ほど前に見つけて、その左側にロディア、右側にモレスキンをセットしてモレスキンのゴムバンドでぐるっと巻いてカバンの中に放り込んであります。ちょっとした刹那的なメモはロディアに、それよりは寿命の長いメモはモレスキンに書いています。モレスキンは日付単位。ロディアは日付すら書いていません。

いずれにしても、所詮メモ帳の域を出ていないわけです。そういう意味では、若い時にどういう仕事に就くのか、その状況における手帳の必要性や役割で歳をとってからの手帳の用途が決まるような気がします。ですので手帳との接し方、使い方は人それぞれ。

その意味では、私は少々手帳運がなかったのかも知れませんね。手帳との出会いは人との出会いと同じで、ご縁のものかも知れません。若い方は是非、いろんな手帳との出会いを楽しんで、そしてその体験を大事にしてみてください。

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