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腐葉土と種土。材料は雑草、植物残渣と食べられなかった野菜と落ち葉少々として、使えないものもある。

それはリフォレスターのモチベを下げたもの

リフォレスターの成功をヒントにして、
その土地の土を使って土と植物残渣を丸ごと微生物たっぷりの
種土を作ることで
パン作りで短時間で小麦に混ぜ込んだ酵母を効率的に増やすように
効率的に畑に微生物を定着させる方式を提案しました。

そう言えば、植物と微生物の関係について、
もう一つ思うことがあって、
それは畑に微生物を撒くという考えはもしかして
効率的でも効果的でもないのかもしれないということです。

何度も引き合いに出しますが、
私が資料館で読んできた数々の満州開拓団の農業日誌の内容をから
就職直後は丈の短い草原地帯だった土地だったけれど
野菜を植えてみたらみたこともないような大きな野菜が収穫でき、
収量も驚くほど高かったことがわかっています。
私が読んできた資料は
体験者たちが自ら寄せ書きした文集や手記集であることや
現在も黒竜江省は一大穀倉農業地帯であることから
間違いない事実だと考えています。

注目するのは、
土を掘り起こす前と後で植物の成長に
爆発的な変化が起こった事実です。
土自体が変わったわけではないので、土に含まれる何かが変わった。
それはツンドラの永久凍土が溶けて未発見の微生物が
活動を再開し出すのと同じく、
表に出てこなかった微生物が掘り起こされ、
作物の根に作用したからだと考えます。

現代の日本の農業のうち、土の質について
微生物が足りないと考えられているのであれば、あればですけど
畑全体を短期間で再生するよりも、
有用な微生物を種土という形で
作物の根の周辺に集中させて入れてゆく方が手っ取り早い気がするのです。

そもそも、作物の健康は半分以上が根の健康にかかっているのであれば、
人の体の中の腸内細菌よろしく、
植物の根の周りの微生物という考えは
決して的外れではないと思うのです。

しかし、ここでもう一つ課題が残ってもいます。
リフォレスターにせよ種土にせよそのままでは思った以上に使えない素材が
あるのです。

針葉樹は脂っこい。

12月の初め、製材所さんからご厚意でお分けいただいた
針葉樹のおが粉、鉋屑はとても香り高く、美しいものでした。
これらをリフォレスターに入れたらきっともっと森っぽい
良い土に仕上がるだろうと期待に胸を膨らませていたのですが、
その希望は叶っていません。

叶うどころか、微生物の活動が極端に低下して、
現在は休眠状態まではいきませんが、
これまでのスピードからすれば格段に活動が止まってしまっている
状態です。
1月の中頃に、そのおが粉入りの土を取り分けて、
葉物野菜の種を植えましたが、
通常では1週間程度で芽が出るところ
発芽までに化しかけ3週間かかりました。

実は土質自体もどことなく変わってしまい、
ふかふかさ加減はかわらないし、
異臭がするようなことも全くありませんが
土がちょっと油っぽい。

水やりの際に土の表面で一旦水が染み込まずに止まること、
鉢の下から出る水が焦茶っぽく
どことなくどろっとしているのです。

とはいえ、発芽後の葉物は気温が上がらない割には
しっかりと丈夫そうに育っているので、
土が使えないほど悪化したというわけではないようです。

ただ、理想の土とは言えない状態になっています。
しかも、おがだけ分解もそれほど進んでいるようには見えません。

これは悪いとまでは言えないけれど、
人に勧められるものでもない。

原因の究明ではなく、自然界から解決法を読み解く試み

これまでの結果から、
現時点ではリフォレスターにも
種土の植物素材としても、針葉樹の木材、おがくずは
お勧めできません。

ただ、私にはリフォレスター以外にもう一つ野望があり、
それが割り箸とおが粉を使った種土を
最短で作ることなのです。
これは最初から考えていたわけではなく、
ここ数ヶ月で思いついたものなのですが、
仮に実用化できたとしても、
実際に使いたいところに使ってゆくためには
無茶苦茶ハードルが高く、
実現するには
資格や国が定める基準のクリアが必要だということがわかっています。

わかっていても、
まずは目標は達成してみたい。

というわけで、そもそも針葉樹とはどういったものなのか
自然界から読み解き始めました。
すると、面白いことに高地の針葉樹と
2000〜3000メートルくらいの深海生物に
共通点があることに気が付いたのです。

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