大学芋の由来を知ると、ティッシュ配りの人に優しくなれる気がした。
大学芋。
名前の由来には諸説あると言われておりますが、その中の1つに昭和初期、『大学生が学費を稼ぐために販売していたから』というものがあります。
当時安価で購入できたさつまいもと、砂糖で簡単にできるおやつを使ってできたものを、とのこと。おそらく購入する方の中には、大学生の未来に対する投資の意味も込めて、という方もいたのではなかろうか。
そんなことをれいちゃんは考えました。(ちなみに当時のあたくしであればもやしナムルを販売すると思います。大学もやし。てへ)
未来への投資。
将来性への期待。
大学芋を買うことで大学生達がすくすくと学び、将来にとって有益であれば。大学芋を買った意味が出てくることでしょう。ギブとテイクのバランスが取れていると言えるでしょう。
ここでハッとしました。
恐ろしいことに気づいたのです。
あの有名な昔話は、大学芋的なバランスの取れたギブアンドテイクになっていただろうか、と。ともすると、バランスが少々壊れていなかっただろうか、と。
“お腰に付けたきび団子〜1つ私にくださいな”
きじ、猿、犬はせがみます。どうしてもきび団子が欲しいと。
頑張れば20分で完成しそうな、求肥をこねて丸めて、砂糖をふりかけたものを恵んで欲しい、と。その代わりに鬼退治のお供をするから、と。
たかだかきび団子1個で鬼退治。彼らは本当にそれだけでよかったのでしょうか。確かにきび団子には桃太郎のお婆さんの愛情が入っているかもしれません。だけど、鬼退治ですよ?鬼退治。
退治とか言ってカッコつけちゃってるけど。力量的には退治される可能性の方が大きいんですよ?しかも、桃太郎は別にきび団子を作っていません。もはやノーリスクで仲間を獲得しちゃっています。
もちろん、動物御一行から桃太郎に申し出をしたことは間違いありません。ですが。果たしてきび団子1個は、鬼退治というリスクに見合ったものなのだろうか....。桃太郎は、動物御一行の善意までもを軽視してテイクし過ぎてはいないだろうか。
たかだかきび団子1個で鬼退治の道連れにする。
たかだか大学芋を1個100万円で買ってもらう。
大学芋の例に例えると、なんとも恐ろしい事です。
ですが。呼吸を落ち着かせてれいちゃんは思いました。これはきっと、キジ、猿、犬の優しさなのだろう。桃太郎という男児の将来性に賭けて多めにギブをしたのだろうと。
とはいえ。あまりにもギブばかりだときっと動物御一行も心労してしまいます。へとへとです。そして、何より何食わぬ顔で主人公ヅラをしてテイクし過ぎる桃太郎の真似はしたくないです。
そう思ってしまったら最後。無料でティッシュを配っている人々に
『ありがとう。代わりにマッチはいかがですか?』
マッチ売りの小娘 現代verになりすまし、絶妙にギブとテイクのバランスが取れる人間でありたいものです。
皆さんも、大学芋を見聞き口にしたら。ティッシュ配りの方にマッチを差し上げてみてくださいね。(勿論お給料を頂いているかと思いますが、そもそも無料でティッシュがいただける世界線って結構すごいテイクだと思いまして)
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