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三十の反撃

三十の反撃

ソンウォンピョン

1988年ソウルオリンピックの年に生まれ、三十歳になった非正規職員のキム・ジへ。
88年生まれに一番多い名前「ジヘ」と名付けられた彼女はその名の通り、平凡を絵に描いたような大人になっていく。
大企業の正社員を目指すジヘの前に現れたのは、同じ年の同僚ギュオク。
彼の提案する社会への小さな反撃を始めることになったジヘは、自信を見つめなおし、本当にしたかったことを考えるように。
そして、ついに「本当の自分」としての一歩を踏み出すことになるーー。

ーーmemoーーーーーーーーーー

僕たちがこの時間まで残って不満をぐずぐず言っているということがどういうことかわかりますか?僕たちが世の中ときちんと向き合ってこなかったということです。


好き好んでそんなことを言うひとになったわけではなく、彼女を心底そう考えるようにさせた社会のあり方が問題なのかもしれない。


間違っていることを間違っていると言うだけでも、少しは世の中が変わるのではないか。

確かなのは、なにかが少しでも変わらなかったとしたら、それは誰も行動しなかったということです


仕事って人と人がするものだよ。人を知らなきゃならない。人を知って世の中を見ることができなきゃだめなんだ。でも自己啓発書にはそんなことはかいていないし、自分をすごい奴に見せたいと思ってあれこれ探すと、結局、人間に関する学問だという人文学に行きつくってことじゃないの。


言いたいことをたくさん抱え込んだまま何も言えず、ただそんな自分に矢を射ることです。こうなってから、もうずいぶん経ちます。自分自身も変えられないくせに、世の中にああだこうだ言うなんてホント笑っちゃいますね。


「あなたが座っている椅子があなたに何かしらの権威を与えるかもしれませんが、忘れないでください。椅子は椅子でしかありません」


ーー感想ーーーーーーーーーーー

最近は小説ばかり手に取ってる。アーモンドの著者さんでもあり、タイトルに惹かれて手に取ったけど、なんだか今の自分にほんとに当てはまるような考えさせられるストーリーだった。うーん。まさにこの歳になってなんとなく世の中を見れるようになって、日常を過ごし、世の中になんの貢献もしてないような気になり、自分が何者なのか、なんのために生きているのか、自分は何ができるのか。この問いに顔を背け、今をなんとなく生きていって。今の現状に不満を漏らしながら、自分自身を変えられないのに世の中にああだこうだ文句言って。そんな日常を変えたいと思う若者の気持ちも分からなくもない。(分かると断言できるほどではないから、分からなくもない。)でも、もっと怖いのはその悩みにすら気付けない人。まさに。

すこし前、職場に入ってきた新卒の男の子が入職してすぐ辞めていった。自分探しの旅に出ると言っていたそう。私はそれを聞いて、長い人生を考えた時、若い時に自己理解することは良いことだと思ったから「良いことですね」と言うと、他の人が「自分探しの旅に出るとかうける。ここの職場の人変わっている人多い」と言った。なにがうけるんだろう?と内心思ったが何も言わなかった。三十の反撃では、「間違っていることを間違っていると言うだけでも、少しは世の中が変わる」という言葉があった。もし私があの時になんでうけるんですか?と聞いていたら彼女の意識は変わったかな。でも、私は変わらないと思う相手には言わないな。相手に私が説得するのも時間と体力を使うし、相手と私の距離感、その場をおさめるために何も言わないのも自己保身だろうな。なぜ彼女は自分探しをうける。変わってると言ったんだろうか?真意は分からないけど、私は他の人の未来を応援できる人でありたいと思う。辞めていった彼はきっとうけると言った彼女より大きな人になると思うよ!きっと彼女はその悩みにずっと蓋をして生きて気付けていないんだと思う。むしろ、何も考えないからそんなことも考えたことないのか?思慮深さの関係もあるかも。そんな風に思いながらも今私は気付けてるだけきっと前に進んでる。そう思って、少しづつ前に進みたい🐶

この本にでてくる「椅子は椅子でしかありません」というワード。人は、勝手な自分の空想に縛られている。きっとそれは防衛本能で、今までの記憶から学んだ、この椅子の人は偉い人。上の人には逆らってはいけないという概念から、仮に叱られたとしてもこの椅子の人からは叱られるかもしれないという前線を張っておけば、いざそうなった時に少しは自分を守れることができるから。でも、その意識が過剰になるとずっとその人はいないのにその椅子に怯えることになる。それはそれはものすごいエネルギーをそこに注力していると思う🥹


現状を変えるには、何事も行動すること。行動する勇気を持つこと。

自分が納得してした行動なら必ず学ぶべきものがあること。

そして、自分の心に素直になること。

人を大切にすること。結局人は、人との関わりの中で生きていくのだから。


著者が『アーモンド』が人間という存在そのものへの問いかけだとすれば、『三十の反撃』は、どんな大人になるかという問いへの答えである。と言っていた。私ソンウォンピョンさんのあとがきが好きで、アーモンドの時もとてもあとがきが印象的だった。私の印象に残るような言葉をいつもくれる。どんな大人になりたいのか。もう一度、私も自分にその質問をしよう🌿


そんなことを言いながら、最近自分の強みは探しても見つからない。自分の強みは、普段の生活で自然とできていること。今まで生きてきた中で一万時間以上かけたもの。目の前をこなしていくうちに現れるよと言うのをみた。🤔一万時間以上かけたもの。お花はまだかな、本読むもここ数年で急に時間をとるようになったからまだな気がする。それなら、スポーツかもしれない。あと旅行。こうやって少しづつ見えていくものなんだろうな✨✨自分探しの旅には出ないだろうけど、反撃もしないけど、日々自分と向き合いたいと思います🌸


#読書記録 #萌本棚

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