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REICOのひとり言 2023/5/2

「夢みる小学校」奈良上映会を終えて

 4月28日(金)、29日(土) の二日間にわたり、奈良のホテル尾花で「夢みる小学校」の上映会を行いました。準備期間の短さもあり、あまり広く案内できませんでしたが、教育に関心の深い方たちが来てくださって、いろいろな感想をいただくことができました。
 そこで、私も改めて、感想をまとめてみました。心に残る言葉やシーンが多々ありましたがその中で、5つ取り上げたいと思います。

1.「子ども村の卒業生たちは自分の頭で考え「問う力」が際立っていましたね」
 文化人類学者の 辻真一さんの言葉です。今の日本の学生は海外の学生に比べて 全然 質問をしない そうです。なぜ子ども村の卒業生たちは「問う力」があるのかわからないとおっしゃってましたが 子ども村では、いろいろなことを子供たち自身が 話し合って決めていることが大きいと思います。
 今の学校では教師が答えを教えて、テストではどれだけ 答えを覚えているかを測っているのではないでしょうか? これでは「問う力」は身につきません。
 イエナプランでは「サークル 対話」をとても大切にしています。
 小さい頃から自分の頭で考え 子どもの「問う力」を育てることは、学校でなくとも生活の場である 家庭でも育てられる力ではないかと思います。だからこそ、親がイエナプランを学ぶ意味があると思います。

2.「教科の壁を超えた体験学習は前頭葉を発達させ 柔軟でしなやかな脳のネットワークを作ります」
 脳科学者の 茂木健一郎さんの言葉です。 本物による体験学習が脳の OS を作り、 それこそが AI が発達した現在、必要とされる 脳の OS だというお話でした。
 イエナプランでもホンモノによるワールドオリエンテーションを活動の一つの柱としていますが、 まさしく これがこれから必要とされる脳 の OS を形作っていくのだと思いました。

3.「発達障害」とは?
 映画の中で発達障害と診断され、薬を飲むように強要されていた子どもが「子どもの村学園」で 薬を飲まずに普通に活動し、 自ら進みたい道を希望を持って話す姿を見て、感動しました 。
 昨今、 学校では 学習障害と診断される生徒が増えてきているように思いますが 、これは 今の学校の「枠」の中には収まらない、というだけではないのか、と思いました。 もし私が昔の軍国主義的な小学校に入っていたら、きっと学校に行くのが嫌で、不登校になって、発達障害とレッテルを張られていたかもしれません。
 実際、今世界を動かしている人の中にも、子どものころ「発達障害」と言われていた人がたくさんいると言います。
 イエナプランでは マルチプル・インテリジェンス (多重 知能)の 理論、「人はどれぐらい優れているか ではなく どんな風に優れているかと考えるべきだ」という見方をしています。
 私たちは今、どの子どもにも様々な才能があることを認め、 その才能を伸ばすにはどんな刺激を与えれば良いのかを考えていくべきだと思います。

4.子どもが失敗から学ぶのを「待つ」
 映画の中で動物の小屋を作るのを指導した先生がおっしゃってたことが 印象に残っています。 その先生は、以前だったら、穴を掘って、石を入れて、といろんな指示を出して 効率よく作らせていただろうけども 、今はじっと見守って子供たちが 試行錯誤するのを見ていられるようになったそうです。
 人は誰もが失敗から学びます。 子供達が 失敗するのを見守ることの大切さを、大人たちは 再認識する必要があるなと思いました。
(これが難しい!)

5.「自由には責任が伴う 」?
 映画の中では子ども達が「入学を祝う会」 や 「修学旅行」まで自分たちで企画していました。 その様子にとても驚きました。
  大人はすぐに「自由には責任が伴う 」と言いますが 「きのくに子ども学園」の堀さんは「責任は大人が取る。子どもは自由にやっていいんだよ」と いう スタンスでした。
 こう言い切れる大人たちに見守られた子どもたちは、本当に楽しそうでした。
 子ども達が自由に活動できる場が、少しでも増えていくといいなと思いました。
 
 他にも 心に残った言葉やシーンはたくさんあります。
 また、改めてイエナプランのとの共通点がたくさん見えてきて、このような教育理念が広がっていくといいなあと思いました。
 そして、「夢みる小学校」がこれからもいろいろなところで上映され、多くの方々が見てくださることを願ってやみません。


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