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2020年高橋周平に期待したいこと

こんにちは!赤味噌です。
開幕の日程も決定し、実践形式の練習も再開するなど、いよいよ待ちに待った野球シーズンがやってきました。
この2ヵ月間何もやることもなく、ひたすら野球に飢え続けていたので、こうして開幕を迎えられることを例年以上に特別に感じます。

さて今回は2020年の中日ドラゴンズの鍵を握る選手の一人でもある高橋周平内野手についてのnoteです。
高橋周平といえば3球団競合でプロ入りし、「竜の未来」として将来を渇望され続けていたスラッガー。
しかしプロ入り後はなかなか思うような成績を残せず、「トレードに出せ!」という声が上がってしまうこともありました。

それでも一昨年7年目でプロ初の規定打席に到達すると、8年目の昨季はチームのキャプテンに就任し、月間MVPに球宴出場、更にはベストナインとゴールデングラブ賞をW獲得するなど飛躍の一年となりました。
とは言っても昨年の.293 7本 59打点という数字は入団時の期待値から見るとまだまだ物足りなく感じてしまいます。

そんな高橋周平に求めたいこと、それを達成するために必要なことを昨年と今年のデータを比較したり、本人の発言から考えたりしていきます。


1.昨シーズンまでの高橋周平

まずは高橋周平の直近5年間の成績を振り返り、課題などを探っていきます。

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昨シーズンブレイクを果たした高橋周平ですが、その要因の一つとして挙げられるのがご覧のように三振率、空振り率の大幅な改善です。
2016年に283打席で84個だった三振数を、昨季は471打席で70三振まで減らし、「コンタクトヒッター」としての道を開拓することに成功。
昨シーズンはオールスターでも猛打賞を達成するなど、持ち味を存分に発揮しました。

反面、長打力を表すISO(長打率-打率)の数値は数年前と比べるとやや上昇しているものの、リーグ平均の.140を下回っており、昨シーズンは7本塁打という少し物足りない数字に終わってしまいました。
それに伴い、本塁打数と高い相関の見られる四球数も伸び悩み、ここ5年の四球率は直近2年が最低の数値となっています。

とは言え勿論四球数増も大切ですが、このスタイルで成績の大幅な向上に成功しているので、無理に四球を狙いに行く必要はないでしょう。
これは高橋周平だけでなく他の中日の選手にも言えることですが、本塁打数が増えれば相手投手もボール球を多く投げてくるので、必然的に四球数も増加します。
なので無理に四球を狙いに行くのではなく、本人の試みるコンタクト型から長打型へのシフトの結果、自然に四球数も増加というのが理想ではないでしょうか。
本拠地ナゴヤドームにホームランテラスが設置されれば、このような動きも進みやすいと思うので期待したいところです。

高橋周平のもう一つの課題を挙げるならば、やはり対左投手への対応が挙げられるでしょう。
5年連続で対右投手OPS>対左投手OPSとなっており、特に昨シーズンは右.895/左.502とその差は一目瞭然。
常に上位打線を打ち、スタメンで出続ける為にはこの課題をクリアする必要があります。
強力助っ人アルモンテも復帰し、昨年の対左OPS1.128を誇る福田をサードで起用するというのも考えられるので、少しでも成績を上げて競争に勝ちたいところです。


2.今季のOP戦で見せた変化

高橋周平は今年1月「常に20本塁打を打てる選手になりたい」と語り、それからホームランの意識を強く持っているとのこと。
今年の2,3月に行われたオープン戦で長打数やフライアウトの数に変化は見られたのか、また対左投手への対応など課題は改善されているのかについてチェックしていきます。

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パッと見の成績では昨季より打率、出塁率、OPSが悪化していますが、細かな成績を見てみると昨シーズンまでとは明確な違いが表れていることがわかります。
まずは三振数。年々減らしてはいましたが41打席で三振1つ、三振率にすると2.4%という信じられないような数値を叩き出しました。
この数値を出すことができた要因にボール球スイング率の大幅改善が挙げられます。
過去5年間は平均より悪く、全ての年で30%を超えていたのがなんと10%以上良くなって20.9%に。
選球眼に定評のある巨人丸佳浩の昨年の数値が21.0%ということを考えると凄さが伝わるでしょう。

そして次に目が行くのは対左右別のOPSです。
去年までの数値が嘘のように左投手を相手にひたすら打ちまくりました。
対右の数値が悪いのは少し心配ですが、打者としての最大の課題の一つでもある左投手に対してこれだけの成績を残せたのはプラスに捉えてもいいのではないでしょうか。
打席数が少ないので完全に苦手な左を克服したとは言い切れませんが、この成績がフロックではないことを信じたいです。

さて、やはり気になるのは本人が目標に掲げている長打の面です。
オープン戦の本塁打数1という数字だけを見ると、長打力がアップしているとは言い切れませんが、長打への意識が明確に表れているデータがあります。
ISO(長打率-打率)とGO/AO(ゴロアウト/フライアウト比率)の値が昨季と比べて上昇。
少ない試合数で微増程度では誤差の範囲内という可能性も否定できませんが、練習試合やシート打撃も含めた実戦での高橋周平の本塁打数はチームトップタイ。
更にGO/AOも3月の試合だけで区切って見てみると0.54まで変化しており、確実にフライを打つ意識がついていることがわかります。
オープン戦では四球数こそ減っていますが、この意識が成績に結びついて来れば本塁打数に伴って自然に増えて来ると考えているので、何とかこのモデルチェンジを成功させて欲しいです。


3.高橋周平の適性打順は?

では、そんな高橋周平には何番を打たせるのがベストなのかを考えていきます。
まず今季の高橋周平の打順で注目したいのはやはり2番です。
与田監督は昨シーズン5,6番を打つことが多かった高橋周平をオープン戦では2番で積極起用。
ファンの間でも「2番周平」については様々な議論が繰り広げられていました。

この「2番周平」の是非、私の考えとしてはこのままのスタイルで打撃をするのであれば基本的には賛成、長打寄りにシフトするなら一先ずは反対です。
既に多くの方がこの2番周平について触れていますが、私の考えるメリットとデメリットは以下の通り。

メリット
・2番はランナーを進める為右方向への打球が求めれる打順
→軽く合わせたような逆方向への当たりではなく、引っ張り性の強い打球を意識づけられる

・1番に座る可能性の高い大島が塁に出ると盗塁を警戒した直球勝負が増える
→直球打率.343の周平の持ち味が発揮される

・後ろに長打のある福田が座れば、ストライク勝負が増える
→コンタクト率の高い周平の特性が活きる

・中日の打順別OPSを見ると5年連続で2番の数値が.650を下回っている
→周平ならこれを大きく上回る数値が期待できる
デメリット
・制約が多く難しい打順なので、コンタクトヒッターが長打を求めるという大きなモデルチェンジをする過程で打撃を崩してしまう可能性がある

・一定の走力が欲しい打順なので足の速くない高橋周平にとっては不向きかもしれない

・左投手に弱い(オープン戦での対左への対応がシーズンでも持続できれば問題はない)

2番に置くメリットも幾つもありますが、やはり今年の高橋周平には本塁打増を期待したいので、いきなり難しい2番というのは酷かもしれません。
中日には平田良介という何でもできる器用な選手がいるので一先ずは彼に任せたほうがベターでしょう。
またビシエドの後ろの5番も2番と同じぐらい難しいので、モデルチェンジを図りたいのであればあまり楽に打てる打順ではありません。
ここはクラッチ力が高く器用な打撃のできる阿部や、ビシエドの後ろでどっしり構えられると怖いアルモンテに任せてみたいです。

1番大島、4番ビシエドと仮定すると残りは3番と6番。
この二つの打順なら3番として活躍している姿を見てみたいですが、個人的には自由に本塁打を狙わせるという意味でもまずは3番より楽な6番でのんびり打たせてみたいです。
そこで結果が出てこれば3番に打順を上げるのも面白いかなと思います。


4.高橋周平に期待したい成績

最後にここまでのまとめと、今季の高橋周平への期待について書いていきます。
ここまで書いたことをざっくりとまとめると
「コンタクト力が更に研ぎ澄まされ、対左の成績も上がってて好成績が期待できそう。ここから本人が掲げる長打寄りの打撃へシフトできたら面白い」という感じです。
そんな高橋周平に今季求めたい具体的な成績は以下の通り↓

120試合 打率.280 本塁打20 打点80 出塁率.340 OPS.840

昨年の日本人左打者の合計本塁打数15という数値はあまりにも寂しいので、課題の左打者の本塁打数増加の為にもやはりキーになってくるのは高橋周平。
今季は試合数が減り達成難易度は上がりますが、2010年以来出ていないチームの日本人打者の20本塁打を何とか成し遂げて欲しいです。
欲を言えば打率も3割に乗せて、かつての森野将彦のような成績も期待したいですが、まずは打率を少し下げてもいいので本塁打を求めたいところです。
この成績を残して3番に座ってくれれば優勝への可能性もグッと上がりますし、逆に言えば周平の覚醒無くして中日の優勝は無いでしょう。

同じサードを守る大型新人石川昂弥も加入した今シーズン、高橋周平の超一流打者への進化の準備は整いました。
9年前高橋周平を中日へと導き、今年天国に旅立たれた高木守道さんにも彼の活躍、そして中日の日本一を見せてあげたいですね。


データ参考
スポーツナビhttps://baseball.yahoo.co.jp/npb/player/1100069/top

データで楽しむプロ野球
https://baseballdata.jp/playerB/1100069.html

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