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僕たちの奪還大作戦#2

前回からの続きです。
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僕たちの奪還大作戦#1


◆打ち合わせ


楠さんはすぐに動いてくれて翌日のアポが取れた。
時間が経つとややこしくなるので早く動いてもらえて助かった。

ボロが出るとアレなので楠さんは特に喋らなくてもいいと申し合わせている。


いざDの支店へ。


店内に通されるとコロナ対策のアクリル版で仕切られた接客テーブルに案内された。


小林は想像していたよりもおっちゃん。45歳くらいかな?
顔はブツブツだらけのガマガエルみたいな印象だ。

この年でDに転職して今まで担当していたオーナーさんを嵌めにきたのか。
長年管理で積み上げてきた信用を逆手にとるなんて救えんやろうだな。
この野郎。

小林は上目使いでこちらの様子を見ながら少し慎重そうに名刺を差し出す。

このタイミングで来店してくるということは何かが起きたと察しているんだろう。
店内の奥のデスクでは上司っぽいやつが目を光らせている。
上司が出てきやすいようにできるだけ大きな声で喋ってやるかw


「本日はいかがなさいましたか?」
「担当直入に申し上げますが申し込みをキャンセルしたいんですね。
家族で話しましたがどうしてもこのまま話を進めることができなくなりました」

一気に小林の顔が引き攣る。嫌な予感は的中といったところか。


「いや、でももうお母様に入金してもらっていますし」
「そのお金ですがなんのためのお金ですか?返してくださいよ」
「そりゃ申込書のお金ですから返せません」
「ではその申込み自体を撤回したいと思っています」
「いやいや。準備に取り掛かっていますしもう図面もできていますし」

ここで図面と申込書の日付を見せる

「小林さん。図面作成の日付が申込書の記入日よりも前ですよね?これは申し込みの意思を取得したいという御社の営業活動で勝手に作成しただけじゃないですか?それとも申し込み後にこちらとの打ち合わせもしないままに設計図面の作成に取り掛かったんですか?間取りも部屋数も決めずに?どんな図面ですか?出してください」

「・・・・でも地盤調査とか。。」

「地盤調査もまだ入っていない事を確認していますけど?所有者の依頼も無いのに勝手に地盤調査をやったの?どこを?」

「・・・。」

小林はこういうやりとりに慣れていないのかすぐに目が泳ぎ出した。
そのまま畳み掛ける。

「まず申し込みをしてから今日までに5日しか経っていません。もしこの申し込みが有効であるとしてもクーリングオフが適用されると思うんですが」
「いや、、、でももう入金してもらっていますし、履行の着手が、、、」

「入金の有無と履行の有無はクーリングオフに関係ありませんよね?」

「いや。。。それでも・・・お母さんが全て了承したので・・・」
「でも署名は父名義ですよ」


「・・・。」


額とワイシャツの脇に汗が滲む小林。
脂汗が出まくってベタベタして茹でガエルみたいだ。

茹でガエルって何?見たことないんだけど・・・



小林を見かねて後ろからようやく上司がでてきた。

メガネをキラリと光らせて横に座る。
「お客様どうされましたか?」

目と目の間が離れている蛇みたいなやつというのが第一印象w
なんだこの支店は。両生類と爬虫類しかいないのか?

何はともあれ待ってました♪

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沖縄の不動産という独特な世界に迷い込んでいます!明るい外の世界の事は忘れました!これからも深海をはいずります!