リハノベル@再(ふたたび)あゆむの生活を守る医療小説

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入院したのに、何で悪くなって帰ってきたの?

※訪問リハビリテーションをテーマにした短編小説です。気楽にお読みいただけたら幸いです。※ 「今年の旅行も、おじいちゃんたちも一緒に行こうね!」 「分かったよ。風邪ひかないように気をつけるよ。」 孫のタビトとそんな話をしてから、数日後。 「え?おじいちゃん入院しちゃったの?旅行行けない?」 「熱が出て動けなくなってしまってね。今原因を調べたりしているところみたい。2週間くらいで退院できるみたいだし、旅行はまだ2ヶ月も先だからきっと大丈夫よ。」 おじいちゃんが入院…心

    • プロローグ

      私、再(ふただひ)あゆむは理学療法士(りがくりょうほうし)という資格を持っています。 いわゆる「リハビリ」をサポートする仕事です。 世の中には沢山の医療をテーマにした作品があります。 医師、看護師、薬剤師、ヘルパーなどなど。 たまにリハビリ関係も目にしますが、ごくわずかだったり、リハビリテーションについてはあまり触れられなかったり。 もう少し、リハビリテーションの世界を知ってもらえたらいいなという思いで、主に患者さんとのやりとりを紹介できたらという所存です。 舞台は

      • 「『後はリハビリを頑張って』って言われたんだよ」

        「ああ、そんなんですね。」 私、再あゆむは返事をする。 「そう。入院中も家に帰れるように頑張ってたけど、退院してからも大事なんだと。無口な主治医だけど、ボソっと言ってたわ。 という訳で、先生、よろしくお願いします。」 「こちらこそ、よろしくお願いします。」 私の資格、理学療法士は医師でもないのに先生と呼ばれることがある。看護師を先生と呼ぶ人は少ないが、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士を「先生」と呼ぶ人は多い。 普通に再さんとかでいいのに…と思いつつ、違う呼び方を提案し