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眼科門前薬剤師がICL手術を受けた話。

こんにちは。メガネ歴20数年以上の私です。
海外移住を前に、ICL (眼内コンタクトレンズ)手術を受けてきました!!!


「レーシックとどう違うの?」

「想像するだけで痛い」

「結局見えるようになったん?」etc

先々で質問攻めにあい、興味・関心の高さを実感しています。
せっかくなので記録に残すことにしました。
視力よわよわ族の参考になれば幸いです!

前提として・・・
・コンタクトは1day/2weekを毎日使用。
・人一倍怖がりで痛がり
・手術という手術は初めて
・海外移住予定なので荷物を減らしたい
・前提として自由に使えるお金が50万円~100万くらいあるとします
・眼科門前薬局で勤務経験あり
・あくまで個人の感想なので参考までにw


結論だけ知りたい方は最初だけ読んでね〜〜〜!!

ICLとは?

ICL(眼内コンタクトレンズ、正式名称:Implantable Contact Lens)は
簡単に言うと、目にレンズを挿入し、視力を矯正する手術です。
一方、レーシックは角膜を削って目の屈折率を矯正し、視力を矯正する手術。
全然別物なんですよ〜!

レーシックが「削る」手術に対し、
ICLはレンズを「足す」手術と考えるとわかりやすいかも。
詳細は以下STAARSURGICALさんから!↓


先に結論!!!

 \(今のところは)やってよかった!/
ストレスなく、快適な裸眼生活を過ごしています。
(術後半年後経過)

◎術後翌日検診
・強度近視+乱視:0.02→1.5!
・流石に両目痛さが残る

◎術後3日後
・痛みも違和感もなく快適!
・若干右目の切開跡が充血→1,2週間で消失

◎術後1週間検診
・両目1.5でキープ!!!

◎術後1ヶ月…
左目1.5
右目1.3!(誤差と信じたい)

◎術後1ヶ月半…
両目1.5(ワーオ!)

◎術後半年後…
左・1.2
右・2.0 (謎w)

数値には若干のブレがあるも、1.2以上はキープ。痛みも違和感もなく過ごしています…!

背景

基本データー

・強度近視/乱視⇒裸眼視力0.02(両目)
・強度近視のためレーシック適応外
・7歳からメガネっこ

眼鏡/コンタクト歴

物心ついた時から目が悪い。
両親からの遺伝と、幼い頃過ごした
ヨーロッパの薄明かり下での読書が原因だと思っている。
7歳当時、通っていたインターナショナルスクールの視力検査に引っかかったことがきっかけで、メガネを作ることになった。
当時の海外の子供のメガネはめちゃめちゃカラフルで、なぜか真ん中にウサギがついてたの今でも覚えてる。端っこにストラップみたいなのがついてて、使わないときは首から下げて使う。
コロナ禍で一時期流行ったマスクストラップみたいなやつ。

記憶を頼りに再現。大袈裟じゃなくてホントにうさぎついてた。こんなん日本にあった?赤いのは首にかける紐ね。

ウサギメガネが羨ましかったのか、私のことが好きだったのか、オランダ人少年Yが寄ってきて、いつもガラスは指紋でベタベタ。

より一層メガネが嫌いになった。

思春期突入と同時に帰国、同時にコンタクトへ移行。
ハードからソフト、2week,1day…
ケア用品も各メーカー幅広く経験。

手入れは煩わしく、毎回角膜に触れるのも抵抗があったが、
メガネをかけた自分の顔が嫌いでコンタクトを使い続けていた。



視力検査数値は、0.01まで測定することが可能とのことだが、成人以降はずっと0.02。
コンタクト、メガネ等の矯正器具がないのは死活問題。

ダブリンのゲストハウスで半年分コンタクト無くした時は流石に死を覚悟した。

荷物も多くなるしお金もかかるし、早く医療進歩して目を良くしてくれ〜って、バックパッカー時代毎日思ってたな。

あとはやっぱり、東日本大震災で被災した経験が大きい。
私は幸運にもたまたまメガネを持っていたけど、周りには同じコンタクトを数日間使い続けていた子とかいた。
今考えてもゾッとする。

ICL決意のきっかけ


月に数回、眼科門前の職場に勤務している。
初めて緑内障や白内障と診断される患者さんが多く来客されるため、必然的に眼科領域に詳しくなる。
(初めて診断名ついた時は、ほぼみんながっかりしょんぼりしてる・・・気持ちはわかるよ・・・)

そんな中、矯正器具がないと何も見えない自分が、もし何らかの眼疾患を発症したら、マジで何も見えなくなるんじゃないか?と突然怖くなる。

人間が受ける情報の8割は「視覚」から。
学生の頃から五感、特に「視覚」に興味があり、盲導犬や視覚障害の方のボランティアを経験していたが、目が何不自由なく見えることって、当たり前のことではなくて本当に幸せなことだと思う。
学生の頃うっかりコンタクト落として、階段から落ちかけたっけ。友人が引っ張ってくれてなかったらと思うと・・・。
このまま視力矯正器具に頼って生涯を終えるのかな…
点眼薬をお渡ししながら、考え込んでしまった。

その頃ドライアイにも悩まされていて、
コンタクトに嫌気がさしていたので、何かいい方法はないかなぁと、何気なくまわりを見渡していた時
(眼科だから偶然ではいないけどw)桐谷美玲ちゃんのIClのリーフレットが目に留まる。

噂には聞いていたけど、レンズ入れるやつね、まだ新しい手法でそんなに症例数出てないだろうし、またレーシックみたいに後から色々言われるんじゃない?
怪しい…と疑いつつも、眼内にレンズを挿入…という意味では白内障手術と似ているかも。
もしかしたら、自分に合っているのでは・・・?と考えはじめる

幸い周りに眼科領域の医療関係者が多く、
勤務後速攻お話を聞いてみることに。

↓目の病気は年齢問わず突然起こり得ます!若い患者さんが自覚症状ないけど検査で指摘されたって緑内障の薬をもらいにくることもありました
年に1度は検診に行きましょうね!!

行ってみる


ひとまず、まずはお話を聞きに行こう!
と、クリニック選び開始。
同期の眼科医友人や看護師、大昔の交際相手の眼科医、思いつく限りの関係者に聞き込み。

自宅からのアクセス、症例数を確認し、クリニックを抽出。数件に絞る。
クリニック選びの大切なポイントは、執刀医の先生を調べ尽くすことだと思う。候補先のクリニックのそれぞれの先生の論文も読み込んだ。
大切な目を預けるのだ。そのくらいせねばいかん。
費用に関しては、50万円〜100万円近くとクリニックにより開きが大きい。
安いからダメ、高ければ良いというものでもないらしい。
その中で、ここなら大丈夫かな?お任せしたいな。という眼科さんを見つけ、速攻カウンセリングの予約を取る。

術前〜当日までの流れ

①10月初旬、適応検査~事前検査
②レンズ在庫なし→発注
③手術日決定
④術前3日前:
💊ベガモックス点眼液(分4)
💊タリビット眼軟膏(就寝前)
⑤12月初旬手術当日
 (来院時間13:50、手術開始時間14時50分、手術終了16時、帰宅が16時半ごろ)
⑥術後の点眼4種類〜


適応検査

自分の目がICLに値するかの試練…適応検査。
目の手術前には沢山の検査を行います。
乱視の程度や眼圧はもちろん、眼球の大きさを測ったり、ICLのレンズが入る場所が狭くないか測定したり。
流れるように色々な検査をしてもらった。赤い気球や赤い屋根のお家みるやつとかね

視力測定時の上とか下とかいうやつ
裸眼だと全然わかんなくて、「・・・わかりません」「・・・わかりません」検査さんも慣れているだろうけど、申し訳なくてずっと謝ってたw

カウンセリング

検査が一通り終わると、ドクターとのカウンセリング・問診・手術意志の確認。
検査結果と自分の目玉の画層を見ながらのお話。
なかなかこんな機会ないから見入ってしまった・・・
適応条件は問題ないけれど、レンズを挿入する
水晶体と虹彩の間の距離がギリギリとのこと。
前房深度 2.8以上推奨、私は2.79)
ICL受けるか受けないかはあなた次第、という困った感じw

ギリギリか・・・どうしようかな・・・・もしうまくいかなくて、眼圧が上がってしまったら・・・等一瞬のうちにいろんな考えがよぎったけど
数値はあくまで推奨ということと、
長期的に見ても自分にはメリットの方が上回っていたので、リスクも納得した上で、手術を進めることに。
結構突っ込んだ質問をしたけど、丁寧に答えてくださり、納得してお任せしようと思えた
(先生ありがとう!)

術前検査

手術意思を確認後、精密検査へ。
クリニックによるみたいだけど、
1日で全ての術前検査を終わらせてくれた!
前述の適応検査よりも、細かく色々な検査が目白押し・・・
特に怖いことはないので大丈夫だけど
散瞳薬・縮瞳薬でおめめがシパシパ👀
結局6時間位病院にいたかな。
今後のスケジュールを確認し、その日は帰宅🥱

・数日後、病院から電話。
国内に在庫がない。海外からの特注となる・・・とのこと。
事前の説明で、そのあたりの話は了承済み。長期の出張を予定していたため、2ヶ月先で予約していたのでちょうどよかった。
オーダーメイドレンズ…期待大!
前金をお支払いし、手術日を待つのみ。
出張(遊び)で忙しく、あっという間に術前1週間前に。

術前3日前から、コンタクトは禁止👓

💊ベガモックス点眼液(分4)
💊タリビット眼軟膏(就寝前)
忘れずに使用し、手術準備!

手術当日

そして迎えた手術当日。
直前まで県外での仕事で忙しく、正直、手術のことを忘れていたくらいだった
前日:「そういえば明日手術だった・・・!っていうか健康な目に異物を突っ込むなんて正気の沙汰ではないのではないか」
思考に陥り、悪夢にうなされ、後悔と絶望感に苛まれる。
キャンセルしようか迷ったが、92歳の祖母に応援され病院へ
病院到着時BP100/60
(通常収縮期90以下)。
血圧って緊張すると本当に上がるんだね

当日の流れ

①看護師さんによる5分おきの点眼
②抗不安薬(ジアゼパム5mg1錠)服用
③目薬6周目くらいで準備室へ呼ばれ、笑気麻酔用のマスクと手術着着用
④手術室へ
⑤目以外に布を被せられ、眼球をテープ?器具で固定
(イメージ“時計じかけのオレンジ“両目を固定・拘束されたアレックス)
⑥執刀医の先生の登場
(なんもみえない。恐怖マックス!笑気麻酔効いてる?
⑦ブシャーと麻酔?をかけられながらの執刀、直接メスが見えることはないけどぼやーっとしたピンクと紫の光がゆらゆらしてる。(笑気麻酔効いてる?!?!?!😭)
⑧ 思ったより痛いしチクチクするし目玉を押される感覚が息苦しかったけど耐えれるレベル
⑨ レンズが入った瞬間はチュルンと視界が揺れる
⑩~記憶なし~
⑪以上を両目分🙄
⑫終わったよ〜お疲れ様でした!とお声がけ頂きfin
⑬~記憶なし~
⑭💊説明
・当日~3日 ︎︎︎︎☑︎クラビット、ベストロン:1hr毎 ︎︎︎︎☑︎リンデロン:分4 ︎︎︎︎☑︎ジクロード:分3
・4日〜1w ︎︎︎︎☑︎クラビ、ベストロン:2hr毎 ︎︎︎︎☑︎リンデロン:分4 ︎︎︎︎☑︎ジクロード:分3
・1w以降 ︎︎︎︎☑︎クラビ、リンデロン:分4 ︎︎︎︎☑︎ジクロード:分3


不安軽減のため、抗不安薬を1錠服用するんだけど
正直ジアゼパム5mgなんかじゃ不安は消えずwww10錠くらいODしたかった・・・
笑気麻酔も本当に効いてる!?って感じるくらいは怖かった(ごめんなさい)
けど、笑気麻酔ないところもあるって聞いてここにしてよかったって心から思った
ちなみに右目はちくってする程度だったんだけど、なぜか左目は結構痛くて
何度か体がびくってすることがあった
感じ方によるのかな?
執刀中は少しでも体を動かしたら大変なことになるかもしれない・・・の気持ちが強くて必死に先生の言うこと守ってたw
上向けとか下向けとか必死だったね
終わった後はぐったりしたけど、謎の達成感で心が満たされた…


手術後

手術直後の感想

・直後は目の奥がズーンと重い。さされた目薬染みる。
・カロナール200×2錠服用。
・1時間経過⇒痛みは落ち着く。
・目の前がぼやぼや…薄目でいる。
・術後BP:85/60
・2時間経過⇒見えてる!
・点眼遵守の気持ちは強いが、ついうっかり…が危険。点眼治療のアドヒアランス問題を身をもって感じる🙄
(Applewatchリマインド利用)
・保護メガネ重い⚡️
・帰宅後は何もすぐ気が起きず、軽く夕食をとってゴロゴロ。オーディブルとポッドキャスト聴いてました。

翌日術後検診

・翌朝起床時:「コンタクトつけて寝たっけ?」(「すごい・・・!見える・・・!」を期待していたけど、若干違和感はあり)
・目のゴロゴロ感なし
・痛みなし
・経過良好
・0.02⇒1.5!

1週間後検診


レンズが所定の位置に収まっているか?炎症は起きていないか、眼圧等確認。
結果2.0近くまで視力出ました!
先生「パーフェクト👌!!世界変わったでしょ🥺」
医療従事者の方の一言って安心するんだねぇ🥺先生ありがとう🥺

1ヶ月後検診

やや角膜細胞の減少あり。検査時のぶれの可能性もあるため、経過観察が必要。心配なのでしばらくは1ヶ月おきに通院します…
その他は指摘事項なし。痛みや違和感もなく両目1.5、視力良好!
ブロナックは引き続き点眼が必要👀

2ヶ月後検診

前回指摘された箇所は誤差とのことで一安心。角膜内皮細胞はは手術前よりは減っているけど誤差範囲とのこと。引き続き定期検診来てねと返されました

6ヶ月後検診

前述した通り
左・1.2
右・2.0 と若干のブレがあるものの両目1.2はキープ
ドライアイを感じることもなく、非常に快適!


⭐️術後制限

まつぱが取れなかったのすごかった!
手術前にまつぱ、眉毛のお手入れは済ませておくのがおすすめ👍
まつぱやマツエク等は術後1ヶ月目安に可能です。

視力は回復したけど、
あくまで近視があった目というのは変わらず、緑内障と白内障のリスクは高いみたいなので
今後もしっかり定期検診していきます!

ICLを終えて〜まとめ〜

・検査日、当日、1週間後、1ヶ月後、半年…と定期検診必須なので、通いやすいところが1番。
・メガネないと死活問題の方にはおすすめしたい。
健康な目をいじるので少し目が悪い…くらいならオススメしない。
・適合しない場合もあるのでその時はドンマイ
・数種類の点眼、本当に大変…メーカー推奨の5分間隔は至難の業

直接的に関係はないのですが・・・
個人的に、目の見えにくい方の
ちいさな困り事をお手伝いする
ボランティア活動をしています🐥⸒⸒
アプリでできるちいさなお手伝いです!

(ここになんて書いてあるの?!
この服何色?とか)
自分も目が見えないときは本当に困ったもん。
興味ある方は覗いてみてくださいね。



人間は視覚から情報を80%得ているらしいです。
目が見えないって本当に大変だし、危険なことばかり。
事故のニュースを見かけるたび、辛くて何ができるか考えてしまう。
そして、少額ながら、毎月盲導犬協会へ募金もさせて頂いてます。
人間のためにはたらいてくれる盲導犬さんにも、ありがとう。
少しでもみんなが住み良い世界になりますように!

最後まで読んでくださってありがとうございました!

【おまけ】点眼忘れないためのコツ?

①アラーム
→これしかない。
私はapple watchで完璧に点眼時間を管理。間隔はメーカー推奨5分以上
点眼に関しては優等生と言えると思うw
②最後は気合い
→自分の点眼アドヒが悪いせいで感染したらどうしようという気持ちが点眼遵守に繋がった

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