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ウミガメのスープ式発想法を考えたので実施してみた。

はじめに

こんにちは、エンジニア兼デザイナのReERishun(@reerishun)です!

この記事はVolare Advent Calendar 2021の記事になります。
Qiitaに投稿するつもりでしたが、発想法の話なのでNoteに投稿することにしました。記念すべき1投稿目です!

ウミガメのスープ式発想法

皆さん、「ウミガメのスープ」というゲームをご存知ですか?
半年程前に初めてウミガメのスープというゲームをプレイした際に「これは発想にも応用できるのではないか?」と思い、今回紹介する発想法を考えるに至りました。

この発想法の特徴は、

  • 短時間で具体的なアイディアを複数人で生み出すことができる

  • テーマや課題などがある状態で行うのが好ましい

  • 対話形式で進めるためアイスブレイクやゲームとしても楽しめる

と言った感じで、ハッカソンのアイスブレイクとしても良さそうです。

そもそもウミガメのスープって?

ウミガメのスープをプレイしたことがある・ルールを知っている方は次に進んでください。

大雑把に言えば、推理ゲームの一種です。
出題者(一人)と回答者(出題者以外のプレイヤー)に別れてゲームは進みます。

▼基本的な流れ

  1. 出題者が問題を出す

  2. 回答者は出題者に問題に関する質問をする

  3. 出題者は質問に対してYES or NOで答える

  4. 2, 3を繰り返してヒントを得ながら推理をする

  5. 回答者が正解を導いたら終了

突拍子もない状況からそこに至る過程を推測するというゲームですが、正解の中にはあまりスッキリしない内容もあるので人を選ぶゲームな気もしました。

参考:ウミガメのスープとは (ウミガメノスープとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

ハンズオン

ここからは実際の発想法の流れを紹介します。

0. 前提条件

  • 人数:2人~(多い方が好ましい)

  • 用意するもの:アイディアを1つ(出題者のみ)

  • 使うツール:同時編集可能なメモなどがあると良い(HackMDなど)

1. 出題(1分程度)

出題者となるプレイヤーはアイディアを1つ用意します。
アイディア自体は伏せて、ヒントとなるアイディアを公開します。

例えば…

  • アイディア:水溜まりを撮影するとラテアートを合成するサービス

  • テーマ:ラテアートに関係するサービス

2. 質問(20分程度)

テーマの内容を元に回答者は質問をしていきアイディアを考えていきます。
出題者は回答者の質問に対してYES or NOで回答します。

例えば…

  • 回答者:飲食店内で利用することを想定したサービスですか?

    • 出題者:NO

  • 回答者:サービスのUIやユーザアイコン以外に画像データを使用しますか?

    • 出題者:YES

  • 回答者:チャット機能はありますか?

    • 出題者:NO

  • 回答者:1人だけでも使えますか?

    • 出題者:YES

考えていないような部分まで質問が来ると思いますが、その辺りは臨機応変に対応しましょう。(矛盾したり本来のアイディアから離れないように注意しましょう)
人数にもよりますが、1人3回ずつ質問をしたところで質問ターンは終了します。

3. 回答(5分程度)

回答者は質問ターンの内容を整理して、サービスを考えます。
ここで重要なのは正解を当てる必要は無いということです。
多少ズレていても面白いと思ったアイディアはすべて書き出しましょう!

例えば…

  • コーヒーを撮影するとラテアートにしてくれるフィルター

  • ラテアートから店を探せる画像検索エンジン

  • 写真内の丸い部分全てラテアートで埋めつくすサービス

質問ターンで条件が絞り込まれたことによって、通常のアイディアを考える時よりも具体的なアイディアが思いつきやすいと思います。

4. 正解発表(3分程度)

最後に出題者の考えたアイディアを発表します。
発表後は回答者の出したアイディアを見ていき面白いアイディアに触れつつ深掘っていくと面白いです。

💡ゲームのコツ

このゲームの目的は発散的なアイディアを生み出すことであり、正解を当てることは目的ではありません。
以下の点に気を付けて色々なアイディアを生み出しましょう。

  • テーマは具体的にしない方が質問をしやすい

  • 質問回数は少ない方がアイディアの幅も広がる

  • 思いついたアイディアは極力書き出す(他人と被ったり、現実味がなくても気にしない)

  • 他人のアイディアや考えを否定しない

実際にやってみた

Volareのteam-appmakerで行った際の内容をここにまとめます。

0. 前提条件

  • 参加人数:7人(出題者:1人 / 回答者:6人)

  • 実施方法:HackMDにて議事録を取りつつ、Discordのボイスチャットで話しながら

  • 所要時間:30分程度

1. 出題

### テーマ

- 位置情報

位置情報と一言で言っても、GoogleMapやZenly、UberEatsなどサービスによって利用方法は異なるので自由に発想のし易いテーマを出せたと自負しています。

2. 質問

今回は質問を1人3回ずつ行いました。

### 質問

1周目
* Aさん: それは一人で使うものですか? - No
* Bさん: それは男性だけが使うものですか? - No
* Cさん: それを使って歩き回りますか? - No
* Dさん: 食べ物関連? - No
* Eさん: そのアイデアは地図を使いますか? - No
* Fさん: スマートフォンアプリですか? - Yes

2周目
* Aさん: zenly にインスパイアされていますか? - No
* Bさん: それはSNSですか? - Yes
* Cさん: 主に恋人同士で使いますか - No
* Dさん: 主に学生が使いそう? - No
* Eさん: 恋愛に発展することを主軸に置いたサービスですか - No
* Fさん: 地名を記録しますか? - No

3周目
* Aさん: 使うことによって明示的にメリットは生まれますか?(e.g. クーポンがもらえる) - No
* Bさん: 前提知識がなくても使えますか? - Yes
* Cさん: それは災害に関係しますか? - No
* Dさん: 友達できる? - No
* Eさん: このアプリにチャット機能はありますか? - Yes
* Fさん: 2人もしくは複数人で距離を計算しますか? - Yes

今回が初めてということもあり、1周目はみんな質問内容を悩んでいましたが、他の人の質問を見て段々ペースが速くなっていきました。

3. 回答

なかなか面白いアイディアが出揃いました。

### 回答

* Aさん
  * その近くで投稿されたものしか見れないSNS
* Bさん
  * より多くの国の人とメッセージをやりとりするSNS(メッセージ相手との距離が数値化)
* Cさん
  * すれ違ったひとのプロフィールがわかるアプリ
* Dさん
  * 距離が近い順に表示してくれるLINEとかTwitterみたいなアプリ
* Eさん
  * 遠くにいるグループメンバーがいるときだけ、チャットが出来るSNS
    * 近くにいるときは集合スタンプしか押せない
  * 距離によって文字数が変わるアプリ
* F
  * ヨッ友が近づいてくるとアラートが送信される
  * 戦略的けいどろ

個人的なMVPは「距離によって文字数が変わるアプリ」でした。
近くにいるならチャットで長文打つよりも会った方が良いよね?ってプロダクト。めちゃくちゃ良い。

4. 正解発表

因みに、今回は正解者はいませんでした。

### 正解

* 位置情報を元にチャットが遅延するサービス
  * 送信内容の着信は遅延するが送信通知は届く(○○さんが送信中的な)
  * UberEatsみたいに届くまでが見れる(時速○○km計算で今の時間はこの辺り的な)
  * 届くまでのドキドキ感が楽しめる
  * 届く時間がわかるため小まめにスマホを確認する必要がなくなる?
    * オンライン便箋

これは某ハッカソンで面白いと思った作品にインスパイアされたアイディアです。

やってみて感じたこと

一言で言えば楽しかったです。

  • 質問内容で個々のサービスに対して意識する点がわかって面白い

  • 具体的なアイディアが短時間で人数分以上出てコスパが良い

  • 質問自体のハードルが低いので円滑に進む(アイディア出しって止まりやすい)

メンバーからの反応も良く、3か月連続で定例MTGのアイスブレイクとして実施しています。
注意点としては、質問内容によってアイディアが左右されてしまうためアイディアが偏りがちになります。1人1アイディア持ち寄って、質問回数を減らして実施するとアイディアの幅も広がって良いかもしれません。

まとめ

元々はボードゲーム飲み会の帰りに思いついた内容でしたが、実施してみると楽しくて広めてみたいと思いました。
要望など頂ければハンズオンイベントなども開催したいなと思います。


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