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【シチュエーションスリラー】knock〜ノック〜#2


これまでのストーリー

出張で泊まるために訪れたペンションの部屋で眠っていたビジネスマンの男、M田は、突如断末魔の叫び声で目を覚ます。部屋の入口のドアを破壊して入ってきた正体不明の相手は、部屋のドアをノックしてきた。M田は身の危険を感じて、ノックの相手とノックで会話をする事に……。



本編




コンコンっ!


ノックの音だ。
返事をするべきか、黙っていればいいかは明確だ。ここは返事しない方がいいだろう、と思いM田は黙っていた。

しかし、立て続けに



コン、コン、コンっ!



そのまま沈黙を続けるM田


しかし、ノックの音が強くなっていく



ゴンゴンゴンゴン…!



その叩く強さと音が半端なくうるさかった


たまらずM田は


M田「はい!どなたですか?」



ノックの相手「…………。」



M田「どちら様でしょうか、どのようなご要件ですか?」



ノックの相手「…………」




どうしようか、このままドアを開けたらいいのか、しかし部屋の入口をぶち壊して入ってきた奴だ、そしてあの断末魔のような叫び声が気になる、もしかしたら殺人が起きたのかもしれない。そして今、ノックをしている正体不明の相手は凶悪な殺人鬼かもしれない。M田は思ったのである。



よし、ここは少し探りを入れてみよう


M田「あの、ちょっとお聞きしたいのですが、今さっきフロントの方から叫び声が聞こえましたが、何かあったんですか?」


ノックの相手「…………」



黙っているこの相手はヤバい奴だ、きっとフロントの人を殺害した可能性はあるだろう、そう思った。


ここは、思い切って聞いてみるか


M田「あの〜ですね、もしかしてフロントのあの受付の係の人、怪我でもされたんでしょうかね」


コンコンっ!



初めて応答に答えたしかもノックで



M田は考えた



M田「あの〜答えがはい、ならノック1回、いいえなら2回でお願いできますか?」

※はい(YES)ならノック→1回
いいえ(NO)ならノック→2回



コンっ!(はい)



分かったらしい

ちゃんと答えてもらえたが、



M田「単刀直入にお聞きします」



「あのフロントの男性を殺しましたか?」




コンっ!(はい)



M田「なっ……………」



何という事だ、ドアの向こうにいる相手は殺人犯!そして今私の部屋をノックしているのだ!…。

だが、なぜ入口のドアを破壊したのに、このドアは壊さないのか?そして相手がその気なら私はとっくに殺されたているはずなのだが……。この殺人犯の意図はいったい……。




       つづく





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