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【第5話】冬のダイビング|「ドライスーツの風評被害」問題

保温性について、簡単に言ってしまえば。
ウェットスーツとドライスーツは、水温15度の中にいるか、気温15度の中にいるかの違いです。

ウェットスーツは、必ず体は水に濡れますので、水温15度の海でのダイビング。ドライスーツは、体は水に濡れることはないので、気温15度でのダイビングとなるのです。

水温15度は、サウナの水風呂と同じですから冷たい!ですよね。*1
でも気温15度は? 仙台で言うと、5月もしくは10月の平均気温です。ポカポカ陽気。

ぜんぜん違う。

ただ、ドライスーツには誤解が多くて、抵抗のある人もいます。
誤解に関して言えば、代表するとこの3つでしょうか。

1)技術的な問題
2)圧迫感の問題
3)水を感じられない問題

その誤解を一つずつ解いていきましょう。


1)技術的な問題
結論から言うと、ウェットスーツで問題なくダイビングができればドライスーツでも問題なくダイビングできます。変わりません。
しかし、中性浮力がうまく保てないなど、技術的にまだ未熟であれば、ウェットスーツの方が扱いやすいかと思います。例えば最初の講習の場合は、ウェットスーツの方がやりやすい。
違いは、水中の浮力コントロールを、BCで調整するかドライで調整するかの違いくらい。あとは、変わりません。同じです。


2)圧迫感の問題
苦しそうって言われることもありますが。これは単純にサイズの問題です。
小さいドライはしんどいけど、それはウェットスーツでも同じ。(もっと言えば、ウェットの場合は、ジャストフィットする必要があるのでより苦しい。固くなってしまったウェットスーツは苦しさの象徴です。)ドライスーツのレンタル品は、首周りも緩めに作られていて、外部からバンドで調整します。特に首周りが締め付けられることはない。もちろん、ウェットにせよドライにせよ、自分のスーツがあることが理想でしょう。
もしかして、扱いづらい、動きづらいイメージは、宇宙服を思い浮かべてたりしているのかもしれません。実際には、レインウェアくらいの感じです。


3)水を感じられない問題
「水を感じれるのが、ダイビングの楽しさ。水を感じられないドライスーツは嫌。」と言うのも、割と勘違い。これは、慣れの問題です。私も伊豆から東北へダイビング拠点が変わった時にそう思いましたが、慣れればそんなことない。一緒に移ったメンバーもみな同じ意見でした。ドライスーツでも十分に水を感じてダイビングをすることができます。

その他にも。ドライスーツは水着になる必要がないので、ダイビング後も圧倒的に楽です。シャワーを浴びて、更衣室で水着を脱いで、、の手間がなくなります。
ドライスーツを脱ぐ前に水を浴びて、髪を拭き、脱げばもう終わりです。


ウェットスーツとともにドライスーツも上手く活用できるようになるのが理想ですね。そうなれば1年通してダイビングを楽しめます。


*1)ウェットスーツで潜れるのは、水温24度以上が、目安です。

下記が、私の考える、水温と利用する保温スーツの目安です。
ご参考まで。

28度~30度:3mmフルスーツ
24度~28度:5mmフルスーツ(基本のスーツ)
22度~24度:5mmフルスーツ+ベスト
20度~22度:ドライスーツ
18度~20度:ドライスーツ+インナー
14度~18度:ドライスーツ+インナー+ミドルレイヤー

※インナー:ヒートテックなど
※ミドルレイヤー:フリースなど
※ドライスーツの場合は、フードも被ります。