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SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 3 レビュー

以前、SENNHEISER MOMENTUM 3 Wireless ヘッドホンのレビューを書かせていただきました。

わたくし、オーディオマニアというほどではありませんが、イヤホン、ヘッドホンを聴き比べするのは好きでして、家電店に立ち寄った際にイヤホン、ヘッドホンコーナーで様々な製品の試聴をするのがささやかな楽しみだったりします。

その中でもノイキャンイヤホンは気になる製品の筆頭であり、SONY、SENNHEISER、AirPods Proのいずれかはそのうち買わねばな・・・と思ってました。

とは言え、前回レビューの MOMENTUM 3 Wireless とあわせて、ついでに買ったSONY WH-1000XM3、WI-1000X で再生環境には満足していたので、しばらくは(サイフもそれほど潤ってはいないので)新しく買わずに試聴を楽しむ日々でした。



2年後…


時は流れ2022年春・・・またしてもゼンハイザーのコンシューマー製品を販売する Sonova Consumer Hearing Japan からから魅力的なレビューのお誘いがやってきました!もちろん、二つ返事で即受け。簡単なメールのやりとりの後、製品到着。

今回は、インイヤータイプのノイズキャンセリングイヤホン、SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 3 (以下、必要に応じてMTW3と略)をレビューさせていただきます。今回も Sonova Consumer Hearing Japan の提供でお送りします!

外観

MOMENTUM True Wireless 3 BOX
ケース
ケース 開
ケース 開

まずは開封の儀(に見せかけた2週間仕様済み製品の写真)。小さなケースにイヤホンが収まっています。本体デザインは Designed in Germany らしく実質剛健。マットブラックで主張は控えめながら、アルミ、ポリカーボネートによる素材感がGood。ケースは布張り、手触りサラサラで高級感ありますね。携帯性はよさそうです。

付属品

付属品としてUSBケーブル、イヤーピース(XS/S/M(Default)/L)、耳介とのフィット感を調整するゴム製のリング「イヤーフィン」(S/M(Default)/L)が入っています。イヤーフィンはMサイズをそのまま使用、イヤーピースは普段使い慣れている社外製のイヤーピースを使います。これは個人の耳穴の形や音の好みにもよると思いますが、後述の他製品との聴き比べをするためにも統一することにしました。


MOMENTUM True Wireless 3 試聴!

とりあえずは何も考えずにiPhoneとペアリングし、試聴。今回はiPhone / iPadで、Apple Musicでの試聴に特化しようかと思います。PCでもBluetooth接続で問題なく使えますが、スマホなら、Smart Control App によってイコライザ、バスブースト、ノイズキャンセリング機能を細かく制御できる恩恵があります。

やはりSENNHEISER…高音質とは何かをわかってらっしゃる…

非常に音のバランスが良く、イコライザをいじらなくても、全域に渡って定位、解像度が素晴らしい。少し中高域(いわゆる刺さる感じのサ行音域)に調整が入っていて、リスニング用に聞きやすくなっているかな、という印象。低音の量感も充分。はちゃめちゃに音が良い(語彙)。

アプリのイコライザーは3バンドしかありませんが、フラットでも心地よい響きなのであとはお好みで、という感じでしょうか。「バスブースト」もしっかり効かせられます。バスブーストについては、作業中はブーストONにしつつイコライザのバス(左のバー)を下げて音圧によるストレスを抑え、外出時は歩行ノイズ(体内音)などで低音が沈みがちになるのでバス上げ気味で運用しています。ちなみに、ミュージックアプリ(iPhone本体側)のイコライザはフラット設定です。

Smart Control App のイコライザ

ノイズキャンセリング

ノイズキャンセリング性能については、一言「素晴らしい」です。オーバーヘッドタイプと比べ、装着しているだけでもある程度耳栓として外音をカットすることも多少影響していると思います。

換気扇や空気清浄機などの雑音をしっかりカットしてくれます。キーボードの打鍵音も、メンブレン、MX赤軸などの静音タイプならほぼシャットアウト。Rタップによる再生/一時停止もしくはLタップの「トランスペアレントモード (Pause Music)」連動で音楽の再生もON/OFFしてくれるので、外出時、お買い物時にもつけっぱなしで使えます。

「アダプティブノイズキャンセレーション」(以下ANC)のレベルはオフ / 風切り音の防止 / オンの3段階。
「風切音の防止」では、強風時や自転車に載っている時のボボボっと鳴る風切り音を完全にシャットアウトします。「オン」の方がしっかりとノイズキャンセリングしてくれますが、個人的には、普段使いでも「風切り音の防止」がちょうど良いです。

ANCにおける音質の変化については、よく聴き比べないとわかりませんが……僅かながら中高域の明瞭度(キラキラ感、ささやき感?)に差が感じられます。ただし、この程度の音質の変化であれば個人的にANC ONでも気になりません。ただしイヤホンとしての基本性能が非常に高水準なので、ロスレスなどの高音質音源で音楽に没入したいシーンではむしろ、OFFにする選択肢もあるでしょう。

トランスペアレントモードとANC

Lをタップすることで有効になる「トランスペアレントモード」はノイキャン時の外音取り込み機能なのですが、トランスペアレントモードをOFFから一時的にONにして再びOFFにした場合、ANCをOFFににしていても強制的にANC ONでの再生状態となってしまい、アプリの機能改善が必要かも、と感じました。常にノイキャンで運用するなら問題無いと思いますが、ちょっとわかりづらいかな…

装着感

パーフェクトフィット
前モデルよりもイヤホン本体がコンパクトになり、さらに人間工学デザインで装着感が向上。加えて3サイズから選べるイヤーフィンと4サイズから選べるイヤーアダプターで外れにくい安定した装着感を実現。日常使いから運動まで、あらゆるシーンでフィット。

sennheiser.com

かなり自然に耳にフィットします。イヤーフィン交換によるフィット感調整もできるので、様々な耳の形にフィットすると思います。ただし、耳の形は個人差が大きいので、近くに視聴できるお店があるなら、実際にフィッティングを試してみることをおすすめします。

重量感は小型の有線イヤホンと大差無く、ワイヤーのわずらわしさが無いぶん、装着感は軽いです。脱落したことはないのですが、高価な製品ということもあって長距離の移動ではまだちょっと怖いですね…

バッテリーライフ

バッテリーライフはイヤホン単体で最大7時間、充電ケース併用で最大28時間。長時間のリスニングでも充電切れの心配は不要。通勤・通学、オンライン会議にジムでのワークアウト、出張・旅行のお供にも安心なバッテリーの持続力。さらに10分の充電で約1時間の再生ができるクイックチャージで、時間がない日でも慌てず安心。充電ケースもQiワイヤレス充電をサポート。

sennheiser.com

イヤホン単体の連続使用で7時間、ケース併用(ケースへのUSB充電無しでケースからイヤホンへの充電を挟む)で28時間。7時間以上の連続作業をすることもありますが、昼食や休憩時の脱着時ケースに納めるようにしているので、2週間ほどの運用中、バッテリー切れになったことは無いです。ケースからイヤホンへのフル充電は1時間ほどで完了するようなので、休憩時に20~30分ほどケースに入れるだけでも問題無く運用できると思います。

非接触充電(Qiワイヤレス)にも対応。

通話機能

届ける音も高いクオリティ
合計6基のマイクを搭載。2基(左右合わせて4基)のビームフォーミングマイクにより自身の声を集音し、さらにノズル内に設置したイヤーチャンネルマイクで集音精度を高め、周囲の騒音が大きくても自身の声に焦点を当て、正確でクリアな音声を実現。電話、オンライン会議などのあらゆる用途に、あらゆるシーンで、伝えたい声を伝えたい人に。

ボイスコントロール
高い集音性能で、ボイスアシスタントも通話も全て思いのまま。

sennheiser.com

左右合計6つのマイクで集音するそうです。おそらく、内音と外音の位相差を計算してノイズ除去をしているのだと思いますが、詳しいことはわかりません。実はこれまでイヤホンマイク通話ってあんまりやったことなかったんですが、慣れるとめちゃくちゃ便利ですね。慣れないうちはどうしてもスマホを耳にあてがったりしてましたが…当然ハンズフリーです。Rタップで通話開始・終了できます。

・・・

ここからは、ちょっと趣味的で小難しい話になります。

MTW3でハイレゾ再生は可能?

2021年から、Apple Music が "ロスレス" "ハイレゾロスレス" "Dolby Atmos" 形式の配信を開始しました。これはポータブルの音楽再生においてはブレイクスルーとも言える出来事です。これによって、特定の環境でしかハイレゾが聞けなかった…という制約から解き放たれ、スマホでも手軽にハイレゾを楽しめる時代がやってきました。

MTW3は SBC, AAC, aptX, aptX Adaptive に対応しており、 Androidの aptX Adaptive (96kHz / 24bit) 対応端末であればハイレゾ再生が可能です。Window10は Bluetoothアダプタさえあれば aptX には標準対応しているのでロスレス音質では問題なく利用可能すが、ハイレゾ音質の aptX Adaptiveについては少々問題が複雑なようで、ここでの解説は遠慮させていただきます・・・再生専用にAndroid端末買うべきかな・・・

一方、Bluetooth + iOS の転送においては様々な制約があり、ロスレスの恩恵を受けることはできても、ハイレゾ再生はできません。残念ながら、今回レビューしているMTW3も例外では無く、いまだその制限下にあります。前もって言っておくと、MTW3 + iOS では、基本的にハイレゾ再生はできません。Apple Musicでハイレゾロスレスでダウンロードした音源も、ワイヤレス転送時にダウンコンバートされます。

これは端的に言うと、Bluetooth / iOS においてはワイヤレス転送時にAACという圧縮コーデックが用いられ、最大48kHz / 16bitのサンプリングレート / 量子化ビット数に制限されるからです。この2つの数値は、音声を圧縮する際の、波形の読み取り解像度に影響します。(kHzが横軸[時間方向]、bitが縦軸[振幅])。これらの数値が低いほど、モザイクのかかったような波形を読み取ることになり、高周波のディテールが失われます。

人間の可聴域は20kHzが上限と言われていますが、20kHzのなめらかな波形の音を読み取るためには、2倍以上のサンプリングレートが必要とされます。より高音域の精度を上げるためには、より高いサンプリングレート、ビットレートが求められます。(例えば20kHzのサンプリングレートでは、20kHzぴったりの波型が読み取れても、18kHzなどの20kHzに近い波形が読み取れず、いびつな波形となる)。ハイハット、シンバルなどの繊細な高音域の再現に影響があります。

その他、Bluetooth関連のコーデックについては以下の記事が詳しいです。ハイレゾの定義についても述べられています。 (少し古いため、AptX Adaptive 96kHz/24bit モードには触れられていません)

ハイレゾの定義はCD(44.1kHz/16bit)を超える信号処理機能を有する音源や機器となっています

https://ku-brotherblog.com/

上記記事によると、iPhoneのBluetooth + AAC転送においては 48kHz / 16bit / 256kbps が上限となるらしいです。これは"CD音質"と言われ、ハイレゾ以前のデジタル音源配信のスタンダードでした。


ハイレゾ体験

※MTW3, WF-1000XMのワイヤレスハイレゾ試聴環境が無いので、有線ヘッドホン、イヤホンでの実施となります。

比較無しで手放しで称賛レビューという形で終わらせたくはなかったのと、最近のハイレゾ文明を探るべく、いくつか追加でイヤホン、DAC (Digital-Analog Converter) を購入しました。(iPhone, iPad内蔵のDACは48kHz/24bitが上限なので、ハイレゾ再生には外付けDACが必須)

せっかくタダで製品を提供していただいているのに、製品以上の出費が…とは思いますが、コラテラル・ダメージです。半分ヤケクソです。Dolby ATMOS 再生に対応していると言われるAirPod Proも気になるところですが・・・同価格帯では事実上MTW3最大のライバルと(勝手に)目している、前から欲しかった SONY WF-1000XM4 を購入しました。あとは有線ハイレゾ試聴用に SENNHEISER IE 300 を。音で聴き比べるなら IE 600 とか IE 400 Proも欲しい…と思いましたが、さすがにめちゃくちゃ高いので… MTW3以外は全て自腹(NOT経費)です。

ハイレゾ再生用にDAC (Digital-Analog Converter) Shangling UA-2を購入。

そして我が家の頼もしい兵(つわもの)たちも参戦。

SENNHEISER Momentum 3 Wireless
SENNHEISER HD 25 ALMINIUM

まずはハイレゾを体験すべく、iPad / Apple Music + DACで 有線イヤホン、ヘッドホンを試聴。(iPhoneはライトニングが旧タイプだったのでDACのUSB3に直接接続できず。要OTG対応変換アダプタ)

ミュージックアプリの設定でロスレスオーディオをON
Wi-Fiストリーミングをハイレゾロスレスに。
 再生中にこの設定を変えることで聴き比べが可能。

現在、Apple Musicで聞くことができるハイレゾロスレス対応曲は限られていて、「ハイレゾロスレスガチャ」状態です。手持ちの楽曲では、EGOIST、IRyS(ホロライブ)、ClariS 、YOASOBIの比較的新しいリリースでいくつかハイレゾロスレス配信されている楽曲を確認できました。以前に楽曲データをダウンロード済の場合は、一度ストレージをクリアしておきます。(全てストリーミングで再生)

ハイレゾロスレス(24bit/96kHz)再生時は
UA2のインジケーターがグリーン
ロスレス(24bit/48kHz)再生時は
UA2のインジケーターがブルー

ちなみに、ハイレゾロスレス再生時はミュージックアプリのイコライザが無効になりました。これは、ミュージックアプリのイコライザが48kHzでサンプリングしているためだと思われます。

  1. SENNHEISER Momentum 3 Wireless (有線接続)
    2019年のレビュー以降、使いまくっていたうちのレギュラーです。ワイヤレスモデルながら、有線接続可能。もともとド安定の音質、解像度に、さらに繊細な高音域の解像度が加わり、ランクアップ。とは言っても、サラウンド感などが得られるわけではないので、純粋に磨きがかかった、という感じ。
     

  2. SENNHEISER HD 25 ALUMINIUM
    こちらも長く愛用している名機。見た目によらずパンチのある低音を聞かせてくれます。ハイレゾ音源で高音域の明瞭度が若干UP。2015年のモデルながら、ハイレゾも十分に聞けます。(そもそもアナログ音響機器はハイレゾ対応かどうかはドライバーユニットの周波数特性によるもので、コーデックとは関係ない)
     

  3. SENNHEISER IE 300
    あ・・・やっべ。ぜんぜん違う。
    高音質~ロスレス聴き比べではあんまりわからなかったんですが、ハイレゾロスレスに切り替えた瞬間、ここまで差が出るか・・・というぐらい、ハイハットなどの超高域の明瞭度が、がらりと変わります。他にも、トライアングル、ベルなどの金属打楽器系の響きが非常にクリア。ハイレゾの時代来たわ・・・
    半ばヤケクソ買いでしたが、これは予想外の大きな収穫と言えます。かなりハイレゾを意識してチューニングされている製品だと思います。ただし、作業用のレギュラーにはしないと思います。一旦ワイヤレスに慣れると、有線が煩わしくてですね・・・
     

  4. JVC FXT200LTD
    これは先程のリストには入れていませんでしたが、2016年ぐらいに買った14,000円ほどのイヤホンです。
    これは・・・ハイレゾ化による違いが全くわかりませんね・・・。
    ハイレゾの無いスマホ時代の製品なのでハイレゾ音域にまでチューニングが及んでいないんだと思いますが、ハイレゾはドライバユニットの性能、めちゃくちゃ出ますね・・・。

IE 300 の実力には驚かされましたが、正直なところ、ほとんどの製品においてハイレゾロスレスと従来音源で、期待していたほど劇的な差はありませんでした。もう40代なので、高周波が聞き取りにくくなる老化の影響もあると思いますが…かなり耳を澄まさないと、ほとんどの音源は同じに聞こえます。もっと耳が若いうちに、いい音に触れておきたかったですね…

ちなみにわたくし、上記動画の15,000Hz以上、いわゆる「モスキート音」はすでに聞こえません。


本命聴き比べ

さて・・・リストアップした以上はやらないといけませんね。
SENNHEISER Momentum True Wireless 3 vs SONY WF-1000XM4

SENNHEISER Momentum True Wireless 3 / SONY WF-1000XM4

こちらはiPhoneでの普段使いを念頭に、小細工無しで普通に聴き比べです。いずれも前述の通り、 Bluetooth + AAC転送ではハイレゾロスレスは非対応なので、最大48kHz / 16bit となります。

aptX AdaptiveやLDACの評価をするには・・・対応するBluetoothトランスミッターなどの商品を物色してはいるんですが、予算が尽きました(正直)

当然、Bluetooth+AACではこの設定も影響せず。高音質~ハイレゾロスレスで変化無し。
一応、プレイヤー上ではロスレス、ハイレゾロスレスの表示は出る。
しかしBluetooth転送時にAACでダウンコンバートされる。

結論:甲乙付けがたし。両手に花。

いや、日和ったわけじゃないですよ?しっかり聴き比べました。家電店でも散々聴き比べて迷った経緯があるので・・・
音質についてはどちらも、ワイヤレスイヤホンでの最高レベルを叩き出していると思います。IE 300 のハイレゾで感じた超高音域の明瞭さには届きませんが、48kHz / 16bit 音源、ワイヤレス・ノイズキャンセリングイヤホンでこれ以上の音質を望むのって難しいんじゃないですかね・・・同価格帯の有線イヤホンとも勝負できていると思いますし、どちらも費用対効果めちゃくちゃ高いと思います。ハイレゾを知った上でなお、ノンハイレゾでも充分に価値ある音です。

とりあえず、それぞれの特色を挙げていこうかと思います。

  1. SENNHEISER Momentum True Wireless 3
    (これは先にレビューした内容と被りますが)
    音質、バランスともにこれまで所有していたイヤホン中最高レベル。高音域のクリアさ、定位感についてはMTW3の方が優れている印象です。接続も良く、バッテリーも十分。ノイキャン性能良し。タッチのレスポンスも良好。装着感の軽さではこちらに軍配あります。長時間の連続試聴に向いているので、既にTrueじゃないほうのMOMENTUM3君に代わって、作業用のレギュラー化しています。あとは、ハイレゾを聞くためにaptX Adaptive (96kHz/24bit) に対応したトランスミッターを手に入れたいところです。
    個人的にはこちらが本命です。対戦ありがとうございました。
     

  2. SONY WF-1000XM4
    さすがはSONYのフラッグシップ、隙の無い作りです。音のバランスも良く、定位、解像度も十分。ノイキャンによる遮音性能は抜群ながら、ノイキャンON / OFF時の音質の差が大きく、音のクリアさ、定位感がノイキャンON時に逆に上がっている印象。音質が上がるぶんには良い傾向だとは思うのですが・・・少し釈然としない部分です。"DSEEアップスケーリング"というイヤホン内蔵のサウンドエンハンサーについては、ON/OFFで有意な差は感じられませんでした。アプリの多機能さではこちらが若干上手(うわて)かもしれません。連続再生時間は8時間と、MTW3よりも若干長めですが、実用上は誤差の範囲でしょう。LDACでの真の実力評価をしたいところですが・・・(予算がない)こちらは現在、違いを楽しむためにも外出時に携行。ただし、こちらは風切り音には弱いです。

MTW3 + aptX Adaptiveでロスレス再生

前述の通り、MTW3 + iOS では、Bluetoothトランスミッターなどの外付け機器が無いと基本的にハイレゾ再生はできません。ハイレゾ再生を可能にするトランスミッターを探していたところ・・・iOS(iPhone, iPad) で aptX Adaptive 転送を実現するデバイスがありました。

これは元々、PlayStationとMTW3, M3Wの接続を目的に購入したのですが、(説明書にiOSへの対応が書かれていないにも関わらず)iPadに繋いだところ、すんなりサウンド出力成功、aptX Adaptive インジケーター点灯。

Creative BT-W4

しかし残念なことに、このデバイスにおいては aptX Adaptive サンプリングレートが 48kHz / 24bit に固定されているため、ハイレゾ音質には届かず。惜しい・・・ 確かに音の明瞭度はAACよりも僅かに上がり、ハイレゾ未満、ロスレス相当の音質で聞くことは現時点で可能です。

aptX HD, LDAC対応などのトランスミッターは沢山見つかるのですが、aptX Adaptive 96kHz/24bit 再生を実現するには、Qualcommの比較的新しい高性能チップが必要なようです。(6/7追記:ali express でそれっぽいのを見つけて取寄中。未検証)

終わりに

製品レビューとしては寄り道が多すぎて長くなりすぎましたが、最新のノイキャンイヤホン、ハイレゾ文明のリサーチをする良い機会となりました。

SENNHEISER Momentum True Wireless 3、文句なしのおすすめ製品です!

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