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ジャッカルの日('1973)

監督:フレッド・ジンネマン
脚本:フレッド・ジンネマン/ケネス・ロス
原作:フレデリック・フォーサイス


今回は、この映画『ジャッカルの日』です。
これはもう皆さんご存知の傑作映画で、私自身好きな作品のひとつです。
リメイク版も好きですね…あのブルース・ウィルスとリチャード・ギアの方も面白かったですけど、オリジナルのこちらをピックアップします。
ストーリー解説はなしにしますが、ざっくりと言えば、アルジェリアからフランスの撤退に反対する組織OASが、フランスの大統領ド・ゴール暗殺に、ことごとく失敗したため、「ジャッカル」と呼ばれるイギリス人の殺し屋に暗殺を依頼する話しで、そのジャッカルを追いかけるルベル警視がジャッカルを追い詰めていき、暗殺を阻止する映画。
何が面白いかと言えば、このジャッカルの行動ですかね。用意周到に準備する描写もそうですし、このジャッカルを演じたエドワード・フォックスが、とても見た目が暗殺者に見えず、見た目もクールなんで、劇中女性たちからチヤホヤされる場面もあったり、何かと女性絡みの事で翻弄されたり、殺し屋はイケメンは不向きなのかと思えてしまう。用意周到と言えば、やはりあのライフルのシーンです。オーダーメイドの特注品で、試し撃ちで森の中でスイカにペンキで顔書いて照準を合わせスイカを破裂弾で破壊するシーンは何回見ても面白い、あのシーンがあったからこの映画は成功したと思います。
でもジャッカルは几帳面で、用意周到なんですが、人間らしいところもあって、女性関係もそうですが、いくつかミスがありました。終盤なんかは追い詰められて結構焦りがあったのか、大統領を狙撃するシーンなんかはもうヘトヘトでだいぶお疲れモード、大統領が深々礼をするシーンは面白かったですけど、結局暗殺に失敗するんですが、女性に翻弄され、まあ男もあれでしたけど…、自動車事故を起こしたりと結構散々な目に遭いながらのラストへ突入でしたから、忙しい暗殺者というイメージの映画でした。しかし、ジャッカルを演じたエドワード・フォックスが時折見せる鋭い眼光はまさに暗殺者って感じで、あのあたりは見事に演じていたなという印象が残ってます。目標達成するための用意周到な準備、描写がとても面白く描かれた作品でありました。
監督はフレデリック・ジンネマン巨匠ですね、アカデミー賞の「わが命つきるとも」や「真昼の決闘」「地上より永遠に」「尼僧物語」など後にはこれも好きな映画「ジュリア」など歴史の背景を描き、ドキュメンタリー出身ならではのリアルティ溢れる作品を撮るのが上手い監督さんです。


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