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コラボ#1

こんにちは!
(株)REGATEの金城です。

本日お送りするのは久しぶりに腹が立った内容です。
はい。本当に久しぶりです。

という事で皆さんにも腹立ちをお裾分けしようという物語をお送りします。


「コラボしてくれませんか?」


意味の分からない言葉を発する若者。
コラボ?はて?
ユーチューバーとかがよくやっているアレか?

疑問符が頭を占有する。


この物語はこの若者の行動を記したものである。

前途ある若者を心温かく見守ってください。

ではど~ぞ~

***********************


売主の上原さんからの着信。

「あ、金城さん。私の実家の事なんですけど、小町産業って業者さんご存知ですか?」

上原さんの実家は入居者の立ち退き交渉、お引越し先の物件探し、父親の後見の相談など多くの相談を受けてて、長年の権利関係の整備の末にようやく売り出しにこぎつけた案件だ。
いわばガッチガチの心の専属専任で他社がつけ入る隙は無い。


小町産業?はて?

「すみません。聞いたことない業者さんですね」
「ですよね。なんかその小町産業の人が昨日いきなり父を尋ねてきて、僕の高校の同級生という事で近所に住んでいるから任せてくれって、そんで実家の売却をさせろって言ってきたみたいで・・・同級生って言われても全く覚えていない人でして。」

ほほう。
俺が長年かけて積み上げた上原さんとの家族ぐるみの信頼を無視して直でオーナーに抜きの営業をかけたってわけだ。
二世帯住宅の実家にはまだお母さんが住んでいるから、在宅を見計らって飛び込みしたんかな?
舐めやがってw


「上原さんはよくわからないと思いますが、たまに居るんですよ。売り出しの広告を見かけてオーナーさんに直接営業かける業者がwとりあえず全て金城さんに任せてますからって言ってくれたらいいですよ」
「ありがとうございます。いきなり父を尋ねてきて僕の同級生だって主張するから母親も無下に断れなかったらしく。。。とりあえず名刺を置いていったようなので後でラインしますね」
「ありがとうございます。正直、不動産屋としての立場からするとこの業者さんにいい感じがしないんですけど、上原さんの同級生でご近所さんなら雑に対応したらマズいですかね?ちなみにお客さんが居るとか言ってきたらどうします?」
「う~ん。僕としては金城さんに任せて色々やってもらったし、さも知り合いみたいに母に話しかけたあたりで胡散臭くて嫌なんです。
金城さんがやり易いようにやってください。この人は断っても大丈夫です。」

うん。嬉しいお言葉。


アスベスト撤去込みの解体、家財の処分、引っ越し、二世帯部分を賃貸で貸していた入居者への立ち退き費用など、上原さんの実家の売却には多額の費用が発生する。
諸々の経費を売却価格に反映させているせいで相場より割高なのは否めない。
あと、お父さんの容態が悪くなって万が一相続になってしまうと厄介な兄弟が口を出してくるから、お父さん名義のうちに早く売るのが正解ではある。

もしも小町産業が本当にお客さんを連れて来たら少しは前向きに考えてあげよう。

「わかりました。では本当にお客さんが居るようなら直接ウチに連絡来ると思いますので、その時に相手の出方を見てから判断します。」

「はい。よろしくお願いします。」



ピコ~ン♪
上原さんからのライン。
『先ほどの業者の名刺です』


小町産業 
代表 小町〇△ 
沖縄県知事免許(1)第000号

免許番号若いな。最近免許おりたんか。
そりゃ聞いたこともないわけだ。

ネットで検索をしてもHPが無い。
創業したてでとにかく物件を漁っているという感じか?

ま、上原さんとこの好立地物件だと抜きたくもなるか。
そんなヤツの営業で専任を巻き返されるならこっちのグリップ力に問題あるから、オーナーに直営業をかける事には別に文句はない。取れるもんなら取ってみなという気持ちだ。

あ、でももしかして買取り業者で仲手分をケチろうとした直営業か?
それだとしたら業者としてお行儀悪いからお説教しないといけないな。
上原さんの同級生ならまだ30代くらいだし。
まぁ諸々の諸費用を上乗せしたあの物件を買い取るのは常軌を逸しているとしか思えないけど・・・

何かあれば連絡来るっしょ。
にしてもこいつ第一印象としては0点、いやマイナスだなw


色々と思案しながら小町産業からの連絡を待つ。


がしかし・・・結局、その日は小町産業からの問い合わせは無かったw


**********************

トゥルルルー・トゥルルルー・・・

後日、見知らぬ番号から着信。



「あの~○○市の土地の事ですけど少し質問があるんですけど」

お?若い声。小町産業か?
いや、だとしたら普通は最初に会社名とか名乗るよな。。。

電話口はテンションの低い男性の問い合わせ。
どう考えても業者が電話をするトーンではない。
例えるなら寝起きで実家の父親と電話をしているくらいのテンションw


「はい。どういったご質問ですか?」
「あ~、あれって現地を見たんですけどいつ土地になるんですか?」

は?いつ土地になる?

「土地になる?ってどういうことですか?」
「あれって今建物が建っていますよね?それがいつ地面になるのかと思って」

地面になる?w何その日本語?
この人ちょっとアレだwやばいなw

「え~っと。解体の事ですかね?売買契約後、引き渡しまでの間に解体しますよ」
「あ~なるほど。これってもうお客さんいます?」


「いえ、まだ大丈夫ですよ・・・」
「じゃあ路線価ってどうなっていますか?」


は?路線価?何で?
あとじゃあって何?w

「路線価?。。。失礼ですけど何に必要なんですか?」
「あ、ウチの実家が近いので参考までにと思って・・・」

は?何の参考?意味わからんw
てかお前絶対買えんだろw
なんか買う人の質問じゃないw

「路線価を知りたければ国交省のHPに載ってますよ」
「そうですか。わかりました」

ガチャ。


なんだこいつw
最後の最後までテンション低くて何が言いたいか分からんw


にしても人にものを尋ねる態度でも無いし、心優しい俺でも思わずイライラしてしまったじゃないか。

ま、この手の問い合わせをする奴は今後問い合わせしてくることも無いだろうけどw

『○○問い合わせ 変なヤツ』

登録っと。


変な質問してくる人増えてきたけど、久々にクリティカルなバカ質問だったな~w
土地になる?地面になる?参考に路線価?なんじゃそりゃw



きっとこの人絶対不動産買えないな。



しばらくしてまた着信。

トゥルルルー・トゥルルルー・・・

着信表示は『○○問い合わせ 変なヤツ』

何?wまだ何か言いたいの?w


「はい、(株)REGATEです」

「あの~、さっきの件ですけど・・・」

いやお前さっきの件とか言う前に名乗れw
俺が電話取ったから話が繋がるけど、別のスタッフが電話出てたらどうすんねんw
※ウチの会社の着信は全員のスマホに転送されるから誰でも受け答えができる。

「この物件って御社が専任ですよね?」

うん?何?
それもあんたに関係ある?

「はい。専任物件ですが」
「これってお客さん居ないって話でしたよね?」

だから何なん?同じ質問すんなや!
話の要旨が掴めんw
買うの?買わんの?なんなの?何がしたいの?

「はい。まだお客さんはついていませんが」
「わかりました」

ガチャ。



???
ほんとになんなの?w

まず二回目の電話でも名乗らんし、買いたいのか買わないのかも分からんw
てか質問の内容がアホすぎるから買うとかの以前の問題な気がするしw
まずいつ土地になる?って質問生まれて初めて聞いたしw
もうこいつの着信取らんこうかな・・・w



翌日。

トゥルルルー・トゥルルルー・・・

着信表示は『○○問い合わせ 変なヤツ』

またかw
今忙しいからいいやw


しばらくして着信が止まる。
3分後に別のスタッフから連絡。

「金城さん?さっきの電話の人って前に対応しました?
いきなり話の続きみたいな感じで喋り出すし、なんか話の論点がよくわからないし、しきりに専任か?とか客は居ないのか?みたいな事喋ってましたが・・・」

www

「ごめんごめん。俺の物件の問い合わせだけど変なヤツだから無視しちゃった。今度からは俺が出るから着信は無視していいよw」


にしても何がしたいんだ?
連日電話をしてきて何を目的としているのか全然分からんw


トゥルルルー・トゥルルルー・・・

着信表示は『○○問い合わせ 変なヤツ』


またwww


ふぅ・・・
スタッフの仕事を中断させるわけにもいかんから出るか・・・

「あの物件の事ですけど~」

また名乗らずいきなり本題w
ていうか本題なのかどうかも分からんレベルの会話だが・・・


「はい。どういったご用件ですか?」
「あれって御社の専任っていうじゃないですか?」



いらいら・・・
またその質問かよ。


「はい。それが何か関係ありますか?」
「いえ。俺の実家が近くにあって・・・」


それも何度も聞いたよ。。。
あれ。待てよ。


・・・?
・・・・?!

もしかして・・・


あ!!!

もしかしてこの人も実家を売りたいから近所で売り出しをしているのを見てウチに問い合わせしてきたってパターン?
そうか!勘違いしてたごめんなさい!冷たく対応してごめん!
売主さんなら路線価とか専任とかいろいろ聞きたいよね?
質問の内容も支離滅裂なのも仕方ないよね!売主さんは素人でよくわからないはずだし!

一気にテンションを逆転させて営業用の声のトーンに切り替える。

「あ~仰ってましたね!物件がご実家が近いから気になっていたという事ですか?」
「そうなんです」


お~w今まで変なヤツ扱いしてごめん!ご実家の査定とかならいくらでも変な電話してきていいよ!
変人ウェルカム♪


「それでまだお客さんが居ないって言うから・・・」

実家近くの物件を売っているウチの客付け力が気になっている?
確かにここは少し高い設定だからまだお客さん居ないけど、そのご近所の実家ならもしかしたらすぐ売れるかもよ?はよ場所教えてくれ!すぐに金額出すから!なんなら買い取れるなら買い取るし!
あ、でもこの高い価格設定を鵜呑みにされるとちょっと苦戦するか?
でも上原さんのとこより場所が良ければいけるっしょ!

フル回転で仲介査定トークの展開と媒介までのルートをはじき出す。


「少し相場より高い設定なのでまだお客さん付いていないですが、場所がいいのでそこまで長期化しないと思っていますよ!実際のところ問い合わせも多いですし!時間の問題だと思います!」


「あ~なるほど。それなんですけど、まだお客さん居ないならウチとコラボしてもらうとかできますか?」




・・・・。



????




は?



・・・・・は?


ごめん。
何言ってんの?
何もかも意味が分かんない。




「あ~。。。と。コラボってどういう事でしょうか?何か撮影でもするんですか?それともご実家が近くだから一緒に売ってくれって言う事ですか?」

「いえ、あ~、ウチがお客さんを連れて来たらいいんですよね?」


は?うちがお客さん?

それは客付けのこと?

おい待て。
お前同業?


名前も何も名乗らんし、質問のクオリティもうんこの下の蛆虫の裏くらいのレベルのくせに客付け?

一瞬でも売主と思って損したわ!w


声のトーンは地場のおっさんくらいまで下がる。

「あのね?御社名も貴方の名前もうかがっていないのにいきなり客付けの話?」

「あ、すみません。小町産業の小町っていいます」


今さら名乗る?こっちから聞いてやっと?

あ!!!



あとお前か!!!!!
お前が小町か!!!


イライラマックス!w
説教モード突入!


「あ~。少し前に聞いたけど上原さんとこに直接行ったんだって?」
「はい。でも御社に任せてるからって言われて。相手にしてもらえなかったので、だからウチとコラボして欲しいと思って」



何正直に直営業したとかゲロしとんじゃ!少しは言い訳せぇや!
売主に直で行ったのバレてるならまずは謝れ!
そりゃお前のそのトークのクオリティじゃどんな売主も相手にせんけどな!


あとコラボってなんじゃい!w
客付けな!それか紹介させてくださいな!
いやまずはご紹介させてもらってもよろしいでしょうか?な!!!
この度は売主に直営業して申し訳ございません。よければ物件をご紹介させていただいてもよろしいでしょうか?な!!!


あと、お前同業なら電話でもっとシャキッと話せ!
少なくともまず先に名乗れ!
電話の声はワントーン上げろばか!
あと質問のクオリティが低すぎじゃ!そんなんで客付けできるわけないだろ!あと路線価とか何で聞くん?実家が近いとか関係ないじゃろがい!!!

あとあと、、え~っと何にムカついてたっけ??やば!ムカつきポイント多すぎて分からんwww


ああーーーーーー!!イライラする!w



ふぅーーーーーー!!!ふぅーーーーーー!!!


怒りが収まらない。

言いたいことは山ほどある。
あまりにもレベルが低すぎて吐き気がする。


こいつがもし俺の部下や後輩だったらあっという間によからぬ事に手を染めてしまいそうだ。




・・・でも長くなってきたから今日はこの辺で。

続きは次回。

では~

次回:コラボ#2


沖縄の不動産という独特な世界に迷い込んでいます!明るい外の世界の事は忘れました!これからも深海をはいずります!