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齧り続ける人#2


前回からの続きです。
まだの方はこちらを先にお読みください。
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齧り続ける人#1

今回はいつもみたいに胸糞悪い人があまり出てこないので
私のnote愛読者さんの期待には答えられない事をお詫びいたします。。。
はじめて読む方にはちょうどいい具合のもやもやが残ると思います。

あくまでもたくさんの資産を持っていて一人息子を甘やかしすぎた主婦のケーススタディで親の脛が無くなるまで齧る息子がいる方には思い当たる節があるかもしれない物語です。

では続きをど~ぞ~


◆相続って大変・・・


「俺全部わかっているから大丈夫」
息子はそう言っているが、だからと言って重説とかを手抜きするわけにはいかない。

こういう人に限って後から「聞いていない!知らなかった!」って騒ぎだすし。。。ま、買主は母親だから母親にしっかりと説明すればいいだけなんだけどね。

たとえ弁護士が相手方について細かく追及してきたとしてもぐうの音も出ないくらい緻密な重説作ってやるか。
というかどんな案件でもそのくらいやるけど、今回のようなケースでは全部文章に残すのが必須だしね。

というわけで賃貸管理の状況、空室の室内の状況、建物の状態、設備、その他もろもろ。。。
これでもかって言うくらい細かく分厚い重説が出来上がった。これ読むの辛いな・・・

母親には決済日の前に時間を取ってもらい、重説をしっかりと行わせてもらった。言葉通り息子の姿はない。

不動産のド素人という事もあって、説明の途中で分からない事とか疑問点があるたびに噛み砕いて説明をする。いつもの重説よりも数倍の時間を要する事になった。


長時間いろいろと話をしているうちに母親との雑談も膨らんで、なぜ億を超える大金を持っているのか?なぜ息子にアパートを買い与えるのか?などの身の上話も聞くことが出来た。
自慢の息子の事を嬉しそうに話す母親。。。


****************************************
・旦那さんが大地主の一人っ子だった
・旦那さんの両親の後を追うようにすぐに旦那さんも亡くなった
・相続対策もできなかったので相続税がとんでもない金額になった
・相続税の納税のためにほとんどの不動産を売却した
・息子が節税対策を勉強し始めた
・今は息子を支えることだけを考えている
****************************************

簡単な概要はこんな感じ。

自分が死ぬと更に息子にたくさんの納税を課すことになるので、息子を信用して資産運用をすることになったとのこと。
資産管理会社を立ち上げて息子は代表取締役に就任。
母親は無報酬の執行役員らしい。
先日都心のオフィスを借りる契約を済ませてきたという。
資産管理会社ならわざわざオフィス借りなくてもいいのに。。。
というかこの規模で資産管理会社要らんし、執行役員て・・・

不動産投資を始めとして様々な投資をすることでリスクヘッジを取るつもりらしく、この契約が終われば次は海外の金融商品に手を出すつもりらしい。
そして資産が増えてきたらM&Aを繰り返して会社をどんどん大きくしたいとのこと。。。果ては上場企業の大社長になるという息子の夢を母親が支えるという構図が出来上がっていた。
憧れの孫さんを30歳で超える!が息子のテーマらしい。

突っ込みどころ満載の夢をキラキラと語る母親。

だが溺愛する息子の言う事が絶対と信じ込んでいる母親はこちらのアドバイスに耳を貸す気配はない。

こっちも仕事と割り切るしかないが、できればちゃんとした不動産投資をアドバイスしてあげたいと思うが。。。


先祖代々築き上げた資産をこの一代で、いや、この母と息子で一瞬で食いつぶすんだもんな。。。
相続って色々と考えさせられるな。。。

ま、本人たちが幸せならそれでいっかwww




◆着金待ちの悪夢



長い重説を終え売主との日程調整も済ませ銀行の応接室を借りての契約&決済。
息子がどうしてもというのでお金はわざわざ東京の銀行からの送金をすることに・・・なんでも資産管理会社の口座を東京の銀行で作ってきたらしい。
「東京の銀行に指示を出す俺。イケてるぜ」
という自己満の為だけの口座に見える。

沖縄の銀行って本土の銀行からの着金確認が遅いので既に憂鬱な気持ちになる・・・


また、一般のブースでもいいと言ったのに、銀行側が応接室を用意してくれた。

大金を持っている母親と新たなアパートオーナーとなった息子の周りには銀行の支店長や保険屋やらが群がっている。応接にしたのはこのためだな。


双方の署名押印と司法書士の本人確認が終わり、息子が東京の銀行に送金の指示をする。
これがやりたかったんだろうな、送金の指示の電話。。。

「あ。俺です。契約したので送金よろしく」

全然かっこよくないけどそんなこと言えるはずもない。
笑顔を保つ訓練だと思う事にする。
ほっぺたがひくひくする。まだまだ笑顔の修業が足りんな・・・


司法書士と売主は早々に応接室を後にし、外のロビーで話が弾んでいる。
私も一緒に出ればよかったが外に出るタイミングを完全に失ってその場に残された、、、


ここから息子の投資論というジャイアンのリサイタルが始まることになるとは思いもよらず。。。。

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沖縄の不動産という独特な世界に迷い込んでいます!明るい外の世界の事は忘れました!これからも深海をはいずります!