見出し画像

#88:尿たんぱくが出ているといわれたら・・・

尿は、体の老廃物が腎臓の糸球体というところで濾過されて体の外に出されるわけですが、本来なら体に吸収されるべきはずのたんぱく質が尿に漏れ出た状態のことを『たんぱく尿』といい、尿検査において30mg/dl以上のたんぱく質がみられた場合に尿たんぱくが陽性といっています。

尿たんぱくの状態であるというのは、糸球体腎炎などの腎臓の病気を起こしていることが考えられるのですが、また他にも、高血圧・動脈硬化・糖尿病などがあっても腎臓の機能が弱まって、たんぱく尿が出ます(ただし、発熱後や激しい運動後にも出ることがあり、この場合は心配ありません)。

たんぱく尿をそのまま放っておくと、腎臓機能の低下からむくみを生じ、そのうち老廃物を排出できなくなって尿毒症や腎不全になってしまう危険性もあり、そうなるとつらい人工透析のお世話になってしまうこともあります。

尿たんぱくが陽性と判った時点では、自覚症状もなく腎機能も正常であることが多いのですが、この頃からの予防があとでとても重要になってきます。塩分を控えて、脂っこいもの(揚げ物やラーメンなど)や高たんぱくなもの(肉や卵や乳製品など)の摂り過ぎに注意して、さらに適度な運動によって肥満を防止しましょう。また、自覚症状があまりないからこそ健康診断の結果を軽視せず、早めに医師の診断を仰ぐようにしましょう。

古賀 直樹
▼中野坂上治療院のウェブサイト
http://www.nakanosakaueseitai.com

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?