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田淵智也は何を企んでいるのか?「CAP A ROCK」から考えるロックとライブハウスの未来

田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN/THE KEBABS/Q-MHz)の立ち上げたライブイベント「CAP A ROCK」の初回公演が、昨今の諸々を踏まえて中止となることが先日発表されました。


このイベントは、「ロックバンドはライブハウスで観るべきだ」というスタンスをベースに、
・チケットは会場キャパの6割で打ち止め
・「3バンド対バンで90分公演」を2回実施、2回目は20時半スタートと遅めの時間設定
・ドリンクをより飲みやすい環境を整備

などなど、ライブハウスでのイベントの新しいあり方を模索するものです。

意欲的なコンセプトを持つイベントであり、この先どう転がっていくか楽しみだったので今回の中止は非常に残念です。事態が収束した暁には、再び走り出すことを期待したいと思います。


さて、本記事では、「CAP A ROCK」の首謀者でもある田淵さんの単独インタビューをお送りします。

このインタビュー自体は3月中旬、つまり状況が今ほどにはシリアスになっていないタイミングで実施されました。あれから1か月弱で本当にいろいろなことが変わってしまいましたが、このインタビューで田淵さんに語っていただいた「もともとどんな思いでこのイベントを立ち上げたのか」「現状のライブハウスやバンドを取り巻く環境についてどんなパースペクティブを持っているのか」という話は、この先の「動き出した世界」について考えるうえで重要な意味を持つのではないかと思っています。

※「動き出した世界」については下記参照。こちらの対談も担当しました。


というわけで、「未来」に思いをはせる材料に少しでもなれば幸いです。それではどうぞ。

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「俺が行きたい!」が全ての始まり

---「CAP A ROCK」に関してはすでにオフィシャルのnoteにて考え方などが複数回発信されていますが、このインタビューはそれらの内容の理論的な補強になるものになればと思っています。


「ありがとうございます!よろしくお願いします」

---「CAP A ROCK」は単に「好きなバンドを集める」だけでなく、ライブハウスでのライブのあり方そのものについて考え直すようなトライが複数盛り込まれたイベントになっています。まずはこういったイベントを立ち上げたきっかけから教えてください。

「スタートとしては「こういうイベントがあったら自分が楽しい」っていうところに尽きるんですけど…客としてライブハウスに行く中で感じることがいろいろあって、例えばチケット代払ってるのに入口で追加で500円とられるなあとか、いざ飲み物を買いに行こうと思っても混んでてドリンクカウンターまで行けないじゃんとか、バンドとバンドの間の時間が長くて手持無沙汰になるとか。僕はライブハウスで聴くロックバンドの音を楽しみに行っているのに、その楽しさにブレーキがかかるような気がするなと。そういうのが解消されたイベントがあったら最高じゃん、というか俺が行きたい!というのが全ての始まりです。一方でもうちょっと俯瞰して考えると、今の音楽シーンにはフェスという快適に音楽を楽しめる場所があるわけで、ライブハウス側でも「いかにホスピタリティを高めるか」という努力ができる余地が大いにあると思っています。フェスに出てるバンドでも「今日見て気に入ってくれたらぜひライブハウスにも来てください」みたいなことを言う人たちは多いですし自分にもそういう気持ちはあるんですけど、フェスで楽しい時間を過ごした人たちが今のライブハウスに来たいと思ってくれるのかな?という疑問もあって。自分自身が楽しめるイベントを作ることでお客さんに「フェスの次に行く場所」の選択肢を提示できるんじゃないか、そうなれば単なる独りよがりじゃなくて音楽シーンにとっても何かしら意味のあるものにできるんじゃないか、そんなことを考えながら「キャパ6割までの客入りにして会場内で動きやすいようにしよう」「ドリンク代をチケット代に含みつつドリンクを飲みやすい環境を作ろう」「転換を短くすることにフォーカスしてステージのセッティングを考えよう」「映画館に行くのと同じくらいの価格帯と所要時間でまとまるようにしよう」という形でイベントのあり方を具体化していきました」

---田淵さん自身がいろいろなライブを観に行っている中で感じていた問題意識とシーンに対して提案したいもの、その2つが重なるところで「CAP A ROCK」の骨組みは作られているわけですね。「ライブハウスで聴くロックバンドの音が好き」とのことですが、ライブハウスだと他の会場とは具体的に何が違ってきますか?

「一言で言うと「体感」ですね。もっと音がクリアに聴こえる環境はホールでもフェスでもあるとは思うんですけど、身体ごと持っていかれるような感覚になるのはライブハウスならではだと思います」

---「CAP A ROCK」は3マンの対バンイベントとなりますが、そういった「体感」を提供できるバンドに出演してもらうわけですよね。

「そうですね。ちょっと老害っぽい話になっちゃうんですけど、今のシーンの状況として、ライブハウスで地道に演奏する中で徐々にライブをする力が上がっていって…という段階を経なくても、MVが一発バズればすぐに味方を増やすことができますよね。「売れ方」が多様化するのは決して悪いことではないと思うんですが、個人的にはそういうバンドが注目されることで「しっかりライブができるバンド」が相対的に見えづらくなっちゃう状況というのもそれはそれで…と感じる部分もあって。僕にとっての「ライブ力のあるバンド」というのは、さっき話したような「体感」をライブハウスでの演奏でしっかり提示してくれるバンド。かつ、個人的にはライブ構成からMCまで含めてステージで行われていることに無駄がないバンドならより最高です。「CAP A ROCK」ではそういうライブ力があるバンドをお見せできたらと思ってます。もちろん、「ライブハウスよりもアリーナの方が似合うバンド」というような存在を否定しているわけではないですし、大きい会場で大勢のお客さんと一緒にライブをするからこそ真価を発揮するバンドもいると思います。ただ、「CAP A ROCK」はライブハウスが似合うバンドと一緒に作っていきたいなと」

---すでに出演が発表されているSCOOBIE DOとパスピエは今お話しいただいたような条件に当てはまるバンドということになると思いますが、田淵さんにとってこの2バンドはどのような存在でしょうか?

「スクービーは、このイベントで作りたい「踊りやすいライブハウス」というものを考えたときに、日本で一番理想的なライブをやっているバンドなんじゃないかと思っていて。ほんとに楽しく踊れるし、お酒も進むし、こんな世の中になればいいのにってライブを観ながらいつも思うんですけど(笑)、「CAP A ROCK」でもそういう空間を生み出してもらいたいです。パスピエは、活動を通じての音楽的な進化だったり、お客さんの身体を動かすためのチャレンジだったり、そういうものが僕らの世代の中では随一と言っていいんじゃないかなという存在です。ご存知の通りすでに人気バンドですけど、パスピエみたいなバンドこそすごいんだぞ!っていうのを声を大にして言いたいと思って出演をお願いしました」



音楽に恩返しをしたい

---先ほども出ましたが、今回のイベントは転換を短くするというのも一つの大きなチャレンジですよね。昨年UNISON SQUARE GARDENのトリビュートライブを観たときにも思いましたが、田淵さんにとって「転換時間の短縮」というのは常に重要なポイントなのかなと。あのライブは曲の終わりに次の曲向けのセッティングが終わってそのまま次にコラボするアーティストが出てくる、みたいな「そこまでやる?」っていう感じの構成になっていましたが…(笑)。

「(笑)。はい」


---ああいう発想はどこから出てくるんですか?

「ライブは飽きさせたら負けだとワンマンの時も含めて思ってるんですけど、その考え方からすると転換の存在ってほんとにしんどいなと思っていて。対バンライブだと転換のための時間が20分セットされていることが多いんですけど、下手すりゃアニメ1話分見れるくらいの時間ですよね(笑)。それなのに、ソールドアウトのライブだと混んでる中突っ立ってスマホいじるくらいしかできないわけで。これだったら飽きちゃうだろうし、それこそフェスでライブとライブの間で自由に過ごしている人からするとより不便に思っちゃうんじゃないかなと」

---通常の3マンのライブだと、2つ目のバンドが終わった後の転換は結構きつかったりしますね。1人で観に行ってる場合とかは特に。

「そうですよね。セッティングを変えれば時間もかかるというのはわかるんですけど、一方で我々は「転換を短くしてお客さんをより飽きないようにする」ための努力を本当にしてきたんだろうか?という疑問もあって。だから「CAP A ROCK」では多少の犠牲は承知の上でドラムセットは全出演バンドで共通のものにして、さらにはアンプも全てステージに乗せっぱなしで転換時間の短縮を図ろうと思ってます」

---そういった工夫も含めてライブハウスでの音楽体験を豊かにしようとしている「CAP A ROCK」ですが、その背景にある思いをnoteでこんなふうに書かれていますね。<ライブハウスで超かっこいいライブができるバンド、なのであればそのスタイルを崩さないまま、きちんとお金を稼げるような未来の可能性を探りたい>


「最初にした話とも少し重なりますけど、「ライブハウスが似合う」、つまりは「ライブハウスのキャパがそのバンドを魅力的に見せるうえで適している」バンドって絶対にいると思うんですよ。にもかかわらず、多くのバンドが「バンドを続けるためには大きくならないといけない」みたいな思い込みでキャパの拡大を目指しているように見えるんですよね。ライブハウスでライブをし続けることでバンドとしての活動が安定する仕組みがあればそういったズレも解消されると思うし、「CAP A ROCK」がそういう選択肢を提供できればいいなと」

---同じnoteの記事で書かれていた「はしごをはずされる」という話も印象的でした。各所からプッシュされていたバンドがしばらくして大きな成果が出なかったと判断されたタイミングで、仮に音楽的な成熟が進んでいたとしてもファンやメディアがふっと離れていくような状況があると。

「バンドにも「旬」とか「鮮度」とかってものがあるから、そういう時期にプッシュしてもらって、その時期が過ぎたら後押しが少なくなるっていうのはある程度は自然な流れだと思うんです。ただ、話題としての「旬」は過ぎているけどライブや作品はどんどん良くなっているっていうタイプのバンドはたくさんあるんですよね。ピーク時より多少動員が落ちたとしてもそれと音楽的な善し悪しは本来関係ないはずなんですけど、そこがうまく伝わっていないなともどかしく感じることが結構あって」

---「CAP A ROCK」を通じてそういうシチュエーションに陥ってしまいそうなバンドにもっとスポットライトを当てたい、みたいなモチベーションもあるんでしょうか。

「えーと、言い方が難しいな…そもそも、このイベントを立ち上げるにあたって、自分の中に「音楽に恩返しをしたい」っていう気持ちがあったんですよね」

---恩返しですか。

「30歳を過ぎたくらいの頃から、自分の人生の中で「人のためになること」を臆さずにやっていきたいなと思うようになって。で、やっぱり自分はずっと音楽をやってきているから、音楽を取り巻く環境を良くするためにできることはなんだろう、って考えていく中での自分なりの答えの一つが「CAP A ROCK」なんです。だから、イベントを通じて自分にとっての最高なライブハウスのあり方を実現しつつ、それによって他のバンドにとっても活動がしやすくなるような状況を作れたら本当に嬉しいですね」

---なるほど。ただ、新しいことをやるにあたってはそれなりの負荷も田淵さんにかかっているんじゃないかとも想像しますが…

「実現に向けてやることは多いですし現時点では運営側として身を切らないといけないところもあったりするんですけど、自分にとってはいい車に乗ったり高いワインを飲んだりするよりこっちに労力をかける方が楽しいからやっているだけなので。「お客さん目線のライブハウスが作れるかもしれない!」とか「ライブハウスやロックバンドの印象が良くなるかもしれない!」とか考えるととてもワクワクしますね」


母体としてのUNISON SQUARE GARDENがあるからこそ

---「CAP A ROCK」のテーマとして「娯楽としての敷居の低さ」「収支の安定化」という2つが掲げられています。まずは前者に絡めた話をしたいと思うのですが、田淵さんの中で「敷居の低い娯楽」というとどんなものを思い浮かべますか?ここまでフェスとライブハウスを比較するような話もありましたが。

「フェスは「敷居が低い」というよりは、レジャーとして機能しているというか、要は「イケてるもの」と認識されてるんじゃないですかね。敷居が低い娯楽…映画とかかな。もっと言えばスマホで時間を潰すこと自体もそうなんでしょうけど」

---「敷居の低い娯楽」というテーマの裏には、「ライブハウス=敷居が高い」というような問題意識もあるのかなと思ったんですけど。

「ああ、なるほど。これに関してはすごく単純化して言っちゃうと「音楽好きな人がもっとライブハウスに気軽に来れるようになったらいいな」ということでしかないんですよね。若い子が今年の夏どのフェスに行くかで盛り上がるような感覚で週末にある「CAP A ROCK」に行くことを検討してくれたり、19時スタートだと残業が不安で昔はよく行ってたライブハウスのチケットを買えない会社員の人が後半のステージのチケットを買ってくれたり…これまでいろいろな場で説明している中でまだ自分がちゃんと伝えきれてないなと思うことがあるんですけど、このイベントは必ずしも「一大ムーブメント」みたいなものにしたいというわけではないんです。母数は多くなくてもきっといつの時代にもいるはずの「流行り廃りに左右されることなく音楽を楽しみたい人」にとって、ライブハウスをより身近なものにしたいという気持ちが大きいです」

---なるほど。ちょっと思ったのは、「音楽をこれからどんどん好きになっていく予備軍的な人たちがライブハウスに入門するためのイベント」と「音楽が大好きだけど最近はライブハウスに行っていない人たちがまた来たくなるイベント」だと求められるものが違う部分もあるのかなと。

「うん、それはそうですね」

---最終的に属性問わず「音楽を本当に好きな人たち」が「CAP A ROCK」を通じてライブハウスのことを好きになる未来を目指すのはいいと思うんですけど、そこに向かっていくにあたって最初に握手をしたい人って何らかイメージありますか?

「うーん…そこは正直企画としてまだ詰めが甘い部分というか、発表してから自分としてもちゃんと考え切れていないなって気づいたところだったりもするんですよね。そうだな…これは完全な逃げ口上で、『カンブリア宮殿』で言ったら怒られるかもしれないですけど(笑)、明確に「ターゲット」とかはなくてもいいんじゃないかなというのもあって。というのも、もともとのモデルユーザーは「自分」でしかないんですよね。「“自分なら”身体を動かしやすい環境でライブを見たい」「“自分なら”お酒を飲みに行きやすい方が良い」という形でイベントの内容を考えてるわけで、まずはそういう「自分が見たいイベント」をちゃんと作って、そこに反応してくれた人たちが見えてきたらそこから「自分以外の人にとっての良いイベント」という要素を考えていけばいいんじゃないのかなと」

---「来てくれた人がターゲット」って考え方は最近のビジネスのやり方としても違和感はないと思いますよ。「まずは少数の想定ユーザーのインサイトを掘り下げて、時間をかけずにスモールスタートする」「そこでの反応を見ながら形を最適化していく」っていうのは最初に「ターゲットはここ!」って決めて外すリスクも軽減できるし、継続的にやっていくイベントの立ち上げ方としては理にかなっていると思います。

「ああ、そういう考え方もあるんですね」

---UNISON SQUARE GARDENの音楽も「○○向け」というよりは3人のベストをぶつけて、それに反応する人たちからのフィードバックがあって、そこからさらに次の作品が…みたいな形で深まっていってると思うので、このイベントもそういう形で定着していくといいですね。

「何かのビジネス書で「ターゲットを決めろ」とか書いてあったので、そこがぶれてるから怒られるかと思ったんですけど(笑)、そういうやり方もありなんであれば励みになります。今回の規模であれば自分の考えたイベントを楽しいと思ってくれる人が誰かしらいるだろうっていうのは想定できるので、そこに関してはそんなに心配していないんです。問題はその次のフェーズというか、そこに来てくれた人たちがもっと快適に過ごすにはどうすればいいかとか、出てくれるバンドに迷惑をかけないやり方としてどんな方法があるかとか、そういうことをさらに考えていかないといけないなと思っています」

---「出てくれるバンドに迷惑をかけない」ということについてはこのイベントの2つ目のテーマになっている「収支の安定化」とも関係する話だと思いますが、今後に向けてマネタイズポイントをいかに増やすかみたいなことはもう考えているんですか?

「アイデアとしてはいろいろ検討はしてます。チケットの値段に差をつけられないかとか、あとは配信での収益化についても出演バンドとの兼ね合いの中で実現性があるのならオプションの一つになるだろうし。地方でこのイベントを開催するためにその土地の人に色々協力してもらうのもアリかなと思うんですよね。例えばクラウドファンディングみたいな発想というか、「あなたの街に行くから、東京に来る遠征費分俺たちにくれない?」とか(笑)。別に僕が儲けたいわけではないので、来てくれる人が気持ちよくお金を払えて、かつそれを出演してくれるバンドにちゃんと還元できる体制を作りたいですね」

---今お話を聞いていて思いましたが、田淵さんにとっては「魅力的な音楽を作ること」と「魅力的なイベントを作ること」にあまり境目がないんですかね。どちらもクリエイティビティを発揮できる場所というか。

「そうかもしれないですね。自分のバンドにせよプロデュースにせよイベントにせよ、「自分にとってグッとくるか」が基準になっているので」

---ミュージシャンが音楽づくりを越えて音楽産業のあり方に関わる部分にタッチすることにネガティブな印象を持つ人もいるのが実態だったりすると思いますが、田淵さんとしてはミュージシャンがどんどんビジネスとしての枠組み作りに関わっていった方が良いと思っているんですか?

「いや、そんなことはないです。そういうことにワクワクできる人だけがやればいいんじゃないですかね。それに僕自身に関して言えばUNISON SQUARE GARDENっていう母体があって、そこでの活動を誰よりもしっかりやるからこそ今回のようなトライもやれる、というように考えてます。自分はチームの中で一番ユニゾンのことを考えている自信があるし、自分にとって絶対失ってはいけないのがUNISON SQUARE GARDENだと思っているので。何かしら文句がある人はずっと言ってくると思うし、そういうのを見たり聞いたりするとやる気がなくなる時もあるんですけど(笑)、ユニゾンでの活動でいろんな人たちを納得させるのが大前提として…という覚悟を持ってやってます」


まずはちゃんと1年

--「CAP A ROCK」はどのくらい先を見据えながら「ロック好き・ライブハウス好き」を増やしていきたいと考えているんでしょうか。

「こればっかりはまずやってみないと、って感じではあるんですが…まずはちゃんと1年やって、この先どういうスパンで進めていけるか考えたいですね。自分の熱意がどこまで続くか、お金の問題はどうクリアされていくか、などいくつかチェックすべき観点があるので」

---これからもいろいろなバンドが登場するわけですよね。

「その予定です。ただ、自分が「このバンドのライブ、いいな」と思えるバンドってそこまでめちゃくちゃたくさんあるわけでもないんですよね、音楽の趣味も狭いし。だから、もしかしたらゆくゆくはTHE KEBABSといくつかの決まったバンドが毎週末「CAP A ROCK」をやっているみたいな未来もあるのかもしれないなと。同じ組み合わせでも何回も観たいお客さんがいて、それによって出てくれるバンドにちゃんと利益が出る、というようなことができたら素敵なんじゃないかとか。毎週はさすがに無理かもしれないけど、音楽を好きな人にとって「CAP A ROCK」に行くことが習慣化すればそれをベースにブッキングで冒険したりもできるようになっていいなと思ってます」

---今回の取り組みを通じて触発されるミュージシャンやライブハウスも出てくるかもしれませんね。

「そういう広がりがあるといいですね。「ロックバンドをライブハウスで見る」という行動が活性化するきっかけを何かしら作れたらいいなと思います」

---ありがとうございました。今日お話を聞いて、「諸々実現するために常設の箱を作っちゃいましょう!」と思いました(笑)。

「(笑)。ちょっと考えたりもしたんですけどね、まあなかなか…食事ができるライブバー、リハスタ、あとラーメン屋とかレストランが全部セットになってる箱とかができたらいいんじゃないかとか(笑)。いずれ余裕があったらそういうこともやりたくなるかもしれないですけど、まずは「CAP A ROCK」を軌道に乗せられるように頑張ります」

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