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"現在進行形"の約束のドーム、Aqours『現実期』、最終公演としてのWINDY STAGEを読み解く。

0.はじめに

昨年2022年6月24日、25日に東京ドームにて行われた、『Aqours 6th LoveLive! KU-RU-KU-RU Rock'n'Roll TOUR -WINDY STAGE-』、

同じく2022年2月から行われていたAqoursの史上最多動員の6thライブツアーの追加公演にして、約束の地にて開催されたツアーファイナル。

この記事の公開日で開催から一年。
この大切な日から一年経ったからこそ見えてきたり、わかってきた、『あの日、Aqoursが伝えたかったこと』を自分なりに書き連ねてみたいと思います。

本記事、物凄く長い文量であることと、
自分自身もライブBDを何度も見返して書いたようなところも多いので、
ライブレポというよりは、傍に置いておく読本のような記事になっております。

この記事単体で読んだり、当日の記憶を頼りに読んだりするよりも、お手元にライブBDを再生しながら読むのが一番楽しめる、書かれてる意味がわかる記事と思いますので、ぜひライブBDをご用意いただき、お読みください。

1.セットリスト

■Day.1公演セットリスト
01. なんどだって約束!/Aqours
02. 未体験HORIZON /Aqours
03. DREAMY COLOR /Aqours
04. Awaken the power /津島善子、国木田花丸、黒澤ルビィ
05. 未熟DREAMER /松浦果南、黒澤ダイヤ、小原鞠莉

06. OKAWARI Happy life! /高海千歌
07. Love Spiral Tower /桜内梨子
08. 1STAR /黒澤ルビィ
09. MOTTO-ZUTTO be with you /黒澤ダイヤ

10. KOKORO Magic “A to Z”/ Aqours
11. GEMSTONE “DE-A-I”/Aqours
12. Next SPARKLING!! /Aqours
13. i-n-g, I TRY!! /Aqours

14. KU-RU-KU-RU Cruller! /Aqours
15. Deep Resonance /Aqours
16. 心の羽よ君へ飛んでけ!/ Aqours
17. Brightest Melody / Aqours
18. smile smile ship Start! /Aqours

ENCORE
EN1. 君のこころは輝いてるかい?/Aqours
EN2. SUKI for you, DREAM for you! /Aqours

■Day.2公演セットリスト
01. なんどだって約束!/Aqours
02. 未体験HORIZON /Aqours
03. Future flight /Aqours
04. ハミングフレンド/高海千歌、桜内梨子、渡辺 曜、津島善子、国木田花丸、黒澤ルビィ
05. 空も心も晴れるから/高海千歌、桜内梨子、渡辺曜

06. RUN KAKERU RUN /松浦果南
07. やあ!行雲流水!?/国木田花丸
08. Paradise Chime /渡辺曜
09. Love is all, I sing love is all! /小原鞠莉
10. 迷冥探偵ヨハネ/津島善子

11. KOKORO Magic “A to Z”/ Aqours
12. GEMSTONE “DE-A-I”/Aqours
13. Next SPARKLING!! /Aqours
14. i-n-g, I TRY!! /Aqours

15. KU-RU-KU-RU Cruller! /Aqours
16. Deep Resonance /Aqours
17. キセキヒカル/Aqours
18. 想いよひとつになれ/Aqours
19. smile smile ship Start! /Aqours

ENCORE
EN1. 君のこころは輝いてるかい?/Aqours
EN2. SUKI for you, DREAM for you! /Aqours

W-ENCORE
EN3. なんどだって約束!/Aqours

本公演、『Aqours 6th LoveLive! KU-RU-KU-RU Rock'n'Roll TOUR -WINDY STAGE-』はいくつもの重層的なテーマを中心に構成されたコンサートだと思っています。

・OCEAN、SUNNYに次ぐ、「SUKIを伝えるライブツアー」、『KU-RU-KU-RU Rock'n'Roll TOUR』ファイナル公演としての側面

・2019年の5th LoveLive!、『Next SPARKLING!!』の次のナンバリングワンマンライブとしての側面

・2018年の4th LoveLive!、『Sailing to the Sunshine』以来、2度目の「約束の場所」での公演としての側面

・総初披露楽曲13曲(うち1曲は未音源化初披露楽曲)、『現在進行形』のAqoursを見せつける公演としての側面 

・1st〜5th(ラブライブ!フェス)を『アニメ期』とすると、それ以降のユニット公演、LOST WORLDから始まる期間の様々な「現実の壁」を乗り越えた『現実期』のクライマックス公演としての側面

・幻のドームツアー2020、『Journey to the Sunshine』での要素、浦の星交響楽団をさらなるレジェンドアーティストを交え再構成したリベンジ公演的な側面

・「未体験」から「幻日」へ。
「高海千歌」から「津島善子」へ。
次の物語の担い手へとバトンが受け継がれる公演としての側面

ざっとこんなところでしょうか。

このいくつものテーマが各セクションにて存分に発揮される重層的なコンサートがWINDY STAGEだと思っています。
このテーマを中心に、各セクションごとにセットリストと共に振り返っていきたいとおもいます。

2.第1セクション(「なんどだって約束!」〜)

なんどだって約束!/Aqours

1曲目は今回のWINDY STAGEテーマソング、
特大の3面連結ワイドスクリーンの演出と共に歌われる今回の開幕曲。
豪華楽曲製作陣も交えた浦の星交響楽団による生演奏により披露されます。

この曲で歌われる『約束』が、どの地点から交わされてた約束か。

前回ナンバリング、2019年の5th Live以降の相次ぐライブ中止、その中で発表された
『 Aqours 6th LoveLive! DOME TOUR 2020』。
その中にも今回の会場である『約束の場所』、東京ドーム公演(2020年10月10日、11日)も名を連ねていました。
無観客での公演決定も検討される中、
2020年8月21日、全公演中止が決定。
東京ドーム公演開催予定日での代替公演、オンラインライブ『LOST WORLD』の開催が決定されました。

『約束』とはこの時の『約束』だった。
自分はそう思ってました。
各メンバーがSNSを中心に発信した
「いつか絶対開催する、待っててください」の言葉、それが今回の『約束』。
そう思っていたのですが、少し違いました。

「なんどだって約束!」の歌唱と共にバックスクリーンに映されるのは、辛く、悲しかった2020年からの数年間ではなく、
2018年、Aqours初の東京ドーム公演『Sailing to the Sunshine』のロゴと映像。
各メンバーが「必ずまた戻ってくる」と宣言したあの日、
『憧れの舞台』を『約束の場所』に変えたあの日の映像が「Aqoursの約束」だったのです。

もちろん過去の開催中止の件については、
「なんどだって」の部分に掛かってきますが
「約束」の意味に関してはコロナ禍があろうとなかろうと、歩むべき未来が捻じ曲げられ変わろうとも変わらず「2018年11月」地点の約束であり、
あり得た未来である「2020年10月」の幻への未練や不条理を叫ぶことが本質ではなく、
ただただ「2018年11月」の「またここに戻ってきます」の約束だけを追いかけて、再び戻ってきたんだ。

そんな選手宣誓のようなはじまりの「なんどだって約束!」の演出と共に開幕するWINDY STAGE。最高のライブの始まりです。

未体験HORIZON/Aqours

待ちに待った待望のワンマンライブ初披露の「未体験HORIZON」
このライブの一つの大きなテーマの核と言っても過言ではない、楽曲です。

6thライブ、OCEAN/SUNNYで同じ「開幕2曲目」を飾った、
劇場版にて「海(OCEAN)」を渡った先で歌われた「Hop?Stop?Nonstop!」、
「太陽(SUNNY)」を名に関した「太陽を追いかけろ!」と対応する、
「海(OCEAN)と太陽(SUNNY)の境界」=「水平線(HORIZON)」を冠した
「未体験HORIZON」はOCEAN/SUNNYの追加公演WINDY STAGEの「開幕2曲目」として申し分ない楽曲。

さらにOCEAN STAGEで披露されたナンバリング楽曲、「恋になりたいAQUARIUM」
SUNNY STAGEの「HAPPY PARTY TRAIN」とも対応していて、このライブで披露される必然性を強めます。

後にも書きますが、
この楽曲を中心に、WINDY STAGE、ひいては6thライブ全体は、様々な「対」の構造でセットリストが構築されています。
今回はこの、セトリ構築上の対比の視点も取り入れて見ていきます。

後の降幡 愛さんのMCの言葉でも触れられた
「初めはレールの上を走っていた頃から、未体験の世界に来て…」
という言葉通り、前回ナンバリング5th(『アニメ期』)のその先を、さまざまな現実の壁を越えながら現実のキャスト先導で突き進んだ『現実期』を象徴する楽曲でもあり、だからこそ、ワンマンライブでの披露が待ち焦がれていた楽曲。

そして何よりも、「なんどだって約束!」の後に歌われるこの楽曲こそが「2018年11月の約束の歌」
高槻かなこさんの前回東京ドームでの『言い切りの法則』も思わせる、約束の舞台での堂々とした披露にWINDY STAGE最序盤にして、一つのキーポイントとなりました。

DREAMY COLOR/Aqours(Day1)

現Aqours、新たな名刺代わり楽曲であり、
初の実写MV付きの楽曲。
これも『現実期』を象徴する楽曲です。 
本公演での特徴でもある3面連結スクリーン、
それをふんだんに使った9分割のメンバーを、
一人ひとりを映す演出は圧巻でした。

Future flight/Aqours(Day2)

初日の「DREAMY COLOR」とスイッチングしたのは「みんなで作るAqoursの曲」
2日間通じて緊張感漂う東京ドームのライブでしたが、この楽曲では「楽屋のAqours」が垣間見れました。
DREAMY CONCERTの「Jump up,HIGH!!」の続編とも言える(?)
「いらない物語」を今回のこの曲でも見ることができました。

Awaken the power/1年生ver.(Day1)

イントロで心臓が飛び出すような気持ちになった人も多かったかもしれません。
OCEAN、SUNNYでも「DREAMY COLOR」の後に歌われた「学年カバー」
OCEAN、SUNNYでは全体を通るテーマである「SUKI」を伝えるライブらしく、「少女以上の恋がしたい(2年生)」、「"MY LIST" to you!(1年生)」、「待ってて愛のうた(3年生)」のラブソング3曲がここに入ってきてましたが、
WINDY STAGEは、
「TVアニメのストーリー上、各学年のキーポイントになった劇中挿入歌の学年カバー」というサプライズ的セットリスト、1年生は、2期9話挿入歌、Saint Aqours Snowとして歌われた「Awaken the power」を切ってきました。

元々ストーリー上では、Aqours1年生と鹿角理亞の4人で先輩/お姉ちゃんへのサプライズで作られた楽曲。
であるが故にAqours1年生のみで歌われるこの楽曲カバーは、理亞はいないものの、むしろこの楽曲の本質的なところに迫ります。
この「楽曲の本質」を引き出すような学年カバーはWINDY STAGEでは披露されます。


未熟DREAMER/3年生ver.(Day1)

これもイントロで崩れ落ちた人が多かっただろう楽曲。
3年生の切ってきた「TVアニメのストーリー上、各学年のキーポイントになった劇中挿入歌の学年カバー」1期9話挿入歌「未熟DREAMER」。
さらにこの楽曲には新規演出となる映像も作られ、初代Aqoursが夏祭りまでに解散をしなかった世界線、3年生が1年生時の「未熟DREAMER」として披露されます。

2021年のユニットライブ、2人のAZALEAとして披露されたダイヤ/果南、いわば日本在留組の「未熟DREAMER」にも心を打たれましたが、ここには、作中では留学に行き、離れ離れになった鞠莉も含めた3人が「本来あるべきだった形」「未熟DREAMER」を歌います。

特にこの楽曲における、小宮有紗さんの歌唱力の成長は、個人的にかなりのキーポイントになっていて、2番サビの「不思議なくらい怖くは無くなって!!」の心の込め方は本ライブ随一の名シーンだと思います。

そしてDay2。

ハミングフレンド/1、2年生ver.(Day2)

「青空Jumping heart 」カップリング楽曲。
一部でカルト的人気を誇る楽曲ですが、
まさかの初日の「Awaken the power」とのスイッチングで1、2年生6人での歌唱。
「まさか」の理由はこの楽曲にも新規演出による楽曲再解釈。
映像では、劇場版で描かれた「Next SPARKLING!!」のサブストーリー、「どっちの服が似合うかな?」と迷いながら「Next SPARKLING!!」衣装を作成する新生Aqours(千歌、梨子、曜、善子、ルビィ、花丸)。
そういう意味では初日の「未熟DREAMER」と綺麗に対になる楽曲再解釈で贈られる「ハミングフレンド」。
カップリング楽曲に新規ストーリーを付与させて披露する手法はAqoursでは初の試みだったこともあり、「Aqoursのライブ」というものへの新たな表現方法を感じさせる演出でもありました。

空も心も晴れるから/2年生ver.(Day2)

2年生が選んだ「TVアニメのストーリー上、各学年のキーポイントになった劇中挿入歌の学年カバー」、2期7話「残された時間」挿入歌の「空も心も晴れるから」。
2年生は主人公学年なのもあり、どこの挿入歌を持ってくるか、予想が付かなかった中で、元々2年生の学年曲であったこの曲が、2年生編成としては2ndライブ地方公演ぶりに披露されました。

「Awaken the power」「未熟DREAMER」と各学年主役エピソードの挿入歌、さらにその学年だけで歌うことによって新たな付加価値、楽曲の本質に近づいたこの2曲に比べると2年生の選曲は、少し違った選曲であるように思われましたが、この引っかかりはDay2の後半戦で明かされます。

3.第2セクション(ソロ曲)

WINDY STAGE、第2セクションは、ソロセクションです。
ユニット公演をふまえSUNNY STAGEでは披露済み楽曲と未披露楽曲が入り混じる構成でしたが、このセクションは、全楽曲初披露の「現在進行形」。
特に最後の「迷冥探偵ヨハネ」はAqours初の試みである「まだリリース前の楽曲をライブで初披露」すると言う試み。
誕生日順、主人公:高海千歌から数えると7月生まれの津島善子が最後、という「不運」を「新規楽曲初披露」という最大の勝負所に変えた津島善子/小林愛香が目立ったセクションでありつつ、
トップバッター、主人公:高海千歌からアンカー:津島善子へとメンバーが繋いでいくソロ楽曲全体の流れは、Day2終盤で明かされる大きな大きな発表、「物語の次の担い手」へのバトンを渡すかのような流れだったのかもしれません。

その背景もあってか、「幻日」発表後最初のワンマンライブである2023年2月のEXTRAライブでは、主人公:津島善子からアンカー:高海千歌へ繋ぐ流れになっているのかなとも思いました。

4.第3セクション(「KOKORO Magic “A to Z”」〜)

このセクションも、大きく「Aqoursが伝えたかったこと」
『アニメ期』の1st〜5thのナンバリングライブを駆け抜け、その先の「6th」というところが最も意識されたセクション。
それであり、尚且つ、このセクションも4曲中、「Next SPARKLING!!」以外の楽曲が全て初披露楽曲。セクションの最後を飾る「i-n-g,I TRY!!」でも歌われる『現在進行形』がこのライブでAqoursが伝えたかったことの大きなひとつと感じられます。

KOKORO Magic “A to Z”/ Aqours

2019年のリリースから3年の時を経て初披露された楽曲。
印象的なアラビアン衣装も初披露。

この衣装に関しては親方さんのこちらのnoteが非常に面白い観点ですが、そちらも先行文献にしつつ、自分は服飾史的な観点ではなく、ラブライブ!史から読み解いていきます。

ラブライブ!シリーズ×東京ドームの歴史、
振り返ると思い返すのがやはりあの『伝説のライブ』、『μ's Final LoveLive!〜μ'sic Forever♪♪♪♪♪♪♪♪♪〜』。
そこで披露された並び、
「Angelic Angel」→「輝夜の城で踊りたい」→「だってだって噫無情」。
初披露となったAngelic Angel衣装と共に歴代μ'sの和風ソングを3連続で披露する「和装メドレー」。ラブライブ全体に置いても伝説のセクションとして印象に残っています。

そしてラブライブ!シリーズでは2度目の東京ドームとなった『Aqours 4th LoveLive! 〜Sailing to the Sunshine〜』では、おそらくこのセクションのリスペクト。
同じく当時初披露となったMY舞⭐︎TONIGHT衣装で「MY舞⭐︎TONIGHT」→「待ってて愛のうた」→「未熟DREAMER」の3曲を披露した、
Aqours流「和装メドレー」が披露されました。

その中で本セクションは、伝統の「和装」を別の民族衣装モチーフの「ココマジ衣装」で崩してきたな!という印象もありました。

Aqours 4thの「和装メドレー」と本公演のこの「ココマジセクション」はどちらも製品版のDisc2に位置する中盤セクション。
この二つが対になってるという視点でも本公演を見ていこうと思います。

GEMSTONE “DE-A-I”/Aqours

こちらも初披露。
ラブライブ!サンシャイン!!BD-BOXの特典曲であり、「声出し解禁」の未来を見据えたとしか思えない発声前提のロック楽曲。

2020年からの『現実期』
「New Romantic Sailors」、「Braveheart Coaster」、「Amazing travel DNA」と歌詞に「冒険」が共通して入る『冒険三部作』を掲げ、駆け抜ける予定だったユニットライブ。
その中でAZALEAの公演および、
最終ゴール地点であった
「PERFECT WORLD」が開催中止。
その後のドームツアーも開催を断念し、
その結果、「LOST WORLD」という代替公演が生まれました。

当時すでにリリースされていた
AZALEAの「メイズセカイ」
Aqoursの「Deep Resonance」と言った楽曲で歌われる「滅亡寸前のセカイ」「壊れそうなこの世界」という歌詞が、『現実期』の過酷な現実とマッチする「LOST WORLD」の世界観をAqoursは当時背負っていたと思います。

次にリリースされるユニットアルバムの3曲、
「Shooting Star Warrior」、「ある日…永遠みたいに!」、「We'll get the next dream!!!」でも共通して「セカイ(世界)」という歌詞がつかわれ、
「セカイにどんなことが起きても再会を誓う」、そんな3ユニットの2ndライブ開催期の2021年の情勢にも当てはまった世界観が提示されました。

そしてDREAMY CONCERT、OCEAN、SUNNYとそのような環境下でもひとつずつ航海を進めてきたAqours。

「PERFECT WORLD」ではない、
この不完全な世界を、滅亡寸前の『セカイ』での航海を、「GEMSTONE “DE-A-I”」では冒頭の

「いろんなことを乗り越えて優しく『セカイ』を抱きしめようか」

という歌詞で「肯定」したのかな、と思います。

そう考えると
『現実期』最終盤公演と呼べるこのWINDY STAGEにて、この楽曲、この歌詞が歌われる意味は非常に大きいメッセージだったと思います。

また、この楽曲について、後に配信されたスマートフォンゲーム、スクフェス2においての説明文では 

「今までの経験を経て成長してもまだ輝きたいという意志が感じられる楽曲。
6thライブで初披露された際には3年生が卒業し6人体制ではじめて歌われた「Next SPARKLING!!」と合わせてパフォーマンスされたことにより、強くなった9人との再会を思わせた」

スクフェス2楽曲説明

とあります。

WINDY STAGEやその前のOCEAN、SUNNY含め、セットリストとして、このセクションまでは学年カバーやソロ曲が目立っていたのもあり、メタ的な話でいうと、キャスト9人が集まってライブを作り上げることの時間的難しさのようなものも感じる側面も恐れずに言うとありました。その中でも、この楽曲は、「9人が集まることの強さ」のようなもののエネルギーの爆発は相当なものを感じました。

「9方向に飛び立った」「ひとりひとりの道は違う」メンバーが「重なった」時の「チカラ」は5th以降の各メンバーの本格的なソロアーティスト活動も踏まえて、「強くなった9人」を感じされる楽曲でもある気がします。

そしてAqours9人を9面体の「宝石」をイメージした楽曲であり、黒澤姉妹の2人の歌唱パートの印象が非常に強い楽曲でもあります。
WINDY STAGEは大枠として「未体験」から「幻日へ」のテーマで組まれているライブではありますが、ラブライブ!フェス以降、ユニットライブからの『現実期』のAqoursの活動の中で、大きくAqoursを引っ張ったメンバーとして、ラブライブANNや浦ラジをはじめ、コットンキャンディの飛び道具までかました降幡 愛さん。
そして自ら『Aqoursの爆弾』となり、DJダイヤやセトリや衣装考案、ライブの演出的な面でもセルフプロデュースの枠において大きく貢献した小宮有紗さんの2人の活躍は、語らずにはいられないものだと思います。「GEMSTONE “DE-A-I”」においてこの2人のWセンターと捉えられるパート分け構成であることには、説得力しかないな、と個人的には思います

Next SPARKLING!! /Aqours

『現在進行形』セクションで歌われるのは、
劇場版や前回5thライブのクライマックス、
「Next SPARKLING!!」。
ステージに残る伊波さんたち6人の人影と、
スクリーンに映る6人の新生Aqoursのみで行われる円陣の千歌の姿に、この曲を確信して、驚いた人も多かったのではないでしょうか。

しかし、劇場版テーマの5thライブの後に、物語を紡いでいくということ、それに向き合うためにはこの曲をもう一度「終わりの曲」としてではなく、千歌たち6人にとっては「新たなはじまり」の曲であることを再定義する必要が、どうしても必要だったのではないでしょうか。
コロナ禍等でこれを伝える機会が流されたり、時間が経ってしまったかもしれませんが、
これをは必ず表現しなくてはいけないことだったのではないでしょうか。
そして、5thの時に比べても、3年生と在校生でステージでの立ち位置の違いや、
輪になって手を繋ぐシーンでも3年生が入る空間を開けているところ、在校生が3年生の想いを感じて振り返った時には3年生はステージからいなくなっており、在校生だけで歌が続いていく、あたりは5thを超えた劇場版再現。
前半の学年カバー同様、「人数を減らすことでより楽曲の真意に近づく演出」が成された本楽曲だったとも思います。
2日目の学年カバー、在校生6人による「ハミングフレンド」がこの楽曲の裏ストーリーになっているところもリンクしており、その辺りの楽曲再解釈や楽曲の真意に真摯に向き直してるところはWINDY STAGEの深く、面白いところです。

また、前回東京ドームの4thの中盤セクションとの対比でいうと、
「未熟DREAMER」が歌われた位置でこの曲が歌われており、
「9人でのはじまりの曲」と「6人でのはじまりの曲」(そして「9人での最後の曲」)
歌詞中の「今だって"未熟"だけど 先に進まなくちゃ それしかないんだよね 未来へ!」も「未熟DREAMER」へのアンサーとして前回のドームと比較しても綺麗な対比構造なのではないでしょうか。

そして、WINDY STAGEの中盤セクションは、あともう一曲。「Next SPARKLING!!」のその先の輝きまで、物語が続きます。

i-n-g, I TRY!! /Aqours

「Next SPARKLING!!」とは一転、卒業生である3年生のみがステージに出てきて、初披露の「i-n-g, I TRY!!」が歌われます。
「なんどだって座談会!」にて降幡 愛さんからも言及があった通り「Aqoursとして絶対にやりたかった流れ」

前回5thでは各ユニットによる、
「卒業ですね」、「Guilty!? Farewell party」、「サクラバイバイ」
『卒業』三部作
を媒介に文脈を肉付けされて披露された「Next SPARKLING!!」
波の中に消えていくAqoursを9色の虹と共に見送ったそんな記憶が鮮烈に刻まれている曲ですが、
WINDY STAGEでは、
その「Next SPARKLING!!」を媒介に、
この「i-n-g, I TRY!!」を歌います。

"集大成"の意味も大きい東京ドームという場所ですが、
そこで"現在進行形"を歌うこの楽曲は、
いつまでも挑戦者、Aqoursの"現在地"をどんな言葉よりも鮮明に伝えてくれたのではないでしょうか。

開幕の「なんどだって約束!」と前セクションのソロパート含め、
この曲で全13楽曲が「初披露」楽曲
その事実も含めて"現在進行形"が今回Aqoursの伝えたかった大きなテーマの一つだったことは間違いありません。

5.第4セクション(「KU-RU-KU-RU Cruller! 」〜)

本編最終セクション。
前セクションのように初披露楽曲はなく、
OCEAN、SUNNYからの系譜である「6thツアー最終公演」としての側面が強くフィーチャーされるのと同時に、WINDY STAGE前に行われた『オーケストラ生演奏楽曲リクエスト投票』を踏まえてセットリストに組み込まれているセクションになります。

この『オーケストラ生演奏楽曲リクエスト投票』楽曲は1位、2位がほぼ同数だったことがライブ中のMCで明かされ、
初日、2日目の日替わりでその上位曲を披露することも明かされます。

KU-RU-KU-RU Cruller! /Aqours

6thツアー全体の表題楽曲。

「信じているんだ君には伝わると 大好きが伝わると」

と言う歌詞にもある通り、
6th全体に流れる『SUKIを伝えるツアー』のテーマは追加公演のWINDY STAGEにも流れます。
OCEAN/SUNNYと違い、本編最終セクションにて歌われる本楽曲。
ステージングも変更になり、AqoursではAqours Ship以来のムービングステージを活用したパフォーマンスとなります。
そしてムービングステージが行き着いた先は後方の浦の星交響楽団が控えるオーケストラピットの前、ここからは本編最終盤まで「生演奏」で披露される楽曲が続きます。

Deep Resonance /Aqours

「KU-RU-KU-RU Cruller!」でムービングステージに乗り、たどり着いた先は後方ステージ、ステージングとしてはメインステージ「真裏」の位置から津島善子センター楽曲、「Deep Resonance」が繰り出されます。
セットリストの序盤⇔終盤
メインステージ⇔後方ステージ
シングルのA面⇔B面ととことん対比された環境にして、同じ「生演奏」
2曲目の「未体験HORIZON」と、
「対」にして「同格」の条件で歌われる「Deep Resonance」。

2019年1月に行われたAqours第3回センターポジション総選挙の結果を反映した上で、
2018年11月のもうひとつの「あの日の約束」、高槻かなこさんと小林愛香さんの「次にこの場所に立つ時は、国木田花丸/津島善子、それぞれのセンター楽曲と共に立ちたい」の想いは最高の舞台、最高の演出により現実になります。

3rdシングル「HAPPY PARTY TRAIN」でも惜しくも敗れつつも、その歌唱力やコーラス力で楽曲を支えた高槻かなこさんと小林愛香さんは、4thシングル「未体験HORIZON」でも続けてワンツーフィニッシュ、津島善子としては2回連続「2位」という悔しい結果でしたが、
ナンバリングシングルを上位勢として支える2人はAqoursの「両翼」そのものであり、
ある意味で「仲間でライバル」を地でいく2人。
これ以来Aqoursでは長年センターポジション総選挙は行われておらず、もう行われることはないかもしれませんが、
その文脈をここにきてもう一度持ってくることに関しての「覚悟」はあまりにも大きかったように思えます。
でも、だからこそ、
『未体験』から『幻日』へと物語の担い手を
次に引き継ぐバトンの受け渡しができたんだと思います。

初披露としては無観客のLOST WORLD、
「壊れそうなこの世界で」、
「誰にも届かない声」が無観客の「闇を駆け抜けた」あの日の「Deep Resonance」。

前セクションの「GEMSTONE "DE-A-I"」にて、そんなセカイごと優しく抱きしめたからこそ、この曲は再び「2018年11月の約束の歌」として最高の舞台で披露することができたと思います。
その思い出もふまえて、有観客、そして国内最大級の東京ドームがヨハネ色に埋め尽くされる景色は心にクるものがありました。

Aqoursの中でもクール系な楽曲ではありますが、この曲を歌い終える時の小林愛香さんの「笑顔」がまた印象的で、
例えるなら「WATER BLUE NEW WORLD」をラブライブ!決勝戦で歌い終えた時の高海千歌のような、それと同じ表情をライブで浮かべる伊波杏樹さんのような、
「津島善子も、自分の最後のラブライブにおいて、最後の瞬間にはこんな顔をするのではないか」、と思ってしまうようなそんなやり遂げた笑顔が、とてもとても印象的でした。

心の羽よ君へ飛んでけ!/Aqours(Day1)


6thライブ、OCEAN、SUNNYの最終盤を飾るバラード曲「涙×」は、WINDY STAGEでは別のバラード曲に変わります。
初日は生演奏での、
「心の羽よ君へ飛んでけ!」
「空と海の境界」を歌うこの曲はOCEAN、SUNNYをふまえたWINDYで歌われるに相応しいバラードだったのではないでしょうか。

そしてこの曲で飛ばされた「羽」を受け取り、
次曲、初日のリクエスト投票上位曲、
「Brightest Melody」へと繋がります。

Brightest Melody/Aqours(Day1)

前曲からの流れでスクリーンには「羽」が写り繋がる「Brightest Melody」
劇場版のクライマックス楽曲であり、Aqoursの中でもここ一番の最大必殺技的な楽曲。
リクエスト投票でも多くの支持を集め、
後に語られる結果発表によると、
1位楽曲と僅差でこの楽曲が2位でした。

OCEAN STAGEの
涙×→MIRAI TICKET(TVアニメ1期クライマックス楽曲)
SUNNY STAGEの
涙×→WONDERFUL STORIES(TVアニメ2期クライマックス楽曲)
の流れ踏まえた
WINDY STAGEの
心の羽よ君へ飛んでけ!→Brightest Melody(劇場版クライマックス楽曲)
の流れも美しい6thの集大成感もあるセットリストです。


ムービングステージはさらに動き、中央の花道へ。
劇場版尺や1番、2番等で「センター」解釈は変わる楽曲ではあると思いますが、
今回のステージングでは3年生が花道の中央に位置し、そこから2年生、1年生が両端に広がるようなフォーメーション。
「3年生トリプルセンター」と言えるフォーメーションかもしれません。

キセキヒカル/Aqours(Day2)

「心の羽よ君へ飛んでけ!」と日替わりのDay2の生演奏バラード枠は「キセキヒカル」。
前回のナンバリングツアーである3rdツアーでも最終公演福岡でのみ披露された、
旅の終わりに「軌跡」を歌うこの楽曲。
前回の東京ドーム同様、浦の星交響楽団による生演奏での披露です。(アレンジは大きく変わっています。)

ここで歌われる「軌跡」。
2月から駆け抜けた6thツアーの「軌跡」、
そして2020年からのAqours 5周年を含めた『現実期』の全ての「軌跡」
だったかもしれません。

「諦めないことが夢への手がかり」。
TVアニメ第2期BD第7巻特典曲として、
高海千歌たちAqoursの浦の星のために輝いたあの一年の「軌跡」を歌う歌であると同時に、
一度確かに掴んだと思った「2度目の東京ドーム」、諦めずに走り続けた先にもう一度手にしたWINDY STAGE、そんな伊波杏樹さんたちAqoursの「軌跡」の歌としてもこの瞬間確かに歌われていたと思います。

過去、3rdライブ、4thライブとナンバリングライブでしか歌われていない大切な楽曲「キセキヒカル」
今回歌われた「キセキヒカル」は過去2公演の「キセキヒカル」と異なる演出がされていました。

楽曲の終盤、9人がひとりひとり順番にそれぞれの輝きをその手に掴むような振り付けがなされ、最後の1人の伊波杏樹さんが天高くその手をあげ輝きを掴み取る場面はこの楽曲の一番の見どころですが、
今回、WINDY STAGEの「キセキヒカル」だけは、過去2回と異なり、伊波杏樹さんは輝きを掴んだ手を一度ほどき、そしてすかさずまた掴み取る、という「2度」輝きを掴む演出がなされています。

「一度掴めたものを一度ほどく」というのは
もしかしたら、幻の「ドームツアー2020」の「軌跡」の表現だったのかもしれません。


そして、一度ほどいた手を天に伸ばしたまま、
もう一度輝きを掴み取る。
まるで、諦めずに走り続け、今日この日、再び東京ドームに立つという夢を叶えたAqoursを表現するかのように。

肩を上下に振るわせながら感情を込め、
歌唱を残りの8人に託しながら「演じる」彼女のこのシーンは、「Live with a smile!」の『背中の名演』を思わせる気迫と想い、これもまた、『名演』に違いありません。

想いよひとつになれ(9人ver.)/Aqours(Day2)

前日の公演中、
生演奏リクエスト投票、楽曲投票の結果、1位と2位がほぼ同票、それをふまえ、
Day1とDay2の日替わりで上位2曲を歌唱することが発表されました。

後の「なんどだって座談会!」にて明かされたことですが、Day2で歌唱されるこの曲こそ、
リクエスト投票第1位。

中央に立つ伊波杏樹さんがその場にしゃがみ、
両脇に斉藤朱夏さん、そして逢田梨香子さんが立つフォーメーション。
それを見た瞬間、この楽曲がどれほどまでに愛され、どれほどまでにAqoursを象徴するのかを悟り、言葉にできない感情が溢れた記憶があります。

「想いよひとつになれ」
この楽曲の紡いできた物語は、2017年2月まで遡ります。
当時初のなるキャストの生演奏と共に「8+1」の編成にて披露されたこの楽曲。
その演奏とチームの強さに、大きな勇気をもらったファンも少なくないと思います。

2018年11月、1度目の東京ドームでは、
会場中の花道からメンバーが、
メインステージに置かれたグランドピアノを弾く逢田梨香子の元に集い、「9人」の編成で歌われ、アニメ映像とのシンクロを超えた、
「本来の編成」としての「想いよひとつになれ(9人ver.)」が初めて披露されました。
とはいえ、アニメ映像とは違う編成での披露に、「9人の想ひとが、ファンに受け入れられるのだろうか」という葛藤や迷いは、NHK放送のドキュメンタリー「シブヤノオトPresents Aqours東京ドームへの道 〜想いよひとつになれ〜」や当日の本人のMCでも語られました。

多分、それの「答え合わせ」だったんだと思います。
生演奏リクエスト1位楽曲として、
「10人目」に最も愛された楽曲として、
「8+1」から「9」へ、そして
「9人とみんな」の曲として、この楽曲が歌われます。

会場中の花道から逢田梨香子さんの元にメンバーが集い、9人の円陣が組まれ歌われた前回4thのフォーメーションと対比するように、
逢田梨香子さんの元からメンバーが「みんな」の方へ花道を広がっていく構成で歌われるのも印象的。

1年生トリプルセンターと言える2曲目の
「未体験HORIZON」
前日のDay1。3年生を中心としたフォーメーションで歌われた「Brightest Melody」
そして2年生トリプルセンターと言える「想いよひとつになれ(9人ver.)」の3つがそれぞれ対応したセットリストになってますし、

Day1の序盤に組まれたセットリスト、
「TVアニメのストーリー上、各学年のキーポイントになった劇中挿入歌の学年カバー」である「未熟DREAMER(3年生ver.)」「Awaken the Power(1年生ver.)」に対応する形で歌われたのはこの
「想いよひとつになれ(9人ver.)」だった
という構造理解も可能かもしれません。

今回の学年カバーは1年生、3年生は「各学年のキーポイントになる劇中歌」であると共に「劇中での披露人数とは違った人数で披露されることで、より楽曲の本質に近づく楽曲」が選曲基準でした。
2年生は「9人から人数を減らす」ではなく、
「劇中披露の8人から人数を増やす」形で、より楽曲の本質に近づかせる選曲としてこの曲が歌われることには、Aqoursらしさ、そしてこの楽曲の「9人」へのこだわりを感じます。

元々OCEAN、SUNNYでの学年カバーでも歌われる予定があったという「想いよひとつになれ」
これに対し2年生キャストの3人は
「この曲をトロッコで、学年カバーとしてやるには、背負う物語が大きすぎた」として却下しセットリスト入りはしなかったという経緯が語られています。
それを追加公演東京ドームで、この楽曲を背負うだけの物語を用意して、歌唱したというところにもグッと来ますし、
何よりもこの曲をこのステージに連れてきたのは他ならぬリクエスト投票のみんなの想いというところも言葉にできない想いが溢れます。

1stライブから紡がれているこの楽曲の物語を、これからもどんな成長を遂げていくのか見届けたい、そんなことも思ってしまう「想いよひとつになれ」でした。

smile smile ship Start!/Aqours

本編最終楽曲は生演奏での「smile smile ship Start!」
原曲が「Main theme of Aqours 5th Anniversary」であることも含めてこちらも念願の「生演奏」披露。

『現実期』、しばらく会うことすらできなかった状況での2年半ぶりの有観客ライブ、
DREAMY CONCERTの1曲目として披露されたあの時が「再会」の「smile smile ship Start!」だったとすると、
今回は「次への出航」の「smile smile ship Start!」
本編最後は最高に盛り上がるこの楽曲と共に締められます。


6.アンコール(「君のこころは輝いてるかい?」〜)

君のこころは輝いてるかい?/Aqours

アンコール1曲目は、こちらも生演奏での
「君のこころは輝いてるかい?」。
1度目の東京ドームで開幕1曲目で歌われたこの楽曲は、今回のWINDY STAGEでも2日間どちらでも歌われ、両方の東京ドーム両日歌われた唯一のAqours楽曲になります。

のちの降幡 愛さんのMCでも引用されますが
「みらい変わり始めたかも!」の歌詞の通り
挑戦を続けることで未来を変えてきたAqoursにとって、この曲は始まりの楽曲にしていつでも今のAqoursを表し続けている楽曲なのかもしれません。

そして「変わり始めた未来」、
5th以降の『現実期』を駆け抜け続けたことで
「走り続けて掴めるミライ」は、Day2、
この後の大発表でカタチになります。

『特報』
「幻日のヨハネ-SUNSHINE in the MIRROR-」シリーズアニメ化決定!!!!!!

『未体験』から『幻日』へ、
そして、再び物語はキャストからキャラにバトンが渡され、
『現実期』から『幻日期』へと進んでいきます。

追いかける千歌たちの背中が見えなくなっても
道なき道を切り開いてきたキャストのAqoursが再びアニメ作品と共に駆け抜けていく『幻日期』。

「言ったもん勝ちだから!!!!
もう誰も逃さないから!!!!」の小宮有紗さんの言葉にも、ここ数年間の
「言うことすらできずに消えていった負け」がいくつも存在したことが想像できます。

雑誌、ゲーム、アニメ、ライブ、
マルチメディアで展開するスクールアイドルプロジェクト、「ラブライブ!シリーズ」。
そのプロジェクトの一環として行われたテレビアニメ展開が終わり、
主軸をキャストのライブに移して、展開が続いていくことに対して自分は違和感を感じてませんでした。

というか、その決意を言葉ではなく行動で見せつけられてきた数年間だったと思います。
数々のオンラインライブ、ユニットライブ、
そしてDREAMY CONCERT、
OCEAN、SUNNY。
「Next SPARKLING!!」まで引っ張り出して、「続けていく」ことを表明した『現在進行形』のWINDY STAGEでもそれは言葉よりも伝わる想いが伝わってきました。

走り続けたからこそ繋がった、
再びアニメと共に駆け抜けることができる日々の到来に、
もしかしたらファン以上の強い想いがあったに違いないキャストのみなさんの涙も含めて、
とてもとても感動的な瞬間でした。

そして、最後の曲。

SUKI for you,DREAM for you!/Aqours


6thツアー全体に一貫したテーマである
「SUKIを伝えるツアー」。
最終公演であるWINDY STAGEでも一貫してこの曲が最終楽曲です。

OCEAN、SUNNYと違うところがあるとすれば本来この曲があるべきだった形、
「輝け!Aqoursぬまづフェスティバル in よみうりランド」のテーマソングとして世に出た後に披露されたという点でしょうか。


OCEAN、SUNNYと積み重ねてきた「大好き」と、
「Aqoursぬまづフェスティバル」でAqoursや沼津を愛するひとたちが積み重ねてきた「大好き」がついにこの曲で交わり重なり一つになります。

「信じているんだ 君には伝わると
大好きが伝わると」

表題曲である「KU-RU-KU-RU Cruller!」の歌詞ですが、東京ドーム中を大好きで溢れさせるこの楽曲が生み出す空間が、何よりも
「大好きの証明」だったと思います。

そして、Day2。
この曲でAqoursがくれた「大好き」に応えるようになりやまない拍手が東京ドームに鳴り響きます。

7.Wアンコール

W-EN なんどだって約束!/Aqours(Day2)

声を出せない中での万感のAqoursコールの中、Aqoursは再びステージに帰ってきます。

「このままじゃ帰れないよね!!」
4thのWアンコールを彷彿とされる言葉も飛び交いますが、でもあの日とは違い、
「呼んでくれる!」という信頼の中、
Aqoursの9人も「伝えるために帰ってきた」
という表情で帰ってきました。

浦の星交響楽団も含め、準備万端の中、
再び歌われるのは、
「なんどだって約束!」。

2018年のあの日にした「約束」の歌は、
これからの「未来の約束」の歌に。

「さぁ元気に!」
「明日へと!」
「泳いで行くよ!」
「タイヘンでも!」
「なんとかなる!」
「なんとかする!」
「迷ったら!」
「一回転!!」
「新しい!!」

「次もきっと!」
「笑顔で!」
「挨拶しよう!」
「いつ?」
「すぐ!!」
「すぐだよ!!」
「伝わってる!!」
「大丈夫!!」
「だから!!」
「みんなと一緒に!!」
「約束しよう!!!」

Aqoursがこんなに感情を丸出しで叫んだ瞬間を見たの初めてだったんじゃないかな…、ってくらいの叫びが今も胸に刻まれています。

「泣いて歌えなかった…」とこぼす高槻かなこさんや、渡辺曜役として立ちながら感情を丸裸足にして感情を叫ぶ斉藤朱夏さん、
「泣くもんか」の誓いの元ではありますが、まさに万感の表情で歌う伊波杏樹さん。

はじめて見る表情の9人にも強く強く心を打たれました。

8.終わりに

声を出せない中ではありましたが、
お互いの「SUKI」を伝えあい、
「次への約束」を掲げ、2度目の東京ドームを超えたAqours。

1年が経ち、ついにTVアニメ「幻日のヨハネ-SUNSHINE in the MIRROR-」も放送開始です。

1stから5th(ラブライブ!フェス)まで、アニメの千歌たちと駆け抜けた『アニメ期』

ユニットライブ以後、ドームツアーを失い、LOST WORLDを始まりとして様々な「現実の壁」をキャストが先頭となり乗り越えてきた『現実期』

そしてこれからが『幻日期』。
見たことない夢の軌道のその先を、
走り続けて掴めるミライを、
きっと、『最終章』にはまだ早いこの期間で、
Aqoursはたくさんの物語を紡いでくれると思っています。


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