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【コラム】不動産営業はきつい?稼げる?業種は?~失敗しない不動産の転職先探し~パート2

こんにちは。
㈱REGATEの金城です。

本日のコラムテーマは前回の続きで
不動産営業はきつい?稼げる?業種は?〜失敗しない不動産の転職先探し〜パート2
です。

前回書いた記事を読んでいない方はこちらをご参照ください。おおよそ10分で読める内容です
不動産営業はきつい?稼げる?業種は?〜失敗しない不動産の転職先探し〜パート1

前回は不動産業の各業種の特徴なんかを書きましたが、
今回は私が実際に色んな会社に就職して経験した内容を書いていきます。
宅建の資格を持っていて「不動産業への転職」を考えている人に参考になれば嬉しいです。
宅建士の資格を持っていない方でも不動産業に興味がある方には役立つと思います。

◆投資用ワンルームマンションの売買仲介


私が初めて不動産業に就職したのがこの業種でした。
前回のコラムでも紹介した
「若くても1000万」
「飛び込み営業不要」
「ノルマなし」
という甘いワード惹かれました。
確かに1000万を稼いでいる人もいますし、その会社でNo1の営業マンは年収3000万円を超えていました。
また、確かに飛び込み営業は不要でしたが飛び込みではなく電話で営業をかけるのです。

朝の9時に出社してから帰社時間の21時まで電話営業の毎日・・・
過去に先輩たちが電話しまくった名簿帳を手元に片っ端から電話をかけまくります。
基本的には「もうかけてくるな!」とお怒りのお客様ばかり。
たまに「あんたも仕事だろうけど人に迷惑かけてどうするんだ?早く辞めなそんな仕事」みたいな優しいお言葉(?)をかけられたり・・・

また「ノルマ」はありませんが「目標」に達しないと降格、減給が当たり前で「ノルマ」との違いに困惑しました。
目標金額に達しなくても罰則が一切ないという会社の場合は
「なぜできない!」「数字を上げないでよく休んでられるな!」
みたいなパワハラが横行しています。


朝の朝礼と夕方の夕礼で「社訓!」をみんなで絶叫するのが恒例です。←私はこれが嫌で嫌で。。。
体育会系という会社ではなんでこんなに大声で社訓を叫びたがるんでしょうね。。。いまだに理解できていません。


話を戻します。
不動産の経験も知識もない私は周りの先輩方よりも多くの電話をかけ続けるローラー作戦で「ラッキーパンチを狙う」作戦を取りました。
一日に700~1000件くらいだったと思いますが人の三倍は電話をかけていたと思います。
作戦は功を奏しまぐれ当たりが出てきて数件の契約を取得することができたのですが、ワンルームマンションは単価が安くなりがちで成約価格が1000万円以下の取引もざらです。
そのため件数を積み上げても仲介手数料だけではそこまで大きな数字にたどり着きません。

通常の仲介手数料では30万円にも届かないケースも多いのですが、中間省略という契約手法を使うことで一件で100万円以上の利益を出すことも可能になります。
この手法で月給で100万円を超える営業マンもたくさんいます。
第三者の為にする契約とも言われます。

宅建士の資格を取得しただけで不動産のノウハウも持ち合わせていない私にとってはいろいろと衝撃的な職場でした。

・ここで得たこと
素人でも数をこなせば契約を取ることができる
休日が休日ではなくなった
稼げるには稼げるだけの理由がある
ゴリラの巣だった


◆東京都港区の賃貸仲介


少し売買をすることが嫌になりかけていた私は
「売買よりも賃貸は手軽だろう」
という安易な考えで賃貸の仲介会社への転職を果たしました。
土日休みの会社員の感覚が抜けきらない私にとって朝8時から17時の勤務時間という体制も魅力的でした。

賃貸の仲介とはいえ流石に港区。日本一家賃が高い街でした。
40万円や50万円を超える賃料も普通で20万円台の賃料がアベレージ。
賃料が100万円以上の賃貸契約も発生します。
またADという「広告料」がもらえる物件も多く、法令上では家賃の一か月分しか頂けない手数料ですが物件によっては一回の成約で6か月分の手数料をもらえるケースもあります。
この広告料があるので賃貸営業で月に100万円以上の手数料を稼ぐ事も可能です。

この会社はネット情報を駆使してポータルサイトで集客することで、当時は港区の賃貸実績ではかなりのシェアを誇っていたと思います。
朝は7時に出社してミーティング。先輩方がそれぞれの案件の進捗状況を発表し、ここでも「社訓!」と掃除。


8時から業務開始。
日中はオーナー様の所有物件と他社が出す賃貸情報を片っ端から集めてHPに掲載。午後はご案内の予約と過去のお客様に追客のメール。
夕方6時の定時で終礼を行い一応業務終了。

でも6時30分からまたミーティングという名の日々の反省会と雑談。。。
ミーティングの後に翌日の仕事の準備と追客メールと追客電話。
先輩方が帰らないので新人が帰る空気ではありません。
とある日に定時の後に用事があってミーティングに出られないと言ったら
めちゃくちゃ冷たい目で「帰れば?」という社長。
毎日の帰社時間は23時くらいでした。
社長曰く
「会社は残業を強要していないし勝手にみんなが自己の研鑽のために早く来て遅くまで残っている」
とのこと。

郷に入りてはという言葉もあるし仕方ないと割り切っていたんですが、
人よりもパソコン作業が得意な私は先輩方よりも早く仕事が終わってしまうんです。
仕事が終わっても帰るに帰れないという状態はかなり苦痛でしたね。
その間にFPの本を読んでいたら
「業務に関係ないのは家で読んで」みたいに言われたしw

賃貸営業にも慣れてきて独りで営業に出られるようになった頃、母が危篤になりました。
乳がんで闘病中でしたが兄から連絡が来たときには余命一週間とのこと。

すぐに社長に相談して沖縄に帰っていいかと尋ねたところ。。。
「引継ぎ事項をちゃんとしてくれ」
「ほかの人に迷惑をかけないように」
と念を押されて一刻も早く母に会いたかったのですが翌日の昼過ぎまで引き止められました。

どうにか沖縄に帰る事ができて母親の病床に付き添う事ができ、最後に見送る事はできました。
闘病の末に母が亡くなったと社長に報告したら
「いつ戻ってくる?」の一言。
お悔やみの言葉や慰めとか会社からの献花とかそんなんが欲しいわけではありませんでしたが、この時にこの会社に居たくないなとすっと冷めたのを覚えています。

通夜、葬儀、初7日の法要などを終えてすぐに会社に辞表を提出ました。

・ここで得たこと
賃貸でも稼げる事は稼げる
ネットを駆使すれば不動産経験が素人でもどうにかなる
土日休みなんてどうでもよくなった
東京の人って冷たい

◆賃貸管理


その後賃貸の仲介を新たな事業としてスタートさせるという社長にめぐり合い一から不動産業の立ち上げに携わらせていただくことになりました。
前職までの物件の仕入れや案内、HPでの集客のノウハウなどを織り込みながら徐々に人員も増えて事業も軌道に乗り始め、
事業用の賃貸仲介など新たなジャンルも開拓し順風満帆な不動産生活を送ってたある日の事、嫁が妊娠。。。
嫁も私も沖縄出身で夫婦ともに身内が近くにいない状況。
特に初産の赤ちゃんを二人で見ることに不安があり、どうしても東京で子育てをしながら働くというイメージができなかった私はついに沖縄に帰る決心をしました。
不動産業に携わるようになって4年が経っていました。

転職先として沖縄で見つけたのは同じく賃貸管理会社。
宅建も持ってて東京での経験も評価されすぐに就職が決まりました。

前回の記事でも書きましたがこの賃貸管理会社が一番キツかったです。

noteにしていますのでお時間があればお読みください

管理はつらいよ・・・

入居者のクレームを受けて対応、原状回復の見積もりと請求←この時に「汚していないのにこんなに高いはずがない!」というクレームが多々発生します。ほぼ間違いなく過失で汚しているんですけどね・・・


物件の案内、契約書の作成、契約前の重説、空き物件の整備などなど
管理をやると業務タスクは仲介だけの時の数倍にもなります。
でも仲介とは違って管理手数料がメインの収益のため
「物件が増えて管理が増えても仕事が増えるだけ」
で給料が上がることは滅多にありません。
というか賃貸管理がメインだと従業員の給与と管理手数料と仕事の量などのバランスが悪く給料を上げれるシステムになっていない会社がほとんどです。
もしかしたら別の会社であればここまで多忙ではなかったかもしれませんが他所の事は分かりません。

・ここで得たこと
管理は毎日繁忙期
どこの会社も「社訓!」がある

その後前職の売買仲介の会社で5年間売買を学んで今に至ります。
この5年間は会社の創業期から中間管理職もさせてもらって多くの経験を積むことができました。
この期間の経験を書こうと思うと多分終わりが見えなくなってしまうので
売買仲介の経験は実務と併せて小出しで書いていきます。


全部やってて良かった

ここまで読んだ方は
「もういやだ」
「不動産はやめとこう」
となったかもしれません笑

でもこんなにキツイと書きながらも私は10年以上も不動産業に従事していますし、不動産の会社も立ち上げちゃいました。
前職で売買の仲介業務をさせていただいたときに今までの経験の全てが線で繋がったのを覚えています。

・電話営業で見えない相手の懐に入る
・朝早くから業務の準備をすることの効率性の良さ
・いくつもの業務を並行して同時進行するタスク整理
・売主(貸主)と買主(借主)の相反する要望の折衝
・管理物件のクレーム対応で住宅の設備などの知識が付いた(簡単な補修程度であればすぐに対応できる)

投資物件の相談の場合は賃貸の相場や利回りのアドバイスや分析だったり、
中古の住宅の相談の時は古い設備の動作チェックをその場でできたり、、、
今まで10年間かけて色々とやってたことが全て活かされることになりました。
遠回りのように見えて一番近道をしたのかもしれません


一番良かったと思う事は
「いろんなジャンルの経験を積んだことで独りでできる自信がついた」
という事だと思います。

これから終身雇用が崩壊して個人の能力が重視されると言われていますが、
不動産業に携わったことで多くの知識とスキルを得ることができました。

最後になりますが不動産業に興味がある方へ
「やるなら独立するつもりでやれ。そうすれば全部が無駄にならない」
という事だと思います。
不動産業の職種は多岐に亘りますがどの業種でも得られることは沢山あります。
また、不動産業の職種の多さは数えきれないくらいあります。
ここで取り上げた私の経験はほんの一部にすぎません。


では~


※最後まで読んでいただいてありがとうございます。

今回は沖縄の不動産に関する内容ではなかったのですが
今後も「沖縄の不動産あるある」「沖縄の不動産売買」「不動産売買のケーススタディ」についてもいろいろと書き綴っていこうと思いますので、応援よろしくお願いいたします。

また、「宅建業で独立したい」「起業したい」「何を準備すればいいの?」という方に向けて、、、
というか10年前の私がこの状態でしたので、同じような考えの方がこの記事を読んで何かの参考やヒントになれればいいなと思っています。
あの頃の私と同じような境遇の方が読んで、何かしらのインスピレーションに繋がれば嬉しいです。

HPでは不動産に関することとか沖縄の不動産あるあるについてのコラムを公開しています!
ご興味がある方はそちらもお読みください♪
沖縄不動産あるある→REGATEコラム
不動産テックのこととかそんな感じ→REGATEコラム

沖縄の不動産という独特な世界に迷い込んでいます!明るい外の世界の事は忘れました!これからも深海をはいずります!