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何の為にデザインするかシリーズ 1

武蔵野美術大学大学院 造形構想研究科 造形構想専攻
クリエイティブリーダーシップコース 
クリエティブリーダーシップ特論 第3ターム
何のためにデザインするかシリーズ 1

元三井物産役員 佐伯基憲さん 2019/9/25
「リーダーシップと学び:人は何処で、何を学ぶのか?」
人はいつ何を学ぶのか?

今回から若杉先生の「何のためにデザインするか」シリーズがスタート!
事前に佐伯さんからの課題本と副読本についてお知らせがありました。

若杉先生課題本 佐伯さん


若杉先生が勤めていたパワープレイスさんでは毎月1回で既に69回になる
読書会を開催されているご縁で、大学院にもゲストできて下さいました。
授業後はパワープレイスの前田社長から名刺交換でご紹介していただき
パワープレイスさんでの読書会にもご招待していただきました!
(夜の授業と重ならない開催日にはお邪魔させていただきます!)

若杉先生は佐伯さんのカラダから滲み出る品格に興味がわいたそうです!
本当にその言葉通りの品格を感じる素敵なジェントルマンでした!

我々はどこから来たか
経営、生き様、修羅場、正念場をくぐってきた中で
何のために働くか?何のために生きるか?が全てのデザインにはつながる

高校までは富山にいて、大学は早稲田大学
米農家の実家なので田舎に帰るつもりだった
当時は売り手市場で、何をやりたいかで就職先を決める時代だったそうで、就職部に行ったら商社が残っていて早く決まった三井物産に決めそうです。
今は、早稲田大学理工学部でも非常勤講師でもあり、
社員を大事にする、価値を生み出すのは社員であると
経営学を講義されているそうです。

知識がない人から知恵は生まれない
(人事にいた時から言ってきたこと)
先に哲学があるのではなく
社会人として生きるには
最低限の知識を持ってないといけない
英語はTOEIC900点とれと言われても
時間はいつになってもできない
トイレの5分でも、積み重ねて
三省堂の辞書を右と左のポケットに入れて、思いついたものを辞書で
調べながら、これは何だろう?と調べていたそうです!
地道の努力なしにはならない。
Mr.Reference
とイギリスで言われるくらい!

社会人が一人前になるには 
SDS(修羅場・土壇場・正念場)
チャンスであったり、リスキーな時であったり、知恵がないと

昭和45年に大学卒業して、新卒は地方に出る時代。
神戸に配属されてまず輸出と輸入を担当。
通関をきって、輸入手続きを一ヶ月でマスターしないといけない。
植物検疫方・貿易法・一、二週間で覚えないと実務ができない。
一ヶ月間で前任者が五年でやってきたことを引き継がないといけない。
保険の理論と法律もわからない
夜は毎晩飲み会があるのに、本を渡して読んでおけと言われても

手続き
サーベイを手配(損害鑑定人)
落花生(ピーナッツ)を最初に担当した。
日本の千葉の八街が生産地。
生産農家を守る為に、輸入する権利を持っている商社が数社しかない。
かじってピーナッツ博士になってしまおう
落花生組合にも大粒と小粒(お菓子にまぜる)組合が別れていた。
焙煎技術(油がうかないように炒るのも大変)
アフラトキシン(ピーナッツのカビについているのが毒だとわかった)

知恵がうまれていく 
誰に聞いたらいいか?
税関のお役人に聞けばいい
実務に長けた係長クラスに密輸かどうか確認
ギブアンドテイクの情報も教えて、知識が知恵になっていく
法律がわかってないと何もできない世界
神戸での一年で早稲田の四年以上のことを学んだ。

三井物産は5年ごとに異動する。
常に新しいもの、新しいコトにチャレンジしている。
今はそういう三井物産ではなくなっている。
物の売買で儲けている会社ではない。
中身がうんと変わっている。
FUJI FILM もフィルムをほとんど作ってない。
変化している。

若杉先生からのお題は、リーダーシップ
リーダーシップとマネージメントの違い
実感としては部長となった時 (1997年)

<今回の課題本>
リーダーシップ 幸之助論(ジョーコッター ハーバードの主任教授)
1.課題本:㈰「幸之助論」(ジョン・p・コッター著/金井壽宏監訳、高橋啓訳、ダイヤモンド社、2008)
人生百年時代に何を学ぶんだ?どこでアウトプットして成果にするのか。

三井物産では、カタカナと漢字
ひらがなは崩してよみづらいから

幸之助さんは先生の言ってることが理解できない
学校で学ぶのはやめて、企業理念を磨きながら
46冊の本が残していて、経営哲学が大事だ

2.「実践経営哲学」(松下幸之助著、PHP文庫、1978/2001)

社長 有限 
今までの世の中はそうだった。
常に企業は社会的な存在で、社会に有用な価値がないと永続していかない
それを実現するのは誰なんだろう? → 社員

●定年後に会社を離れて一番痛感したこと
何かを実現する手段をもってない
社内では、稟議書を書いてOKになれば会社を作れた 
潰れても糧にできた

売れ過ぎの商品も有限

プロダクトイノベーション
ディマンドイノベーション

戦う場にもなり、武器になる 
社会的な価値を生み出すこと
33年物産にいて、
IT推進部では、コンピューターの2000年問題 
大晦日は会社に徹夜していたけど何も起こらなかった。

犯人探しは一切しない 条件 
2000年はまだレベルが高まってなかったので、失敗になったけど、
教訓にはなっている

2004年から
ユニシスに 成果をはかって
数字だけだと人事制度が変わっていた いい方に変えてくれ 
人事(人材育成なんてやったことない)求める人材像、
人は学んで成長する(社員の義務) 学ぶ場を提供する様に変えた。
価値を生み出すのは”社員”

『何で勉強しないといけないのか?』
養老孟司の答えは・・・
「そんなくだらないことを聞くんじゃない! 」/
勉強とは「山道を登る」みたいなこと/
好きなことを思い切りやれば勉強が必要になる/
「答え」を知ることよりも考えることが大事


人生百年時代に・・・
不老不死 ずっと死なないで生きたい?
一万年、百万年の人生計画をたててください!

2. 愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。
身についたもので知恵に残っていくのは・・・
SDS(修羅場・土壇場・正念場)だろう。
1996年10月にナイジェリアに初めて海外出張した時に
ナイジェリアの首都
原油を運ぶパイプを運ぶ契約をとりにいった

空気を運ぶようなものだから、船を大きくしないといけない
どれくらいの大きさの船まで
国の法律はどうなんだろう?

木下商店(木の下で売ってる)で、チノチノと言われた
(中国人だと思われてた)
売買契約が結ばれてない
ナイジェリアのルールではない。
LC at sight (Letter of credit) 信用状 一覧払い
専門家に聞いてみると2週間待たされて
条件が毎日変わる 丘にあげる料金も
蚊にさされたらマラリアになるから気をつけたり
現地で麻雀したり、プールで泳いだり
港は写真を撮ってはいけないけど、報告用に 
海軍がとんできてカメラを壊されてフィクサーが飛んできて、
フィルムを抜いたら許されるからと
ブラックリストに載せられて、無線も電話も通じない
ナイジェリアエアラインには乗りたくない 
KLMに乗りたい
ウェイティングリストの76番目にのってるだけ

もめてんのか?っておじさんが寄ってきた。
任せてくれ、100ドル、80ドル、50ドルでと交渉して
ボーディングパスを買った。
中に入るとチェックリストがあり、何とか通れた

今から呼ぶ5人は降りてください 
というリストに入っていた 
ガーナでオーバーブッキングになってるから降りてくれ
1時間後にナイジェリアエアラインがある ファーストクラスも
ないけど仕方ないから乗り換えて、

入社6年目 イギリスでは通じるかな?
KLMに荷物は乗っていた
クリスマスシーズンで、ターミナル3
裏道からターミナル2に入れと言われて荷物がでてきた。
飛行機が遅れたのは1回だけ、荷物

3. 有字の書から無字の書へ。
実践をしていく。社会に有益な価値を見出していくこと。

<ここからディスカッション>
「幸之助論」を読んだ感想について 感じるところでも! 
69回目を迎えたパワープレイスさんでの読書勉強会では半年分の課題本が
出されているそうです!

今日はあえてパワーポイントを使わなかったけど・・・

IBMガースナーを参考に アメリカの制度
ローパフォーマー(処遇をうんと落とす)
人の尊厳を
人事の理念 基本方針 中長期的視点で 場をつくる
社員が
適材適所
社員の

生の社長が出るのを大切にして、何十回も説明して
やる気になって
理解・納得・やる気
実際にやる人は一割
何か書いてくださいと言われても、どんな立派な制度を作っても
「実行なくして成果なし」

それぞれの企業には風土や文化がある
中身はかわっている
旗印の元に集まっている哲学は変わってない 
結束を固めるために(オクスフォードで合宿するとか)
社長も飛んで行って説明したり

幸之助さん 道を開く とかその通り 
ただ全部は実行できない
伊藤忠の元社長丹羽さんが 2006年富士通フォーラムで
こうすれば会社は潰せます
1、社員を虫けらのように扱う、人としての尊厳を傷つけてはいけない
2、社員を奴隷のように
3、社員を絶対にほめずに
この反対のことをすれば、社員は元気に働きますよと言っていたそう。

副読本:
「ヤッサンの教え」(安野侑志、高田真理著、ダイヤモンド社、2014)
造形構想基盤演習は今まではグループ課題が多かったのですが、第3ターム途中からは個人制作になり、ちょうど「自分が本当にやりたいこと」を考えるヒントにもなりそうです。

「カモメになったペンギン」(ジョン・P・コッター著、藤原和博訳、野村辰寿絵、ダイヤモンド社、2007)

「チーズはどこへ消えた?」(スペンサー・ジョンソン著、門田美鈴訳、扶桑社、2000) 

頂はどこにある?

スペンサー先生の遺言 
人生そのものを大学として学び続けた人


ナディアが群れを離れる理由 


を読むと、↑マネージメントとリーダーシップの違いがわかるそうなので
Amazonから届くのも楽しみです。

たくさんの課題本や副読本のご紹介までありがとうございました。



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