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"戦略"は、悪だくみなんかじゃない。

自分は、なにかにつけて作戦をたてる。それは秘密裏に行われ、誰にも言うことはない単独ミッションだ。

……と言うと少々クサいが、実際は「作戦」というほど仰々しいものでもなく、準備に近いだろうか。たとえば事前に相手のしそうな言動を予測して頭の中にチャートを作っておき、対応を考えておく、といったもの。
自分はイメージを言語化するのが人より遅いので、それをカバーするためによくやる手段だ。

誰かにそういう話をすると、なぜか間違った認識で伝わることがある。
さもずる賢い悪知恵としてとらえられ、敬遠されてしまうのだ。

でも、そんなの普通にすることではないのかな、と疑問に思っているので聞いてほしい。


上司に休暇をもらうときの心の声

上記に説明ではわかりにくいので具体例を挙げてみよう。
たとえば休みをもらうため、上司に話をしなければならないとする。以下心の声。

多分大丈夫だと思うけど、もしかしたら断られるかもしれない。もしダメと言われたら、この日自分がいなくても仕事が滞らないことを説明し、以前の例も出しておこう。プライベートを詳しく追及されたらいやだな。じゃあちょっと含みをいれつつ遠回しに説明して、何か言われたら話をずらして誤魔化そう。一応飛行機の時間もすぐ言えるようにメモしておいて……

といった感じである。
会話をシミュレートしながら話す内容を用意する。でないと咄嗟に言葉が出ないことがあって、うまく話せない時があるからだ。

自分でもなかなかしんどい人生だな、と思う。どんな仕事でもコミュニケーション能力が問われる現代では、まさに人生ハードモード。こういう会話をその場で難なくできる人はうらやましい限りだ。


スパイドラマで学んだコミュニケーション術

面接を受けるとき、会社の情報を仕入れておくことなどザラにあるだろう。さらに社長や面接官が誰かわかれば、相手の興味や好きな話も仕入れておく。楽しくお話するために。

これを、「合格するための策略」などと考えると、よくない。ただのコミュニケーション方法のひとつだ。

それを"相手に取り入っている"と考える人を見たことがある。別に悪いことをしているわけではないのに。(そもそも「合格するための策略」だとしてもそれがズルい行為ではないのだけど。)

自分はこの「コミュニケーションにおける情報収集」をスパイドラマで学んだ。スパイのテクニックを、しかもドラマから……と聞くと途端にうさん臭くなるが、だからって別にやましい行為はしていない。相手のことを知ろうとするのなんて、人と接する機会があるなら誰もがやる至極普通のことだ。

でも、こういうことを話すと、自分が裏工作をしているかの如く扱われることがあるから不思議だ。
よく考えてみてほしい。ただの"事前準備"だから。


戦略は悪だくみではない。

こういった工夫や努力を間違えて捉えてしまったがために、人を貶めたり、または間違った理解のまま真似しようとして変に誰かを勘ぐってしまう人を見てきた。
人の側面をチラッと垣間見ただけで判断するのは浅はかである。

そして、戦略(=準備)は悪だくみではない。
下準備って、とっても大事だよ。

それだけ。


……あ、最初に軽く書いたチャート作戦なんですが、これには落とし穴が2点あって、ひとつは人の話を聞かなくなりがちなこと。つまり思い込みが激しくなるということです。で、もうひとつはチャート外の出来事や結果になったときにパニクっちゃうこと。
だからチャートより相手の話をよく聞いて柔軟に動けるようにするべきだし、チャート外に行ったときにはどうするかも事前に計画しておく必要があります。
考えることがものすごく多い方法なのでご注意!

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