スピリチュアルな物件案内#1
こんにちは。
株式会社REGATEの金城です。
本日はとある物件の買い付けをぶっ壊されてしまった思い出を呼び起こします。
不動産仲介業をやっていれば賃貸でも売買でも出くわすスピリチュアルな人たち。
そんな人が暴れまくった思い出を振り返ってみて、みなさんに胃もたれしてもやもやしてもらおうという企画です。
いつもの通り勧善懲悪にならずに消化不良で終わりますが
読み終えた後は甘酸っぱいものが口の中に広がることでしょう。
ではどうぞ〜
人気物件の対応
ピコ〜ン♪
ピコ〜ン♪
トゥルルー・トゥルルー・・・
始業早々からメールの反響も電話の問い合わせも止まらない。
たまにあるんだが売り出した途端に一瞬で蒸発してしまうような人気物件だ。
大量の反響も価格を抑えた事が原因だが売主さんが早く処分したいという希望なのだから仕方ない。
本当はギリギリの価格を狙って一番ベストな価格で成約!というのが仲介の力の見せ所なんだが。。。
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この物件の売主さんは会社を興していて、外資の会社との合併によって急遽海外展開が決まったという事例。
奥様のお腹には四人目のお子さんがいるため自宅が少し手狭になることも懸念。旦那さんの長期海外出張に合わせて奥さんは実家に戻って子育て&静養する計画だ。
「金城さん!残債の価格で決めてくれたらそれでいいからね♪」
というなんともありがたい売主さんだ。
残債も減っていてすぐに売れる価格であることは間違いない。
惜しいことに買い取りをするには少し残債が高く、仲介で売り出すには安すぎるというバランス。
時間をかけてもいいから高く売りたいという希望が多いこのご時世に稀有な売主といえるだろう。
「確かに安すぎるかもしれないけど、自分はこの家を買ってから家族も仕事もうまくいった。次にここに住む人にもいい流れを引き継いでもらえたら家も喜ぶと思うし、いい人に気持ちよく引き渡したい。うちは子供も増えたし、今回の海外出張もこの家を手放すいいきっかけになったと思う」
という売主さんの考えを尊重して売ることにした。
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ピコ〜ン♪
ピコ〜ン♪
トゥルルー・トゥルルー・・・
ピコ〜ン♪・・・・
すでに15件以上の内覧希望が入った。
スケジュール調整をしてネットの広告を落とす。
短時間でこれだけ反響がなるってことは万が一今日で決まらなくても再度広告を出せばすぐに決める自信がある。
また、あまりに多くの反響を対応すると
「俺が早かった!」
「私の方が先よ!」
みたいに順番の優劣でクレームになって余計な仕事が増える。
全ての問い合わせに対して
「問い合わせが多く人気物件なので問い合わせの順番で対応していきます」
という注意を促しながらその時点で「何番目の案内」ということを周知させながら対応した。
さあ出陣だ。
お祭り騒ぎ
一番早い人で午前10時からの案内となった。
1番目のお客様はとりあえず見たいという感じですぐに帰った。
2番目の人は近所だからという軽い感じ。
これだけ殺到したらすぐに決まると思ったけど、思ったよりも苦戦するかな?と少しだけ弱気になった。
そんな中、3番目に来た熊田さんご夫婦がすぐに申し込みをしたいと言ってきた。
人気物件でキャッシュで買いたいという人が来たら先を越されてしまうかもしれないと伝えると
「まだ銀行に行っていません!すぐに行ってきます」
と物件を後にした。
午後になってからは予定時間よりも早く来たりする人もいて物件はごちゃごちゃとお祭り騒ぎ。
予約もせずにみんなが見ているからと通りがかりに中を見に来る人もいる。
受付をしながら予約の名前と照合していくだけでも一苦労だ。
ひっきりなしの来客対応をしていたら熊田さんご夫妻が現れて
「銀行の事前審査を通してきました!」
という言葉と一緒に買い付け証明書の記入をしてくれた。
沖縄では住宅ローンで銀行の事前審査を通すのが通例だ。
この事前審査は通常は1日くらいかかるのだが熊田さんは急いでいるから今日中に結果を欲しいといって担当者に頭を下げて審査結果を引っ張ってきたらしい。
「万が一銀行がダメでも親から借りてでも買いたいです!」
というなんとも前向きなお返事だ。
ここまで意思が堅いとなるとこっちも話を進めやすくなる。
一番手の熊田さんで決まるだろうと確信。
ただ、ごちゃごちゃしている中ではじっくりと見れないので、明日の再案内を提案。もちろん熊田さんの一番手としての交渉権はお約束すると伝えて一旦お帰りいただいた。
そこから先は案内の人に「すでに一番手がいます」と伝えながらの案内となった。
「え〜?今朝連絡したばかりだし、この時間を指定してきたのはそっちじゃん!」
予想通りのクレームも発生。
電話でも先着の案内と伝えている旨を淡々と説明。
二番手の受付もするし、融資承認をとっていないと受付できない旨を言っても文句を言うだけ。
文句を言う割には銀行の相談にも行かないし、かと言って現金で買えるわけでもない。
ここで不動産屋に文句を言ったからって買い付けの順位が繰り上がることは絶対にないのでこれをお読みの皆さんはご注意願いたい。
不動産の担当者に印象を悪く持たれるとその後の契約も交渉もしてもらえなくなる。
たまに会社に電話をして
「上司を出せ!社長を出せ!」
「俺が早かった!納得できない!」
というクレームを突きつけてくる人もいるが逆効果だ。
そんなクレーマーを相手にして重説や契約を取り持つ会社はまずいない。
上司や社長はあなたの味方になるどころか
「こいつと契約したら後から何言われるかわからんな」と思われておざなりに対応されて終わりだ。
上司や社長が謝ったからって番手の順位がひっくり返ることは基本的にはない。
「こっちが一番手よりも高く買うからどうにかしろ!」
と言いすごむ輩もいる。だがそんな時は
「ではあなたよりも高く買う人がいたらそっちを優先しても文句言いませんか?」
この正論で一発で黙る。
どうしても買いたい物件があったら目の前にいる担当者に気に入ってもらうのも大切な交渉術だ。
おっと話が逸れたので元に戻しますwww
クレームや質問の雨あられのなか、数組が銀行の審査に行ってくると回答。
二番手と言うこともあるからか急いで銀行に相談をするという人はいなかった。
夜になり一通りの内覧が終了。
翌日の熊田さんの案内のために軽い掃除と片付けをして物件を後にした。
会社に戻ると着信がなる。
「はいREGATEの金城です」
「あの〜大和田といいます。今朝ネットを見たもので、旦那に相談してたらネットから消えていて・・・」
「あ〜すみません!一番手の申し込みが入っています。二番手でしたらご案内差し上げますよ」
「あ、じゃあ明日の13時はいかがですか?二番手でも大丈夫なので」
「では明日の13時にお待ちしています!」
翌日は熊田さんの案内が11時から予定されていたから13時だと余裕を持って対応できる。
また、電話の印象も好感触なので二番手として受け付けてもいいだろうという気になった。
二番手の申し込み
翌日、熊田さんはリフォーム屋さんも連れてきた。
「リフォームの見積もりも取ってもらいたくて、急ですが同席してもらうことにしました」
ここまで前向きに準備を進めてくれる買主さんはそうそういない。
事前審査の申し込みやリフォーム屋さんとのアポのスピード感もありがたい。
室内を見てもらいながらリフォーム屋さんと相談を進めるご夫婦。
もう新居に引っ越してきてからのイメージも膨らんでいてニコニコと笑顔が絶えない。
お二人はまだお子さんがいらっしゃらないとのことだが、夢のマイホームを手に入れてそこからの生活をイメージして嬉々とお話してくれる。
聞いていてこちらも楽しくなってくるような和気藹々とした雰囲気だ。
「昨日親にも相談して、もしも住宅ローンが落ちても父親が出すと言っているし、誰がなんと言っても絶対に逃したくないですね。」
ここまで前向きな方であれば売主さんとも気が合いそうだし、契約もスムーズにいくだろう。もはや一番手が揺るがないことを確信。
にしても子供のためにポンっと家を買ってあげるお父さん。何してるんだろ?
この後に案内する大和田さんに少し申し訳ない気持ちになった。。。
あっという間に時間は過ぎ、熊田さんご夫婦が帰ると同時に二番手希望の大和田さんがきた。
広告を取り下げているだけに今日はゆっくりと中を見てもらえる。
色々と雑談をしながらの内覧となる。
大和田さんは起業したての経営者。奥様はお腹が大きく第一子だと言う。
創業したばかりだと銀行の融資が引っ張れるかが懸念されるが、午前中に銀行との折り合いもつけてきたとのこと。
銀行とは創業前から付き合いがあり、創業してからも順調に業績を伸ばしているのですぐに融資の内諾をくれたと意気揚々とお話頂いた。
「金城さん。二番手の申し込みをしたいんですが、一番手さんで決まる確率ってどのくらいあります?」
「今の段階の感触だと9割は堅いです。ただ、万が一の可能性もあるので二番手で買い付け頂ければ・・・」
「わかりました。こう言った買い物はご縁ですしね。祈りながら二番手で申し込みをさせていただきます。」
これまた大和田さんも気持ちのいいお客様だ。
ネット広告が落ちていなければこっちが早かったとか、一番手よりも高く買うからこっちに順番をよこせとかゴタゴタ言ってくる気配もない。
もし、熊田さんで決まっても別の物件を探してあげたい気分になる。
そんな気持ちのいいご夫婦だった。
堅めの二番手までの買い付けをもらったことで一安心。
事務所で契約書や重説の準備をしていると熊田さんから着信が。。。
「金城さん、母親とおばさんにも物件を見せたいんですけど大丈夫ですか?」
購入前に親に見せる人は多い。
ただ、おばさん?
嫌な予感だ。
さあ、前置きが長くなりました。
ここからが本題です。。。
ただ、長くなり過ぎたので続きはいつものごとく次回へ・・・・
現れたおばさまは「あんた死ぬわよ」が口癖になりそうな、何か星の占いをしていそうな、指にきらきら宝石をつけていそうなリーゼントのような太いような細いような人のお話です。
乞うご期待♪
では〜
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