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オールドレンズ入門!撮影スタイルはさまざまですよ。

デジタルカメラの普及にともないカメラと一緒に購入される
最新設計のレンズにはオートフォーカスはもちろんのこと、
自動露出・手振れ補正などさまざまな機能が盛り込まれています。

デジタルカメラと機能満載の最新レンズを使えば
誰でも失敗なく、簡単に、きれいな写真を撮影できますね。

そのようなスタイルは写真を楽しむという
本来の目的に叶った時間を提供してくれます。

ですがあえて、最新のレンズではなく
フィルムカメラ時代に発売されていた旧いレンズを使って
まわりのみんなとはちょっと違う一枚を撮影してみませんか?

旧いレンズを使って撮影する方法は
デジタルカメラと旧いレンズを組み合わせて
露出などに手間を掛けずにある程度カメラ任せにする方法。

当時のフィルムカメラを使ってちょっと手間をかけながら
撮影するスタイル自体も楽しむ方法があります。

ここでは、デジタルカメラと旧いレンズを
組み合わせて撮影してみたい方。
あえて旧いフィルムカメラを使って撮影してみたい方。
そんな皆さんのため今でも比較的安価で入手しやすい
レンズを紹介しながらオールドレンズの話を進めてみます。

オールドレンズにはどんなレンズがあるの?

オールドレンズを使ってみたいけれど
どんなレンズをから選んだらよいかわからないよ!?
確かにそうですよね。種類が多すぎますね?!
それでは世の中に出回っている
オールドレンズの中でも比較的流通量が
豊富で入手しやすいレンズを紹介いたします。
流通量が豊富ということは価格的にも
お財布にやさしいということですね。

そのレンズはズバリ!
「Super Takumar 55mm F1.8」というレンズです。
このレンズは1964年に当時の旭光学工業株式会社
(現リコーイメージング株式会社)から発売された、
Pentax SPというカメラとセットで販売されたレンズです。
Pentax SPはそれまで撮影者の経験に左右され、初心者には難関であった
「露出」をだれでも気軽に解決できる測光機能をカメラに組み込みました。このカメラが発売されると露出の悩みを簡単に解決する
カメラとして一世を風靡し、全世界で400万台以上を
売り上げる大ベストセラー商品となりました。

ある程度年配の方であれば
「ボーエンだよボーエン、ワイドだよワイド」という
TVコマーシャルをご記憶でしょう。

ベストセラーを記録したカメラとセットで販売されたレンズですので、
製造本数も多く、前期型と後期型の2種類が存在します。
その大きな違いは使用されているガラスの違いといわれています。
では前期と後期一体どちらのレンズをチョイスすればよいのか?
悩ましい問題です。

筆者の個人的な意見ですが、後期型をお勧めします。
その理由は後期型に使用されているガラスに
光の屈折率を向上させ、レンズから入った光の損傷率を減少させる
「トリウムガラス」が使われているためです。

トリウムガラスを使用したレンズは
別名、「アトムレンズ」、「放射能レンズ」などといわれ
トリウムガラスを使用していない個体よりも
独特の「甘く雰囲気のある」描写をするといわれ
レンズグルメの間では特に注目されています。
アトムレンズは黄色く変色していますので
その特徴は一目で見分けられます。

「アトム?!」「放射能?!」「体への影響は?」
ご安心ください、
放出される放射能量は15cmも離れれば
自然界から放出される値と変わらないと言いますし
製造されてから半世紀以上の時を経ているので
放射線量もかなり減っています。

オールドレンズで撮影するには?

では実際にSuper Takumar 55mm F1.8を
使っての撮影について考えてみましょう。

このレンズを用いて写真を撮る方法は最初にも述べましたが、
1,デジタルカメラと旧いレンズを組み合わせての撮影。
2,旧いレンズが発売された当時のフィルムカメラを使っての撮影。
上記二つの方法で比べてみます。

まず、デジタルカメラとの組み合わせです。
ここで使用するデジタルカメラは
「小型で携帯性に優れるレンズ交換が可能なミラーレスカメラ」
をお勧めします。
レンズ交換が可能なミラーレスカメラと旧いレンズを組み合わせるには
レンズのマウントとカメラのお互いに違うマウントを
仲介する「マウントアダプター」というパーツを使用します。
デジタルカメラとオールドレンズの組み合わせての使用方法は
別の機会に詳しく述べますのでご安心ください。

次に旧いレンズが発売された当時のフィルムカメラを使っての撮影です。
ここで使うカメラはこのレンズとセットで販売された
PENTAX SPがベストです。

先にも述べましたがこのカメラには露出計が組み込まれています。
ですのでフィルムカメラ初心者の方でも撮影時の露出に
悩む要素は少なくなります。

ただしPENTAXSPは古いカメラですので
露出計が機能しなかったり感度が落ちている個体もあります。
露出計が機能しないカメラは修理して使うという方法もあります。
PENTAX SPは機構もシンプルですので腕の良い職人さんの手で
修理をほどこせば一生モノとして
あなたの生涯のパートナーにもなりえます。
一方の露出計の感度が落ちている個体はカメラのフィルム感度設定で
露出差を調節をすれば解決します。

カメラ本体も小型・軽量で携行性に優れていますので
女性の方でも無理なく使用することが可能ですよ。

PENTAX SPに Super Takumar 55mm F1.8レンズを取り付ける
マウント規格はM42マウントです。
マウントとはカメラとレンズを組ませる仕組みで
簡単に言えばネジのようなものです。
マウントはカメラメーカーごとの規格があります。
この規格によってNikonのレンズはCanonのカメラでは使えません。

一方PENTAX SPのマウント規格は別名「ユニバーサルマウント」といわれ
PENTAX SP以外にも国外・国内問わず多くのカメラ・レンズに
採用されています。
世界共通の規格なので日本製はもちろんですが
PENTAX SPを一台所有していれば外国製のさまざまなレンズを取り付けて
オールドレンズの描写を楽しむことが可能です。

PENTAX SPはベストセラーを記録したカメラですので
中古価格もこなれていて
@10,000-前後であれば程度の良い個体が入手が可能です。

オールドレンズの癖をたのしもう!?

現代のレンズとは違うオールドレンズには、
独特の描写を楽しめる一方そのレンズ特有の癖もあります。

この癖を否定的に考えず作画への特徴として楽しめるかで
オールドレンズライフも一味違った世界がひろがりますよ。

Super Takumar 55mm F1.8の
代表的な癖としては「ゴーストとフレア」です。

ゴーストとフレアが起きる原因は
レンズやカメラの中に強烈な光源が入るためです。

強烈な光源がレンズやカメラの中で乱反射をおこし
「ゴースト」と呼ばれる光の帯が発生したり
「フレア」と呼ばれるコントラストが減少した結果
なんとなくぼやーっとした感じの描写になります。

最新の技術で設計された現代のレンズは乱反射を押さえるために
ガラス表面に「コーティング」を施し解決しています。
この技術はガラスの表面に薬剤を塗布します。
メガネの表面が緑色に見えるのは反射防止のために
コーティングが施されているからです。

ゴーストとフレアを作画に取り入れるためには
「逆光」気味で撮影をします。

レンズ特有の癖をマイナスに考えないで積極的に使いこなすのもオールドレンズに楽しみ方の一つです。









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