【読書感想文】 集英社新書『行動分析学入門』杉山尚子

まずこの点はこれから強く意識していきたい。

禁煙しようと思ってもたばこを吸ってしまう人は「意志が弱いから禁煙ができない」のではなく、「禁煙ができないから意志が弱いと言われてしまう」だけで、他の点では粘り強く物事ができたりする。

ただ一つの行動を取り上げてラベルを貼って「個人攻撃の罠」に陥らないようにしたい。ラベルは単なる行動の言い換えにすぎず、大事な物を見失わせる。

「罰によってコントロールするのではなく、好子によって制御される社会システム」というのは相当に難しいだろうと思う。
罰を与えるのは簡単だが、好子はそれが何かを分析することから始めなければならない。それが正しいのかどうかも断定しにくい。

教育現場に起きている問題はこの点だろうと思う。
好子は人それぞれ大きく異なることが想像される。
たった一つの行動だけではクラス全員の好子を強化することはできない。

「したかったから」というのは理由にならない。
それがいかに突発的な物であろうと、したくなるには理由があるはずで、前後で変化する好子、嫌子を探さなければならない。
60秒ルールを忘れてもいけない。遠い将来は行動の要因にはなりづらい。

そうすれば困った行動をやめさせられるかもしれない。

一度目に読んだ時とはだいぶ感じ方が変わっていた。

逆行チェイニングは、授業の展開としてよくやる方法だ。
子育てでもどんどん入れていきたい。ただ最初のとっかかりがなければ何もできない子になっても困るから、簡単なことはまずやらせるというのも必要だろう。特に一人目の子はそのさじ加減が難しそうだ。

個別の細かい事案についてもう少し考えたいが、これはもう一度読みながらでないと大変そうだ。

2012.7.13

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