2022年の“不義理”は今年のうちに
この1年の大きな変化は、やっぱり会社を辞めてフリーランスになったことだ。自由を渇望した結果、私はこの2022年、新しい出会いと引き換えに数々の不義理を残してきた。
例えば、前職の先輩。親身にキャリア相談をしてくれたのに、結果として私は退職することとなった。他にも、途中で離れることになったプロジェクトのクライアントさん。「きっとこれからも活躍できるよ」と熱いメッセージをくれたのに、私はその想いにスタンプだけを残してちゃんと返事することができなかった。
独立時に残してしまった不義理がいっぱいある。
いま思えば、独立するときに冷たい言葉をかけてくる人も何人かいた。
「そんな礼儀ができないんじゃフリーランスになっても活躍できないよ」
「常識的に考えたら、あり得ないでしょう」
「これは、あなたのことを思って言ってるんだよ」
すごく、すごく痛かった。その人とはもう二度と会いたくないと思って、私は自分の心を守るために距離を置いた。
ただ、そんなふうに言ってくる人から離れようとしたがために、心から応援してくれた他の人たちとまで離れてしまった。自由になること、そして自分の身を守ることで精一杯だったから。
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置いて来た後悔は見ないようにして、この1年間ひたすら前を向いて進んできた。そんな2022年の終わりに、とある2人から連絡があった。どちらも不義理をしたという罪悪感で自分から連絡をとっていなかった人だ。
ひとりは、また一緒に仕事をしようよと声をかけてくれた。もうひとりとは、上司・部下という関係ではなく、キャリアのことを相談できる友人としておいしいお酒を交わした。
もう会えないかもしれないと思っていた人から、連絡が来ることがたまらなくうれしかった。
不義理をしてしまった理由は、もう述べたとおり自分の気持ちを守りたかったからだ。いまじゃない場所へ、もっと自由な場所へ、自分の心のエンジンを駆り立てて突き進み、伝えられなかった感謝と後悔の念は箱の中にしまいつづけた。
それは悪いことではない。自分らしく生きるために、手放さざるを得ないもの、耳を傾けたくない(傾ける必要のない)声はたくさんある。
それでも、時を経て「あの時、後悔してたんだ」という気持ちを伝えるチャンスを2人が与えてくれたことで、自分が歩んできた道が肯定された気がした。
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不義理をしてしまった人へ。
その人との縁はぷっつり切れてしまったように今は感じられても、その人との物語は目に見えないところでずっとずっとつづいているのかもしれない。今は伝えられない想いも、ずっと先の未来で届くこともあるかもしれない。
不義理を解消しよう、とは別に言いたくない。でも、2022年の終わりにその人と出会い直せたよろこびをnoteに残しておきたいと思った。
転職や移住、独立など、自分らしい生き方を選ぼうとするとき、私たちの心は非常にセンシティブで、周囲からの視線がすごく冷たいものに感じることもある。それでも、自分の意志を持って挑戦してきたことが誇らしいし、そのご褒美が、こうして“出会い直し”という形で巡ってきたように思う。
2023年、今度は誰かの背中を押せる存在になりたい。「れいちゃんに話を聞いてもらったら、なんかわかんないけど勇気が出た!」と言ってもらえる人になろう。「何を選んでも、あなたは絶対に大丈夫」そう伝えつづける1年にしよう。
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