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ご覧頂きありがとうございます。

片付けのプロ 株式会社レガーロです。

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今回の記事は特殊清掃について詳しく書いております。

ご注意下さい。

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特殊清掃とは、何らかの理由により自宅で亡くなられた

際に特殊薬剤を使い消毒をし、臭いの元となる物を

安全に処分する作業です。

日曜日のお昼「部屋で家族が亡くなってしまって、、、

対応可能でしょうか、、、」というお電話がありました。

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ご依頼者様は故人様の妹さんでした。

「兄が亡くなったという話しを聞いて

部屋には入っていないのですが、警察の方から

虫が沢山いるというお話は聞いているので・・・」と

とても不安そうなお声でした。

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お部屋で一人で亡くなると検視があり、死亡原因を

断定したりDNA鑑定をするため1~2週間ほど

私たちが作業に入るまで時間が必要になります。

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防護服、防毒マスク、保護めがね、

シューズカバー、手袋をして皮膚を外部に露出せずに

作業開始です。

まずは亡くなられた場所や部屋全体に消毒をしていきます。

大量の吐血の痕があり、苦しまれて亡くなられた

事が伺えます。扇風機羽の上から吐血の痕が残り

立ち上がった状態で居たこと、ベットの部屋に行こうとして

いたこと、隣の部屋に戻ったこと、全て見て取れる現場でした。

また、排泄物も確認できたので

亡くなられて数週間経っていたと思います。

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玄関、トイレ、お風呂、部屋全体に

ハエが死んでいて歩くと潰れてカサカサ・プチプチと音がします。

ポスティングチラシや郵便が散らばり、ごみ袋に

入れていきますが、郵便は1通ずつ見て保管します

(家族に渡すため)

クレジットカードの支払いが速達で数件来ていました。

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トイレの便器は体調が悪かった事が伺える程に

汚れていました。もしかしたら「死んでしまうかも

しれない」と故人様は分かっていたのかもしれません。

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お風呂は浴室よりもシャワーを使用していたように

思います。浴槽の汚れよりも洗い場の方が汚れていました。

排水溝の髪の毛の除去と大量の缶ビール(空き缶)を

処分しました(解体が決まっていたので清掃はなし)

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キッチンには食器がきちんと洗われていて、

箸、スプーン、フォーク、鍋、フライパンなど

並べて置かれていました。

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冷蔵庫には2020年3月で賞味期限が切れている

玉子が1パック、缶ビール23本(350ml)、キムチ、

沢山の保冷剤、賞味期限の切れた調味料やドレッシング、

等が入っていました。

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寝室として使用していた部屋は布団が敷かれたまま

枕元には大量のビールの空き缶たばこの吸い殻

同じ銘柄の空きたばこ、コンビニの同じおつまみの空ケース

チップス系のお菓子、そればかりが無造作に大量におかれて

いました。

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亡くなられた部屋はテレビを見たりゆっくりする為に

使用していた部屋のようでした。

テレビの横にはお母さんの遺影写真。

空箱の段ボール、お母さんが使っていたと思われる

布団が端のほうに畳まれていました。

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子どもが居ること離婚している事お母さんと

住んでいたこと等が遺品整理をしていると

分かります。

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亡くなられていた場所はお母さんの遺影の前。

ベットではなく、お母さんの遺影の前で、

遺影の方を見て亡くなっていました。

吐血をしながらも遺影の前に行き、何か伝えて

亡くなってしまったのではないかと思うと胸が苦しくなります。

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離婚をしたこと、お母さんが亡くなってしまったこと

仕事が上手くいっていなかったこと、それまでは

几帳面な性格で、自炊をしていたことが伺える

お部屋でした。

この部屋にも沢山の笑顔と笑い声があったのだと

思います。しかし、どこか何かのきっかけでそれが

上手くいかなくなり人生の分岐点が訪れたのだと思います。

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大量の薬、大量の缶ビール、大量のお菓子、

大量のおつまみ(全部同じ商品)大量のたばこ・・・

一人になった部屋で

「もう俺なんてどうなってもいいや」

と思って生活されていたのかもしれません。

きっとそれまでは仕事に生きがいを持ち、

家族やお母さんと笑って過ごしていたのだと思います。

・・・私たちは憶測でしか話せませんが・・・

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解体が決まっていたとはいえ、体液、血液、排泄物が染みた

畳をそのままには出来ず、消毒しながらできる限りきれいに

しましたが、畳を取らない事には脱臭しても意味がありません。

不動産屋さんとお客様が相談した結果、「そのままで良い」

という事でしたので、畳撤去は行ないませんでした。

きれいにしても痕がきれいに消える訳ではありません。

故人に手を合わせ亡くなられた場所にブルーシートを敷かせて

頂きました。

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ご依頼者様の妹さんに最終確認をしてもらった時に

「もっと早く見つけてあげればよかった」

話していました。

こうなることは誰にも予想出来ませんし、

妹さんが悪いわけでもありません。

お兄さんもこういう最期にしたい!と思って

生きていた訳でもありませんし、

誰にもどうすることもできなかった事だと思います。

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部屋には妹さんが食品を送っていた

送り状が寝室の棚にテープで貼り付けてありました。

妹さんは見つけてあげる事が出来なかったかもしれませんが

日々の生活の中で、お兄さんに光を与えていたと思います。

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片付け、遺品整理、特殊清掃

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