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曰く付きの岩と土地#1

こんにちは。
株式会社REGATEの金城です。

本日も一つ味わい深い体験を思い出しましたのでみなさんに共有しようと思います。

いわゆる曰く付き(いわくつき)の物件のお話です。


◆査定依頼


ピコ〜ン♪

お・査定依頼のメールだ。
どれどれ。

〇〇市△□ 
土地
45坪


場所。。。う〜ん微妙。マジで微妙www
売れないこともないけどあまりにも需要が薄いエリア。
面積は少し狭いけど一戸建てならいけるか?
県道沿いだからアパートとか店舗ができるくらい広ければよかったのに・・・


需要は薄いエリアだけど海が見えればいい感じだよな。
あの辺の海はめちゃ綺麗だしな。

ストリートビューは。。。と。


ダメじゃんwww
海というより山じゃんwww

県道沿いで長年放置された具合がよくわかるストリートビューの画像。
この土地じゃないけど隣の岩に苔とか蔦がびっしりと生えていて気持ち悪いな・・・
ちょっとテンション下がるな〜


とりあえず現地調査に行くかな。。。


◆調査


グーグルで見た通り県道の接道。
下水管なし。
水道管は。。。。おおぅ、道の反対側やん。

県道の管理課に確認したら水道管を引くために道路の通行を止めて掘削して引き込みが必要とのこと。。。
県道を閉鎖しないと水道が引けない・・・
県の担当に聞いたら一般的な工事費用で300万円くらいとのこと。
高っっ!!全面道路に水道管が無くて引き込みに距離があるパターンならまだしも目の前に水道管があるのにこの値段??

詳しく聞いたら道路交通閉鎖の迂回路の確保や交通整理要員の人件費。
掘削と埋め戻し費用、あと水道管の口径が大きくて水圧が一般住宅用では耐えられないらしい。引き込みに減圧装置が別途必要とかなんとか。。。
※この水圧が強すぎるというケースは県道や国道沿いの土地の時はたまに出くわすので要チェックです。

下水がないのは浄化槽とかでどうにでもなるけど水道がないのはキツイしな。この引き込み費用の分は減額して売るしかないよな・・・さらにテンション下がる。


あと、この土地の隣にあるでかい岩。。。
なんかものものしくて暗い印象の岩。。。
3階建てのアパートくらいの暗い岩。。。

なんか岩の麓に線香とお供えの跡。。。
嫌な予感。

無視できないので近所の公民館に聞き込みに。


公民館の前で草を食べているお婆ぁを見つけて声をかける。
(食べている?)

お婆ぁは草をむしっては口に運びながら喋ってくれた。
公民館の向こう側では草の上で猫がう○こをしている。
数匹の猫がそこかしこで寛いでいる。
お婆ぁ。。。天然肥料だから大丈夫なのか?


お婆ぁの方言はかなりキツい。
国際沖縄方言検定準一級の人でもヒアリングが難しいだろう。

お婆ぁの話ではあの岩は曰く付きだというニュアンスで話してくれるがうまく理解できない。

しばらくすると公民館に立ち寄った青年会の若い人も話をしてくれた。
お婆ぁの方言がキツくて聞き取れなかったのと、猫の天然肥料たっぷりの草を食べながら喋るお婆ぁの姿のせいで話が入ってこなかったので助かった。


*****************

青年曰く、あの岩は山頂に祀ってある琉球王朝時代の王様のお城から落ちてきたと言われているとか。
その岩の下敷きになって亡くなった一族がいて、その一族は王様と対立していて最後はその岩でとどめを刺されたとかなんとか。

昭和初期ごろに県道の拡張工事の時に岩を撤去する話が出てきたとか。。。
んでその作業をしている作業員が一人また一人と原因不明の怪死を遂げたらしく、県道の拡張工事が頓挫することに。
それからというもの、どうにかこの岩をどけようと計画をすると担当者がどんどん体調不良を訴えたりするような状態が続いたらしい。
だから今では地域の神高い人(霊感の強い人)にお願いして地域行事で岩を鎮めているんだとか・・・結局、県道の工事計画を変更して岩を撤去するのは諦めて、岩を迂回する形で話が進んで今に至るとさ。めでたしめでたくない。

*****************

え・・と岩の下に王に反逆した一族が下敷きのまま眠っていて、岩をどかそうとした人はどんどん死んじゃう。。。んでその隣の土地の売買。。。か。。。
テンションが上がらない・・・

「ちなみにその隣のあの土地を売って欲しいと言われているんですが何かあります?」

青年は顔色も変えずに話す

「あ〜・・・あの土地の所有者もどんどん亡くなっているんですよ」
「え?岩の隣にあるだけなのに?所有者はあの敷地で亡くなるんですか?」
「はい。岩の隣にあるだけなのに。あと、土地の中で死んだという人は知らないけどあの土地を買った人は良くないことが起きるって言われているんですよね〜」
「・・・・」

青年の横ではお婆ぁがくちゃくちゃと草を食べ続けている。
向こうにいた猫はいつの間にかお婆ぁの横に。
「なんか臭いね〜」
と言いながら草を嗅いでそのままパクリ。

「もしかして神高い岩を鎮めてるのはこのお母さん?」
「いや、違います」


「・・・・情報ありがとうございます」


ふぅ〜・・・これ売れるか?情報が渋滞している・・・


いや、頭を整理しよう。

まず、昔話の岩の下の人は告知義務はないだろ?ただの言い伝えかもしれないし。。。
んで岩を退けようとした人の死もこの土地には関係ないしな。体調不良の人がたまたま連続して担当しただけだからな。。。
あと、この土地の中で人が死んでいないから・・・
あとはお婆ぁが体調不良にならなければ大丈夫か。(関係ない)


うし!告知義務なしじゃん!売れるね!






・・・な訳ないよなぁ。


公民館の若い青年でさえ知っている話だし、もし黙って売ったとしても購入者がご近所に挨拶をする時に絶対にこの話を聞くはずだし・・・
というか十分に心理的瑕疵の要素を満たしているし・・・


オカルトはあまり信じないタチだが、この物件は売るためのハードルがめちゃくちゃ高い。
嫌になってきた。テンションガタ落ちだ。。。
とりあえず依頼者と話をしてこの件がネックとなることを伝えよう。
んで手を引こう。
価格的にも手数料とかかってくる経費が見合わない。
利益計算と投下費用の算出も必要だ。俺も経営者の端くれだしな。

お婆ぁと青年と猫にお礼を言ってその場を後にした。


◆依頼


依頼者に会って話を聞くと一昨年に旦那さんが購入したとのこと。
田舎で余生を過ごそうと楽しみにしていたが、今年に入り設計に取り掛かろうとしたら旦那さんが倒れて末期癌が見つかり、あれよあれよという間に亡くなったらしい・・・



まじかよ。。。



購入する時にあの岩の事とかを認識していたか確認したが、当時の仲介者が説明するも旦那さんはオカルトが嫌いらしく信じないと言い切って購入したとのこと。。。
奥さんはあの話をもっと真剣に聞いていれば・・・と後悔しているとのこと。んで持っていても仕方ないからもうこの土地を売却したいという考えに至ったらしい。

ただし、この土地を売るのはかなりハードルが高い。
購入した金額も聞いたが購入時の価格で売れるとは思えない。
売ったとしても手元に残るお金は微々たるもの。

水道管を引き込むにはお金がかかること。
隣の岩が地域では有名な曰く付きの岩だということ。
あと、この土地の所有者がどんどん亡くなっていること。
(登記簿にも売買の日付から数年以内に相続の登記という言い伝えがまんざら嘘でもないようなことが記載がされている。)

ちなみにこの土地を買った時の契約書を見たら所有者死亡で相続人が代理で契約を交わしているという内容・・・

現実的なネックと心理的なネックがたくさんある。 
ということでうちでは手に終えそうにない・・・と断ろうとしたが。。。


奥さんは「どこの不動産屋さんに行っても断られた。金城さんのことはコラムを読んで知った。金城さんなら難しい物件も売ってくれるはずだ。頼りにできるのは金城さんしか残されていない」と懇願された。

単純な私はコラムを読んだと言われたら断れない仕組みの脳みそになっている。


うし。やってやろうやないか。

王様と反逆した一族?
曰く付きの岩?
購入者がどんどん死ぬ?

上等じゃないか。幽霊でも王様でもかかってこいよ!悪霊退散じゃ!
(誰も悪霊とは言っていない)


煽てられた私の曰付きの土地の販売がはじまった。

長くなったので続きは次回。

次回:曰く付きの岩と土地#2


では〜

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沖縄不動産あるある→REGATEコラム
不動産テックのこととかそんな感じ→REGATEコラム

沖縄の不動産という独特な世界に迷い込んでいます!明るい外の世界の事は忘れました!これからも深海をはいずります!