3月のはじまり

今日は日記。

昨日、麻布十番に行った。久しぶりだったので、どきどきしながら街を歩いた。風はつめたくて、でも心はそわそわ熱っぽくなっていて、たぶん私は街から浮いていた存在だったと思う。


たまに連絡をとりたくなる男の人がいる。その人がなにしているのか、元気なのか、そんなのはどうでも良いのだけどとりあえず「いまなにしてるの?」とか「元気にやってるの?」とか訊いてしまう。めんどうな女だと思われてるだろうなぁと分かっていても、連絡してしまう。

恋とかじゃない。そりゃあ、男性として好きだった時期もあるけれど、いまはそんなんじゃない。

寂しいのかもしれない。満たされていると思っているのは脳みそだけで、心のなかはからっぽなのかもしれない。からっぽの心を埋めてくれる相手を探し彷徨い歩いているのかもしれない。


だとしたらなんてみじめなんだろう。自分から一人になることを選んだくせに。昔の男にすがるなんて。


春ももうすぐというのに、心はまだ芽吹かない。ぼうっとしていると、また夏がくる。あの、すばらしく快活で情熱的で苦しい季節が。でも不思議と、夏になると私の心は豪奢な花々で彩られるのだ。

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