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AI 検出ツール「GPTZero」を使ってみました

この記事では、AI 検出ツールとして知られる「GPTZero」を使ってみた感想をご紹介します。
※筆者は AI を専門としているわけではないので、あくまで”普通の大学院生”の視点としてご覧いただけますと幸いです。
※また筆者は日本語で本ツールを使用したことがありません。したがって日本語で書いた文章についての GPTZero の有用性については、わかりかねます


GPTZero とは

まず GPTZero とは AI によって作成された文章を検出するツールです。昨今は、ChatGPT をはじめとしたさまざまな AI ツールが色々な場面で使われていますが、GPT Zero は、書かれた文章が人間によって作成されたものなのか、AI によって作成されたものなのかを判断します。
教育現場や入試の現場では、こうしたツールを使って、提出された文章が AI によって書かれたものではないか判定することも多いようで、(レポートやエッセイなどが)AI によって書かれたとされることで不利益を被ることもあるそうです。
したがって、AI による手助けを得て文章を書いた方はもちろん、そうでない方も、念の為、AI 検出ツールで引っ掛かることがないか確認しておくことが、リスクを下げることにつながると考えられます。
※まったくの人の手で書かれた文章であっても、意外と AI によって書かれた文章とされてしまうことも多々あります。

さて同様の AI 検出ルールは他にもありますが、GPTZero は使い方が簡単で、比較的的中率が高いと言われています。

GPTZero の使い方

GPTZero を使うためにはまず、上記のリンク(https://gptzero.me/)を開きます。すると、以下のような画面になるため、対象とする文章を枠内に入力し、"Check Origin" を選択すれば、AI 判定がされます。テキストのベタ打ち以外にも、ファイル(pdf, doc, docx, txt)をアップロードすることも可能です。ただ、文章があまりにも短いと判定ができませんので、ご注意ください(250 文字が最低ライン)。また、最大 5000 文字という制限もありますので、長い文章は区切って使用する必要があります。なお、GPTZero は無料で、かつ会員登録なしで使うことができます

GPTZero の初期画面

ひとまず適当な文章を入れて、チェックしてみた結果が下記です。
今回は筆者が思うがままに適当に書いた駄文のため、100 % human であるべきですが、どうやら 32 % も AI 判定がされてしまいました。
詳しい結果の見方は以下のようになります。

  • 右側の Probability の欄が、「AI である可能性」を表しています。

  • その下の Classification が、AI が書いた文か、人が書いた文か、あるいは両者の混合かを示しています。

  • さらに下の Probability Breakdown によると、何 % が AI で、何 % が人で、何 % が混合かを示しています。

  • 左側の文章の欄では、ハイライトされた部分が AI と判定された文章です。

100 % 人による文章を判定してみた結果

では、続いてこの酷い文章を ChatGPT に修正させた上で、GPTZero で再び検出してみましょう。

ChatGPT による添削
GPTZero による再びの判定

その結果、ご覧の通り、AI の可能性が 91% にも上がり、判定としても AI が書いた文章となりました。さすが GPTZero です。
では、ChatGPT の文に筆者が手を加えるとどうなるでしょうか。

ChatGPT の文章に筆者が手を加え、再度判定

今度はなんと AI によって書かれた確率が 1% の「人間が書いた文章」と判定されました。(そういうこともあるのでしょうが、今回は少し手を加えすぎたかもしれません。ですが、何らかのテクニック(?)を使って、AI によって書かれた確率を下げることができれば、無駄な疑いはかけられなくても済みそうです。)
しかし基本的には、一度 AI を使って生成した文は、いくら筆者が手を加えても、高い AI 可能性が維持されるというのが筆者の経験談です。

会員登録をするとできること

登録をしなくても使うことのできる GPTZero ですが、会員登録をすることで、Dashboard が使えるようになります。
会員登録自体は無料です。

Dashboard でできること

無料会員のメリット

会員登録をして Dashboard を使うことのメリットは、以下の 3 つのようです。

  1. より高度な AI 検出機能を使うことができる

  2. 文章の出どころを検索し、盗用や AI 著作権のチェックができる

  3. 過去の履歴を残しておくことができる

履歴画面

先ほどの ChatGPT に書いてもらった文章を打ち込んだ結果がこちらです。盗用チェックの項目があったり、Writing Analysis があったりと、より詳しい結果となっています。

会員登録をした場合のチェック結果

また各文章の AI impact (高い方が AI 度が高い)も出るようです。

会員登録をした場合のチェック結果(続き)

無料会員のデメリット

一方で、無料会員の状態では、1 か月に検出できる限度(credit)があります。credit は単語数で計算されています。
無料版ですと、1 か月あたり 10000 words しかスキャンすることができません。また、その他、1 時間でできるチェックの回数が決まっていたり、一度に入力できる文字数が 5000 文字が限度だったり、盗用チェックの限度があったりといった制限もあります。
※会員登録なしの状態で、1 か月に何 word 検出できるかについては、わかりかねております。もしご存じでしたら教えていただけますと幸いです。

会員登録後の様々なプラン(2024 年 1 月時点)

有料会員の料金体制

AI 判定というものは依存性が高く、一度使い始めると、「これも AI と思われるかもしれない」と怖くなってしまい、何から何までチェックしないと怖くなってしまいます(筆者談)。
そのため、10000 words という制限は、ものの 30 分ほどで使い切れてしまうようなものであり、実際、筆者は Premium バージョンを 1 か月分契約する羽目になりました。
各プランによる細かな違いは、上の画像を見ていただけますと幸いです。
なお料金体制は、月単位と年単位の 2 種類です。年単位で契約すると、33% off となっています。

月単位契約の料金(2024 年 1 月時点)
年間契約をした場合の料金(2024 年 1 月時点)

もちろん決してお手頃とは言えない料金設定です…。
そして Premium Plan では、1 か月に 300000 words のチェックが可能なのですが、筆者は 1 週間足らずでほぼ使い切ってしまいました…。
チームでの使用も可能とのことですが、この容量を他の人と分ける余裕は正直ないのではないかと思ってしまいます。もちろん使い方によるところは大きいと思いますが、がっつり目に文章を書く方には Premium では全く足りないと思います。

結論

GPTZero は AI で書いた文章を見抜くという点ではかなり優秀だと思います。一方で、人間が書いた文章でも、AI だと疑われることもあります。表現方法を簡潔にするなどの工夫で AI だと判定されにくくすることはできるかと思います。AI の使用そのものに関する是非に関しては、個人的にかなりモヤモヤがあるのですが、また別の記事に書くこととします。
プランについては、余程のこだわりがない限りは、会員登録をせずに気楽に使うくらいが良いのかもしれません。
皆様のご参考になれば幸いです。

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