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官能小説『姉のような母のような黄色い花』

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盗撮、淫行、乱交パーティ、裏ビデオ工場の潜入……2000年初期、なんでもありのカオスと化していたエロ本業界。その当時、23歳の駆け出しフリーライターの「僕」こと見城圭介は、一攫千… もっと読む
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記事一覧

1 夕日の差す方角

「圭(けい)ちゃんの部屋はここにお風呂があって、トイレはここでしょ。で、台所はここだか…

柚木怜
4年前
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2 潜入撮! 未成年デリヘル

「なんか戦争になりそうだね~」 Tさんは物騒なことをさも嬉しそうに言いながら、 「はい、…

柚木怜
4年前
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3 東京フードル図鑑

「ニコパチでいいからさ。持ってきてくれたら、こっちで検討するよ」 ニッコリと笑った顔を…

柚木怜
3年前
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4 歌舞伎町にあった村

かつて歌舞伎町には「村」と呼ばれる場所があった。 僕が駆け出しのフリーライターだった2…

柚木怜
4年前
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5 裏ビデオと若妻

「何これ? モロ見えじゃん!」 もう夜中の二時である。 僕の住むアパートは路地の奥まった…

柚木怜
4年前
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6 裏ビデオ工場

※2001年頃の歌舞伎町 今でいう「半グレ」。 思えばこの当時、全国に名を轟かせる暴走…

柚木怜
4年前
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7 輪姦パーティのあとで…

「週刊誌で連載かぁ。やるじゃん。何を書くの?」 マスターの小林さんはまだ30歳ぐらいだが、アゴ髭の似合うダンディーなルックスで一見ちょっと怖そうだけど、当時23歳だった僕にとって兄貴的な存在だった。 「AVの撮影現場をレポートするんです。早速、今日取材に行ってきましたよ」 「AV!? いいなぁ。あれって何? 本当に入れてるの?」 小林さんは隣にすこぶる美人の奥さんがいるというのに、めちゃくちゃ食いついてくる。 「入れてましたよ。でも、入れる前にカメラが映っていないところで

8 裏看護婦とスーツの男

「おい、エサ食ってんじゃねえよ」 週刊●●でヤクザ記事を担当するフリーライターのAさんは…

柚木怜
3年前
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9 デートクラブ嬢24時間密着ドキュメント

路地の奥まったところに、僕の住むボロアパートはある。 風呂とトイレは別だけど5畳もない…

柚木怜
3年前
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10 湘南ビーチギャル 突撃インタビュー!

※2001年7月 湘南ビーチの取材にて(以下、写真は全て同時期) 「大丈夫ですかね………

柚木怜
3年前
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11 渋谷JK 私の夏休み「援交」絵日記

「あ、あの、突然のお電話で、失礼いたします! わ、わ、わたくしは週刊●●の記者の見城(…

柚木怜
3年前
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12 放課後の生セラショップと唾ローション

※2001年撮影 渋谷にあった某「生セラショップ」の取材にて(写真は以下同) 《若手女…

柚木怜
3年前
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13  新大久保・風俗トラブル土下座事件

「門限もあるんだから、このまま家に帰れよ。話が終わったら、ちゃんと連絡するから」  午…

柚木怜
3年前
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14(最終回) 最後のエロ本狂時代

「ミッキー? マウス? そんなわけないよね」  ミッキー・ローク主演のハリウッド映画『シン・シティ』が日本で上映される直前だったから、2005年9月のことだ。  23歳でフリーライターになった僕は27歳になっていた。 「俺もよく知らないんだけどね。ハリウッドスターで、元プロボクサーらしい」  正直、どこのホテルでディナーをしていたのか、よく覚えていない。  この頃になると、銀座なら『ザ・ペニンシュラ東京』、新宿なら『パークハイアット東京』、恵比寿なら『ウエスティン東京』とい