不倫報道における「最悪だ」という感情の正体

今日昼頃に報じられた某大御所声優の不倫。驚かれた方も多いのではなかろうか。少なくとも私はものすごく驚き、落胆し、心の中で「最悪だ・・・・・・・っ！！」と叫び頭を抱えた。

今日はこの「最悪だ」という感情の正体について考えてみたいと思う。
(あくまで私自身の思う「最悪」についてですので、あしからず。)

そもそも、大前提として私は「不倫」が大嫌いである。守るべき家庭がありながら不貞を働くのは契約違反ではないか。その責任感のなさとか、自覚のなさが心底腹立たしい。

もし自分が結婚して、相手が不倫をしたら、軽蔑なんてもんじゃ済まないだろう。怒りが先に来るのか、悲しみが先に来るのか分からないけど、私はきっと怒りだろうな……その後にじわじわ悲しくなって、だんだん自分の悪かったところとかが気になりだして、それでも不倫はダメだろっ！と怒り、なんてループしていったりして……。一周回って呆れかえっているかもしれない。まぁ実際になってみないと分からないところもあるのだが（一生分からずにいたい）。

一方で、他人の不倫についてはどうでも良いというのも本心である。自分の知らないところで誰が誰と不倫をしようが、私の人生に影響はないからだ。

これが暴力沙汰とかだったら、そんな奴とは別れた方が良い！とか、警察に行け！とか言うけど、こと不倫に関しては基本的に当人達の間でなんとかすべき問題であって、外野はとやかく言うものではない、というのが私のスタンスである。外野がどれだけ許すまじ！と叫ぼうと、当人達が和解したのならそれが全てなのだ。

芸能人の不倫となればなおさらそうだ。週刊誌で報じられた内容でしか分からないことを事実として受け取って、自分が一方的に知っている人のことを怒ったところで何になるのだろう。

では何故、今回の報道で私は「最悪だ」と感じたのだろう。

まずワードが強烈すぎた。暴行、そのうえ妊娠中絶させたって、いくらなんでも酷すぎる。誰がどう見ても悪いということが明白なので、この点について考えるのは割愛。

上記を除いて、直感的に「嫌だ」と感じたのはファンに手を出したという部分だろうか。たぶん私は芸能人を偶像崇拝的に見ていて、手の届かない存在であってほしいと思っているところがある。(偶像崇拝はちょっと違うか…？)自分が長らく在宅オタクだったのはこの考え方によるところが大きい。だから私は、不倫であろうとなかろうと、芸能人にはファンと付き合ってほしくない。……というのは完全に私のエゴなのだが。

同時に、ファンたちにも、不用意に近づかないでほしいと思ってしまう。「会いに行ける」を売りにするアイドルや、SNSでの交流で人気を博すタレントもたくさんいるので、一概に芸能人とファンの接触がダメとは言わないが、それでも「交流」と「交際」では話が全然違ってくる。不倫となればなおさらだ。

今回の件も、そもそもは声優側がファンに個人的に連絡をとったところからスタートしているので、この行為自体とても褒められたものではないのだが、メッセージを受け取ったファンもファンで、なぜそこから親密になることを選択してしまったのか…！と思わずにはいられない。

そりゃあ推しから個人的に連絡が来たら舞い上がってしまうことだろう。しかし、ちょっと立ち止まって考えてみてほしい。私なら、自分の推しにはそういうことをしてほしくない。右も左も分からない若者ならまだしも（それでもダメだけど）、今回については相手もアラサーだろう。節度というものを考えてほしかった……。

記事を見て、瞬間的に「うわっ」と思ったのはその部分で、次に考えたことが「この声優さん評判が落ちてしまうな……」ということだった。長年のキャリアを積んで、今なお人気作に出続けているのは本当にすごいこと。それなのに、軽率な行動一つ（今回の場合は一つとは言えないかもしれない……）で、先が見えなくなった。なんてもったいない。この方の仕事自体は素晴らしいものなのに。なんでこうなってしまうのかなぁ。不倫報道って本当に、誰も幸せにならないな。

もう一つ、今回の件の本質とは少し離れてしまうのだが、どうしても許せないことがある。

それは、此度の報道に幾度となく「安室透」が使われていること。本人を紹介するのに、近年の代表的な役なので名前が出てきてしまうのは致し方ない。しかし、だ。「安室透の声で囁かれ…」とか「安室透の裏の顔」とか！これ一体何なの？？

安室透の声っていうかそれはもうその人の声だし、安室透を表の顔とするなら裏の顔はバーボンなり降谷零なんじゃないのか？！安室に罪はないだろうが！！と、一介の安室の女は思ったりするわけだ。ここはもう理屈ではない。感情である。あ～本当に嫌～～！

直情的に「最悪だ！」と思ってしまったような気もしたけれど、こうして書いてみてもあらためて、やっぱり「最悪だな…」と思ってしまった。

とはいえ、今回の文春の記事も本人が告白した内容が載っているようだし、ほぼ同時に謝罪文も出ていたし、一応の誠意は見えた。これが唯一良かった点と言えそう。

今後どうなっていくのかが気になるところだ（まったくワクワクしないけど）。