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”平均”は信じない

『統計の9割はウソ』
という本を最近読みました。
これを読んでいると、世の中に存在する統計や数字などは、
根拠がなくて100%鵜呑みにしてはダメなんだなって思いました。

例えば、「育児休業はとりやすくなっているのか?」という問いです。
折れ線グラフで記載されており、
平成8年は49%
平成11年は56%
平成14年は64%
平成16年は70%
平成17年は72%
平成19年は89%
平成20年は90%
平成21年は85%
平成22年は83%
となっています。
一見すると、平成8年から徐々に増え続けており、
平成20年には9割の女性が育児休暇を取得できています。
しかし、これはホントにそうなのでしょうか?
内閣府が出している「子供子育て白書」を見てみると、
「女性の育児休業取得率は9割近くに達するなど一定の成果が現れてきている一方、
女性の就業状況を見ると第一子出産を期に以前として6割以上の女性が離職しており、
仕事を続けたかったが仕事と育児の両立が難しくやめた人も少なくない」
との事でした。
つまり、6割以上の離職してしまった女性を除いた、
育児休業の取得率となっている形です。
確かに、取りやすくなってきている世の中かもしれませんが、
実際は半数以上の女性が育児休業を取る以前の問題に直面しているという事が考えられます。

男性のスキンケアの割合について出された統計もありました。
自分をよく見せるために、どのような事をする?といった質問に、
166点の男性がスキンケアをすると回答し、その結果は2位になっていました。
非常に曖昧な説明になっていますが、
そもそもこの166点という数字、何を根拠にしている数字かはわかりません。
206人にアンケートを取った結果なのですが、
最高点は、214点(アンケートに答えた人数より多い!)
本当は500点が上限だったらこの数字は大した事ないし…などと考えられます。
しかもこの調査を行ったのは、男性用化粧品会社の方。
必然的にそういった方向に興味がある男性が答えると予想されますので、
結果は変わってきますよね。
甲子園球場で阪神ファンの割合を集計したからって、
それが全世界の阪神ファンの割合とイコールにはならないという事です。

あとは、質問の内容も質問者の意図によって調整する事も可能となっています。
・インボイス制度に賛成ですか?反対ですか?という質問と、
・小規模事業者の税負担が増えるインボイス制度に賛成ですか?と、
・小規模事業者の税金が免除されていたのですが、免除が受けられなくなる制度に賛成ですか?
この3択は同じ人に問いても賛成反対が変わってくるかと思います。
(実際にインボイスには詳しくないので、あえて印象が変わるようにと例題としてかいてます…)
原発の再稼働の話も、
原子力発電所付近に住んでいる方とそうでない方、
全てを均等に出さないと本当の全国統計というものは出せないと思います。
東京の真ん中で街頭インタビューをしている時点で、何かしらのバイアスがかかっている事になります。

という形で、人々を騙そうとする統計、
色々なパターンで紹介されていたので、非常に興味深かったです。


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