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侍~SAMURAI~

※この記事は2005年に書いたものを加筆修正したものです。
 古いと感じる部分についてはその当時のノリとしてご了承ください。

「侍~SAMURAI~ 」
プラットフォーム:PlayStation2
開発元:アクワイア
発売元:スパイク
発売日:2002年02月07日
標準小売価格:税込7140円
ジャンル:アクションアドベンチャー
備考:CD-ROM1枚

「侍~完全版~PlayStation 2 the Best」
発売日:2003年1月16日
標準小売価格:税込3150円
備考:DVD-ROM1枚
:追加要素有り

第一印象

このゲームの第一印象はかなり悪いものでした。
発売される前の情報を見た時の印象は
「面白そうなゲームだな~。」
という感じだったので発売後購入した知人にプレイさせてもらいました。
いざゲームスタート!
突然道の真中に立っている主人公。
「どうすればいいのかな・・?」
とりあえず橋が見えるので渡ってみます。
すると橋の向こうから若い娘さんが走って来ます。
その後ろからは怖そうなお兄さん達が追いかけて来ます。
そして娘を抱え上げてそのまま連れて行こうとするではありませんか!
娘「助けてください!」
そこで選択肢が。
もちろん見過ごす訳にはいきません。
私「嫌がっているぞ。」
兄さん「なんだてめえは!?」
私「無法はよせ。」
と、いきなり抜刀した4人の男に取り囲まれました。
どうやらやる気のようです。
これでも格闘ゲームは得意な方なので
「まあチュートリアルみたいなもんだろう。」
と高をくくっていたら、
ずばしゃぁあああ!
「へぇ~。ゲームオーバーの演出かっこいいんだ・・
って死んでんじゃん!!」

称号「チンピラ」
そしてコンティニューなし。
確かに説明書も読まずに始めた私も悪いですけど・・。
「なんだこれ・・・。」
これが私の「侍」に対する第一印象でした。

再開

それ以降は「侍」に触れることなく二年以上が経過しました。
ある時「PlayStation 2 the Best 侍道2~決闘版~」発売の記事を見かけ、
「あの「侍」の続編のベスト版がでるのか。
 そういえば「2」はどんな感じになってるのかな?」
と思いメーカーのサイトへ行って情報を見ると、
一作目と比べて随分変わっている様子です。
(「侍道2」に関しては改めて別に紹介します)
さらに情報を知るためにレビューサイトを参考にすることにしました。
するとなかなか評判が良く、好きな人はかなりハマっている様子です。
中には「一作目のほうが良かった。」という意見もあったので、
私も一作目から遊んでみることにしました。
ゲームショップの中古コーナーで探して見つけたのが
「侍~完全版~PlayStation 2 the Best」でした。
ただの廉価版ではなく海外版をベースに細かい修正が加えられ、
さらに追加要素として「使用できる刀の追加」
「イベントの追加」「キャラクターモデルの追加」などなど、
その名の通り「完全版」となっている様です。
その他、最初に発売された普通の「侍」には、
結構深刻な不具合(バグ)もあった様なのですが
それも修正されています。
しかも私が見つけた中古価格は・・
580円(税込み)
買わないわけがありません。
即購入です。
「これなら面白くなくてもいいや・・。」
その時はそう思っていました。

再挑戦!そして・・・

今回はオフィシャルページを見て、説明書も熟読して挑みました。
するとどうでしょう!
「なんだこれ!おもしろいやないの!!」
初プレイ時の敗因は「侍」独特の戦闘システムにあったのです。
システムを理解し、ゲームの進め方がわかってくると
俄然面白くなってきました。
個性的で魅力的なキャラクター達
時代劇などでお馴染みの演出や台詞回しがドラマを盛り上げてくれます。
私はシチュエーションに燃える方なのですが、
「侍」はそんな私の欲求に充分答えてくれました。

刀は侍の命なり!

戦闘は多人数に取り囲まれる場面が多いのですが
一斉に攻撃される様な事は無く1人を倒すと次の相手がかかって来るので、
基本的に一対一で戦える様になっています。
これにより時代劇の殺陣の様な立ち回りが楽しめます。
「侍」は主人公の能力が成長しません。
主人公の能力は持っている「刀」に依存します。

使える技も攻撃力も防御力も体力もすべて「刀」に左右されます。
技は闘うことで条件を満たせば閃き覚えて行きます。
また相手の攻撃を絶妙のタイミングで防御すると、
確立でその攻撃を見切ることがあります。
「見切り」が発生すると以後その技は一切食らわなくなり
達人気分が味わえます。
攻撃力、防御力は「鍛冶屋」で鍛える事で強くする事が出来ます。
「刀」は敵を倒すと手に入れることができ、40種類以上あります。
ただし「刀」を集める為にはその刀を所持したまま
ゲームをクリアする必要があります。
ゲームオーバーになると持っていた「刀」は失われてしまうので
注意しましょう。

「侍」の生き様ここにあり!

このゲームの難易度は高い方だと思います。
そこで私なりに「侍」の難易度を上げている原因を考えてみると、
・システムが独特である
・最初に持っている「刀」が弱い
・単純に敵が強い

など幾つかありますが、
一番厳しいと思われるのがセーブシステムではないでしょうか。
「今日は遅いから続きは明日にしよう。」などの中断用にしか使えません。
つまり、
「珍しい刀を手に入れたから、とりあえずセーブしとこうかな・・」
とセーブしたとします。
「うわ~!やられた~!でもセーブしてるから大丈夫!やり直すぞ!」
と思ってもセーブデータをロードする画面が見つかりません。
それもそのはずでセーブデータはゲームオーバーになると
消えてしまうのです。
「ゲームオーバーになったからセーブしたところからやり直し」
が出来ないのです。
このゲームを初めてプレイした人は戸惑う事でしょう。
これは技術不足や難易度を上げる為ではなく、
「侍」の思想や価値観、生き様、そして死に様を体験して欲しい!
という開発者側の意図的な仕様だと思われます。
「人生にやり直しはきかない!」ということでしょう。
この仕様も「侍」の世界にハマれば納得できると思います。
(ただしエンディングまでプレイすれば
システムデータはセーブされますのでご安心を!)

おまけ

この特殊なセーブシステムが成り立つのは
「クリア時間の短さ」の成せる技だと思います。
普通にプレイしても約3時間
イベントなどを跳ばせば約2時間弱でエンディングが見られます。
1プレイは短く、何度も遊べる仕様になっています。
なので「侍」は繰り返し遊べる要素が盛りだくさんです。
「刀の収集」「全ての称号を手に入れる」
「全てのイベント、エンディングを見る」
「自分ルールを設定してシチュエーションにこだわってみる」
など。
そしてクリア後のおまけ要素も充実しています。
ゲームオーバー、またはゲームをクリアして終了すると
あなたの行いにより「侍偏差値」が判定され
「称号」と「GP(侍経験値)」が与えられます。
「称号」は全部で10あり、特殊な条件を満たすと与えられる
隠し称号が3つあります。
「GP」は加算されていき一定数値以上貯まると
「対戦モード」や「主人公の新モデル、新衣装」など
様々な追加要素が現れます。

最後の侍

「侍」の世界を簡単に説明しますと、
時代は明治初期。この日本に侍がいた最後の時代。
「六骨峠(ろっこつとうげ)」という架空の地が舞台です。
この峠には3つの勢力が存在します。
古くから六骨峠一帯を取り仕切ってきた武家「黒生家(くろふけ)」
明治政府打倒を掲げて集まった不平士族集団「赤玉党(あかだまとう)」
今やすっかりさびれてしまい、
2者の闘争で荒れ果てる宿場町で営業を続ける「めし屋甘栗」
そしてそこへ偶然やって来た一人の「侍」
この「侍」があなたです。
あなたの過ごす2日間で物語が進行しエンディングが変化します。
「侍」は長大な1つの物語を楽しむのではなく、
短小だけど様々な物語を体験出来る様に創られています。
歴史には残る出来事ではなく、決して表に出ない
「かつてこんな侍がいたそうだ・・」
と庶民に語り継がれる様な話になっています。
「弱きを助け強きを挫く」か、「思想に共感し共に戦う」か、
「血を求めて辻斬りとなる」か、
己の欲望のままに生きるも良し、義にしたがって生きるもよし。
思うように振舞えばよいのです!
なぜなら主人公はあなたなのですから!
あなたがどんな「最後の侍」として語られるかはあなた次第なのです。

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