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なりたい自分とか意識高いことを考える前に自分の土台を固めなさいって話

「なりたい自分」というテーマを見た瞬間、私は盛大に眉を顰めた。
 理由は簡単で、私には「なりたい自分」なんてキラキラした将来像を微塵も持っていないからである。
 高校生の頃、大学生の頃、あるいは新卒の頃であればなにか話せることもあったのかもしれないが、決して短くない時間社会に揉まれ、お家騒動に揉まれ、メンタルを叩き壊した自分にはもはや言葉を捻り出すことすら難しい存在になりつつある。
 じゃあなんでこんな記事を書いているのかっていうと、簡単に言えば自己啓発のためだ。
 そうだよ、まだ(一応)20代なのだし、まだまだそういうキラキラしたテーマで朗々と喋り尽くせるくらいの余力を持てよ。5年後、10年後はまさに社会の主体が自分たちの世代に回ってくる頃だぞ。
 
 じゃあまずはその余力を5年後、10年後まで持ち続けるための生き方から考えていこうぜ、と思った。
 それこそが「まず自分の土台を固める」ってことで、私がここ数年七転八倒しながら探し求めているものだ。
 正しいかもわからないし、これを読んでいるあなたにとってベストな方法かもわからない。むしろこういうのは自分用にカスタムして心がけるのが大事なんだと思っているので、参考程度に考えつつ気楽に読んでほしい。


自分の説明書を作ろう。

 私は精神の浮き沈みが激しい性格だ。社会人になってそれが病的になってはしまったものの、元の性格的にもそんなところが多々見受けられた。沈む時は本当に深海の底まで沈むし、浮いてる時は成層圏を突破するのだ。
 正直言って、私はそんな自分に辟易していた。
 宇宙からマリアナ海溝の底まで落っこちるという隕石もビックリの挙動を見せる自分の精神についていくのは本当に疲れる。頭の中にちょっとだけ残っているいつも冷静な自分の胃はいつもキリキリ痛んでいた。
 そんな冷静くんを救うために考えたのが、自分のテンションがどんな状態でもうまいこと地上〜富士山の頂上あたりにとどめるための仕組み作りだ。それくらいなら冷静くんもなんとかついていける。
 そしてその仕組みをまとめたものが「自分の説明書」だ。こういうのがあるとふとした時に変に自分を傷つけなくて済んだりする。
 以下、私の説明書抜粋。

 沈んでる時
 ・好きな食べ物リストからなにか好きなものを食べる。できれば2〜3口程度で食べ切れるものがよい。
 ・好きなVtuberのラジオを聴く。緩やかなテンションのものがよく、本配信より切り抜きが好ましい。
 ・大声で歌う。可能であればカラオケに行こう。

 浮いている時
 ・とりあえず頭の中で考えてることを文字に出力する。語彙がなくてもなに言ってるかわからなくても大丈夫。手を動かせ。
 ・酒以外の飲み物をコップ1杯飲む。砂糖が入っていない飲み物が好ましい。
 ・創作やNoteのネタをメモしまくる。ネタの精査は大丈夫な時の自分がやるので好き勝手書くこと。

 こんな感じの説明書が10,000字ほどあり、年齢が進むごとに項目が増えたり減ったりしている。この行為は心に余裕を産むなぁ、と感じたことは積極的にメモしよう。


生活を整えよう。


 私は基本毎日3食食べ、休み前にハメを外していない限りは24時就寝を心掛けている。そのため……かはわからないが、細々した体調不良になることはかなり少ない。
 メンタルを壊した時は基本だった生活からゴリゴリに逸脱していて、食べれない寝れない動けない状態だった。しかし休職をして2ヶ月かけてその辺を整えたらかなりマシになった。
 メンタルが癒えたから生活リズムが戻ってきたのか、生活リズムが戻ってきたからメンタルが癒えたのかはわからない。これはいわば卵と鶏問題であり、今後はっきりした回答が見つかることはないだろう。
 それでも生活リズムを整えることに意味はある。いつものルーティンから逸脱していたりルーティンがこなせなくなったらヤバい、という指標がひとつできるのだ。ヤバくなったらちゃんと心療内科に行こうな。
 あるいは信頼のおける人に話を聞いてもらおう。場合によっては心療内科より早く話が解決することもある。私もよく10年来の友人に泣きついている。
 ただ、選べよ、相手は。
 本当に信頼を置ける相手かは考えるんだぞ。
 急所を曝け出す行為だからな。


インプットを心がけよう

 なにかに行き詰まった時、1番の味方になるのは己の知識と発想だ。それらが豊かであることに損はない。
 だから、本を読む。ニュースを見る。調べ物をする。知っている言葉をひとつでも増やす。
 よほど元気な時でないとできないことだけれど、さまざまな世界を知っておくことで「なりたい自分」への道筋がほんの少し明確になるかもしれない。
 過去、お世話になった大学教授の言葉でずっと心に残っているものがある。

「我々は虹が7色だと認識している。しかし世界には虹は2色だと認識している地域もあった。この差はなんだろう?」
「簡単な話だ。2色の地域には色を表現する言葉が『明るい』と『暗い』しかなかったのだ」
「語彙が増えれば、2色しかなかった虹が7色になる。語彙は世界を広げる。言葉を知ることは、世界を広げる最も簡単な方法だ」


 こうやって土台を固めていった先で見えるものが「なりたい自分」なのではないかと、今は思う。
 5年後10年後へと、少しずつ歩いていきたい。

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