現代アート体系できすぎてたMOMA･･･

現代アートというものにはながれがあって、現代アートはながれに乗らないといけないのだ、という話がある。ルネッサンスから現在まで脈々と続くそのながれを知らないとダメッすよ、はなしにならないっすよ。みたいな。
はーーーー、よくわかんないっすわ。と思っていた。
作品をみるのはすきだけど勉強はめんどくせーっすわ。
「資格をひとつとるくらいの勉強はひつよう」ってきびしすぎでは・・・?
”美術の物語（全員読むべきとされている本）”ぶあつすぎん？つーかどうでもよくない？とかもおもっていた。

で、
ニューヨークにいく機会があったので、MOMAに行ってみた。
ニューヨーク現代美術館。現代っていうからどれくらい現代なのかと思ったらいきなりセザンヌ（1839-1906）が飾ってあって、現代の解釈ひろっ！てなった。

そこで見て考えた事を、メモ代わりに書く。
たぶんこれには答えがあって、そしてこれから書く文は、答えあわせ前なので、ぜんぜん見当違いの事をかいていることもあると思うので、あとで答え合わせをするためにも書く。

■ルネサンス
これはMOMAには無いけれど、きっと近くにあるメトロポリタン美術館にあるのだと思う。激うま絵。
モチーフは風景、宗教、人物画、静物など、新鮮さはない。

■印象派
印象派の作品は、あまりおもしろくないモチーフ（静物や裸婦、風景など）だけど、手法は人によって様々でグネグネしていたりしておもしろい。
みんな色んな手法を試している。
その流れでフォービズムになると、南国などの今で言うエキゾチックなモチーフくらいは入ってきて徐々にモチーフもおもしろくなってくる。

■キュビズム
ピカソはいろんな手法を試したり、パクって自分のものにしたりして、1人でどんどん新しい手法をつくってしまう。
それで、それまであった遠近法まで変えた手法＝キュビズムを作ってしまう。異次元絵。
で、パースとかどうでもいいんだ！ってみんな影響されて、みんな変になっちゃう。
絵のうまさをかなり無視した「いい感じ探し派」が出てくるのもわかる。
（でもピカソはここまで無視したら伝わらないとかが、かなりわかっていたように見える。きっと行き過ぎて怪我をした人たちがいっぱいいたと思う）

■モチーフさがし
デュシャンが、そこらへんで売ってる便器にサインして「作品です」って発表した”泉”を発表して「そんなのもアリなんすか！？」ってなって、モチーフ探しがはじまる。
モチーフの新鮮さをどこに設定するのかが、かなり意識的になる。

この流れをもっているのがポップアート（なのかな？）
大量生産物をモチーフにした作品。リキテンシュタイン、ウォホール、ジェフクーンズやバンクシー。
ポップアートを「日本の」という付加価値をつけて持って行ったのが村上隆（なのかな？）

ある人は空想の世界へ（ダリ、マグリット）
ある人はだまし絵（エッシャー）
ある人はモチーフなしのいい感じの世界へ（抽象画）
ある人はまだない新しいモチーフを作り出し
ある人は個人の精神世界を具象化しようとする

自分のこのみを、モチーフで考えると
・身の回りにあるもの
・裸婦、人物、静物、風景
など、それほど逸脱しないものが好きだった。
ポロックやミロなど、好きなものはきっと色々あるけど、好きなものの傾向を考えると、そう感じた

■その後（そのほか？）
アイデア、言葉、体験 を、モチーフや手法にしたり、いろいろひろがっていく。手法の選択肢がとても増える。
いろいろになると、一気にながれがよくわからなくなるんだけど、その有象無象さがおもしろい。
そしてみんなスーパーフラットとかを作って歴史に残したいのだなと思ったし、理解できた。


■感想とか
MOMAは、「え、この作品こんなにでかいの！？」とか「実際こんなかんじなんだ！」「え、めっちゃザツじゃん・・・」とかウロコがボロボロおちていく、生でゆうめいな美術作品をみることの良さにあふれていた。
個人的にすごくすきなポロックがみれたのもよかった。
美術が好きな人、ぜひ行くといいよっておもう。
きっと時間が足りなくなるので常設展示からみるといいとおもう。

なにより現代アートの体系を体験できるということがMOMAのすごいところだとおもった。あれはほんとうにすごい。お金をつかうっていうのはこういうことかとおもう。

そしてピカソはめちゃめちゃうまい。
「アイデアはともかく、その話を面白くするには、ここにこういうフリがないとダメっしょｗ」
くらいの見通しを、いつももっていて、余裕だったんじゃないか。
ちいさい頃、なぜか生でみる機会が多く、なんどもおもしろいなーとおもっていた人だったけど、ひさしぶりにみて「あっめちゃめちゃいいぞ」となった。

またきちんと絵が描きたくなってきちゃったな。