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ジャズの演奏スタイルについて ソロもあればビッグバンドもある

 一人で演奏する場合もある。これができるのはやぱり猛者レベルでないと間が持たない。プロの方々のお仕事にはこのパターンも多々あると思う。ギターやピアノのような和音楽器は弾き語りという戦略もある。スタンダートを小粋なイントロから、テーマをボーカルを聞かせて、間奏をお洒落に決めて、またボーカルで盛り上げてフィニッシュ。これを一人で・・・憧れる。
 キースジャレットやビルエヴァンスのソロピアノを聞くと、改めてピアノにはかなわないと思ったりする。最大10音が出せるゴージャス感は圧巻。ギターもジョーパスのヴァーチュオーゾを聞いた時には開いた口が塞がらなかった。テッドグリーンやタックアンドレスのソロ演奏も、もはやどうやっているのか想像がつかないことも多々ある。ジャズギターの究極のソロプレイは永遠のテーマだ。
 ホーンのソロもかっこいい。ニューヨークの街角で、サックスやトランペットを一人で演奏しているストリートミュージシャンをよく見かけた。単音でもコード進行を感じさせるラインとグルーヴに思わず聞き入ってしまう。
 自分で演奏するにはデュオが一番好きだ。ボーカルとギター、ベースやホーンとのデュオ、ピアノ等の和音楽器とのデュオ、そしてギターとのデュオ。単純にセッティングがしやすい。自分の他に一人押さえるだけでいい。ギャラの配当も高くなるが、一人にかかる負担は大きい。バンドの中に複数の和音楽器があると役割分担も必要だが、デュオだと割と自由に音が出せる。ライバルであるギターとのデュオは対決でもあるので、盛り上がってくる高揚感は何とも気持ちがいい。敗北はきちんと認め、次の戦いへの戦略も忘れない。コストパフォーマンが良く、小回りの利くユニットと言える。
 典型的なスタイルは四人のカルテットやクインテットの五人編成だ。バンドにリスム隊がいると演奏が締まる。やはりドラムとベースが繰り出すグルーヴは聞く人のノリを引っ張り出す。これに和音楽器とボーカルだったり、ホーンだったり、音の幅が大きく広がり説得力が増す。これにホーンの種類が増えてくるとまた楽しい。サックスもアルトやテナー、トランペット、トロンボーン、クラリネット、フルートなど6人編成のセクステッドや7人編成のセプテッド、8人編成のオクテッドなど、重厚なサウンドは演奏している側も気持ちが良い。8人編成のジャズバンドをやっていた時期があったが、特に野外のステージの盛り上がりはヤバイ。中毒性を覚えてしまう。ホーンが増えてくるとアレンジと言う作業も必要になるが。
 そしてビッグバンド。古き良きジャズアンサンブルを彷彿させ、豪華絢爛の圧倒的な音圧、エリントンやベイシーに代表されるジャズの王道、ビッグバンドを従えたナタリーコールのステージは今見ても興奮する。
 ジャズの演奏スタイルは色々ある、自分の気分や時や場所、状況に応じて演奏スタイルによるジャズの音の違いを味わうのも楽しい。
 
【REG's Diary    たぶれ落窪草紙   2月9日(金)】

 

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