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芸人さんたちは時代の寵児

  私はTVをすっかり見なくなってしまった。スポーツの国際試合や大河ドラマくらいしか見ることがない。ニュースは専らラジオとネット、株式市況や天気予報はアプリに頼っている。
 お気に入り女優のドラマをよく見ていた時代もあったし、7時のNHKニュースやテレ朝のニュースステーションを欠かさず見ていた時代もあった。特に音楽番組は毎日目にしたし、流行りの歌を知る機会でもあった。若い頃は洋楽のランキング番組もチェック、ロンドンや米国の音楽も押さえていた。
 最近のテレビやラジオの主役はどうも芸人さんたちではないかと感じる。あまり実情には詳しくないのだが、いつの日からか漫才やコントをやっている芸人さんたちのバラエティやラジオ番組がとても増えたように思う。
 ドリフターズやコント55号やタモリ、明石家さんま、とんねるず、笑福亭鶴瓶や所ジョージなど多くの人気者がバラエティ番組を盛り上げてきたし、漫才ブームも何度かあって、様々なキャラが登場してお笑い番組もテレビ業界を席巻してきた。北野武はお笑いだけでなく、今や映画界の世界的な巨匠に名を連ねている。ダウンタウンもとにかくよく見かけた。ものまね文化も参入し、笑いのエンターティメントはどんどん裾野を広げた。
 そしてM1やR1、キングオブコント、THE Wなどのお笑いの賞レースは注目度が高く、ネットニュースランキングやテレビでも視聴率を稼ぐ時代となった。レコード大賞受賞よりもM1優勝の名前の方が知られてる気もする。そして吉本興業を筆頭に芸人を中心とした芸能事務所も活躍しており、大手の芸能プロダクションも芸人枠を持っている。ホームグランドである劇場を各地に作り、地域に特化した芸人を売り込んだり、様々な手法で芸人さんたちは活躍の場所を拡大させてきた。漫才やコントの営業に留まらず、ラジオのパーソナリティや俳優として活動したり、ワイドショーのコメンテーターなど幅広く活躍しているようにも見える。私はきちんと番組を見ていないので聞いた範囲なのだが。
 最近はお笑いの養成所も、多くの志願者を集めているようだ。音楽やスポーツもそうなのだが、あるジャンルに多くの志願者が集まるとそこには激しい競争が生まれ、個々の技術や感性も磨かれていく。多くのファンを笑わせ、有名になりビッグマネーを稼ぐ者が現れると、業界自体が元気になってくる。毎日のようにあった音楽番組や野球中継が少なくなったのは平成の時代から始まっていた。芸人さんたちの競争は一段と激化し、笑いの業界は益々盛んになるだろう。世間は笑いによって現実から少しばかり離れられるのかもしれない。世の中が厳しくなっていくとなおさらだ。

【REG's Diary   たぶれ落窪草紙  2月21日(水)】

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