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【後編】デザインを信じる企業におけるデザイナーの役割とは?〜ReDesigner Meetup 2020〜


この記事は、学生クリエイター向けに開催された「ReDesigner Meetup 2020」のレポート後編です。

LINEさん、クックパッドさん、DMMさんが登場する前編はこちらをご覧ください!

前編に引き続き、デザインの力を信じる4社のお話を元に、それぞれの企業で働くデザイナーの役割や働き方をお伝えします。

日鉄ソリューションズ|社会インフラから世の中をデザインする専門組織

日鉄ソリューションズ株式会社(以下 日鉄ソリューションズ)でUXデザイナーを務める惠島 之維さんからは、SIer大手だからできるデザインの役割と、デザイナーが働く環境についてお話しいただきました。

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デザインの力で使いにくいシステムを淘汰したい

惠島さん:
私は日鉄ソリューションズでUXデザイナーとしてチームデザインからビジネスデザイン、空間デザインまで幅広いデザインに関わっています。学生時代は法学部出身で、デザインやエンジニアリングなどの領域は身近ではありませんでした。

デザインを始めた理由は、「世の中にはどうして使いづらいシステムが多いんだろう?」と考えたことです。ToC向けサービスはしっかりデザインされているものが多いにも関わらず、使いづらいシステムによって業務に支障がでたり、ユーザーに精神的な負荷がかかることを問題だと考えるようになり、本当に役立つものを作りたいという気持ちから、日鉄ソリューションズに入社しています。

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日鉄ソリューションズは「システムインテグレーター」といわれる、企業向けシステムを受託開発する会社です。従業員数は連結で約6500人と規模はかなり大きく、製造業や小売業などあらゆる業種の企業とお仕事をしています。大企業だからこそ対大企業の業務デザインができる、日本を支える企業を裏側から支えられる、と考えています。

規模が大きい企業と聞くと、やはり「組織のお堅さ」「働き方の古さ」をイメージされるかもしれませんが、行動を起こせばやりたいことが実現できる環境です。働き方も、リモートワーク制度が充実していて、シェアオフィスや在宅勤務制度も整えられています。さらに会社で使用するデバイスが制限される企業が多い中、当社では各々が最適なものを選ぶことができます。

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デザインの力で価値あるシステムをつくる専門組織

2017年に設立したデザイン組織 BXDC(Beyond Experience Design Center)も、デザインの力で使いにくいシステムを淘汰したいという想いから生まれたエンタープライズシステム開発においてデザインをする専門組織です。

「システムにかかわる、すべての人を幸せにする」ビジョン、「デザインで『価値』のあるシステムをつくる」ミッションを掲げ、幅広く活動しています。

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まだ8人の小さい組織ではありますが、価値のあるシステムをつくるために様々な人材で構成されています。

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仕事のタイプはtoB/toCサービスの新規開発と、エンタープライズシステムの改善がありますが、後者が多いことがBXDCの特徴です。実際の事例としてこのような取り組みを担当しました。

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デザイナーが大切にしていること

BXDCはUXの5階層モデルの表層から戦略まですべてのデザインを担当します。プロダクトライフサイクルでいうと、初期のチームビルディングから最終的なグロースまで幅広くデザインしています。

参考記事:UXデザインにおける5段階モデルとは

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大切にしていることは3つです。

・いいチームをつくること
・圧倒的なユーザー目線を持つこと
・既存の環境にとらわれないこと

私たちは、これまでのシステムインテグレーションのあり方に囚われず、既存の概念を壊して変化を起こしていこうとしています。
チームとユーザーのことをとことん大切にする環境があるので、社会インフラから世の中をデザインしたい人はぜひ一緒にデザイン組織をつくっていきましょう!

レバレジーズ|急成長する会社を支えるデザイナー組織

レバレジーズ株式会社(以下 レバレジーズ)の執行役員を務める藤本直也さんからは約1000名の組織の成長を支える20名のデザイン組織と、デザインに注力する理由についてお話しいただきました。

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藤本さん:
レバレジーズは創業15年の会社で、5,6年後には日本を支えるメガベンチャーを目指しています。社内には日本・海外から熱量のある人々が集まっていて、社員数は990人、平均年齢26歳の比較的若い組織となっています。

直近、5年間で自社のプロダクトが5つの状態から、30以上のプロダクトを持つ会社へと急成長しています。中でもIT、医療/介護、若年層の領域に注力して海外展開も行なっています。

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強化中の社内デザイナー組織

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そんなレバレジーズには20名のデザイナーが在籍する「デザイン戦略室」があります。

まだ創業期のような若い組織ではありますが、その分、初めから責任者として大きな仕事を任せられる可能性が高い環境でもあります。

レバレジーズは完全インハウス型の組織なので、UIの改善からテレビCMのディレクション、電車広告、紙媒体など幅広いデザインを必要としており、デザイナーが携われる領域は幅広いです。

デザイン戦略室は3つのチームから構成されていて、既存事業の成長を支える「グロースデザインチーム」、ビジュアル施策やブランディングの「コミュニケーションデザインチーム」、新規事業の設計から検証を行う「スタートアップデザインチーム」に分かれており、同じデザイン戦略室の中でもチームによってデザイナーの働き方は様々です。

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事業への関わり方も様々で、グロースデザインチームのデザイナーはUI改善などの施策を事業部に所属して取り組んでいます。一方でコミュニケーションデザインチームのデザイナーはビジュアルデザインを中心に担当するため、事業に縛られずに会社の中を横断的に動いてます。

まだまだこれから強くしていく組織ですので、デザインを極めることはもちろん、組織づくりなど、若いうちに様々な経験を積みたい方にはおもしろいと思います。

なぜ今、デザインに注力するのか

レバレジーズがデザインに注力する理由は、近年「心の琴線に触れる重要性が上がってきている」と強く感じているからです。それは、業界1位のサービスでもわかりやすい機能的な差別化が難しくなってきていることも多いため、ユーザーが利用後どれほど満足したかといった感情的な差別化が、継続的な利用やサービスの成長をより決定していくということ。その感情的な差別化に欠かせないのが、デザインです。

サービスが拡大するにつれて、プロダクトを通して数千万人のユーザーと接触する今、変わらず私たちの価値を届けるために、改めてデザインを重要視しはじめました。

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急成長の中で厳しい環境ではありますが、私たちはお客様に幸せを届けられているか、世の中に貢献しているか、従業員満足度が伸び続けているか、自分たちにに問いかけながら経営している会社です。お客様のためにサービスのクオリティーを上げるためには、今デザイン組織を整えていくことが重要であり、今後はデザインを経営の中核とし、問題の根幹に一緒にアプローチしていきたいと考えています。

フェンリル|「1ピクセルまでこだわる」デザイナーの仕事

つづいて、フェンリル株式会社(以下 フェンリル)のデザイナーを務める柴田 翼さんから、アプリ開発、UX/UIデザインをデザイナーのキャリアの特徴と大切にしていることなどについてお話しいただきました。

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伸ばしたい分野を武器へ鍛えられる環境

柴田さん:
フェンリルのデザイナーは、コンサルタントと共に調査と分析を行なってコンセプトを考えます。場合によってはコンセプトデザインを作り、システムをモックで作ってユーザー検証を行うところまで担当することもあります。検証後は方向性を修正したり、ユーザー体験を元にエンジニアとデザインのすり合わせも行います。事業を拡大していくための提案、リリース後の調査と改善など、デザイナーとしてアプリ作成における全ての段階に関わることができる環境です。

大企業の事業戦略に関わってくることもありますが、どんな案件でも小規模なチームで担当が広い分、あらゆる分野に触れることができ、伸ばしたい分野を見つけて武器として鍛えることができます。

アプリひとつを例に考えても、多くの人と関わりながら考え方をすり合わせ、最終的にはUX/UIデザイナーとしてアプリをデザインします。アプリを作ることがゴールではなく、アプリを通した全体の体験を把握した上でユーザーにどれだけ感動してもらえるか考え、作りきること。これをフェンリルでは「1ピクセルまでこだわる」と呼んでおり、戦略を1ピクセルまで落とし込める人が活躍しています。

ユーザーの感動のためにサービス全体を俯瞰して考える。つまりミクロとマクロ両方をみてデザインすることが重要なのです。

そのため、画面のこだわりだけではなく、サービスの効果が出るのか、コンセプトに基づいているのか、行ったり来たりしながら作り上げています。フェンリルはアプリの制作会社であり、サービスの提供会社でもあります。サービス全体も捉えながら1ピクセルにこだわる、この意識を常に大事にしてデザインしています。

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Goodpatch|クライアントを前進させるために領域を超えるデザイナーの仕事

最後に、Goodpatchからはクライアントのビジネスを支援するために領域を超えるデザイナーの仕事に関して、二人のデザイナーからお話しさせていただきました。

大山:
Goodpatchは「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」をビジョンに、デザインで創造した価値を社会に返して、世の中を前進させることを目指している会社です。

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これを成し遂げるために、ミッションに「デザインの力を証明する」を掲げ、デザインというアプローチで価値創造や世の中の課題を解決してきました。東京、ベルリン、ミュンヘン全体で社員数は190名の会社です。

Goodpatchには、デザインパートナー事業とインハウス事業(自社事業)の2つがありますが、今日は主にデザインパートナー事業についてご紹介します。

受託ではなくパートナー

デザインパートナー事業では、あえて「受託」という言葉を使いません。
クライアントの解決の糸口が見つからない課題の出口をワンチームとして模索し、プロジェクトを一緒に進めることを大切にしているからです。

これまで大企業からスタートアップまで様々なクライアント様と、多種多様な課題に取り組んできました。

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デザインパートナー事業には80名のデザイナーとエンジニアが所属しており、これだけ大人数の組織は日本ではまだ少ないと思います。大規模な組織ですが、事業ごとにチームを編成して、互いの領域を超えながら良い物を作ってきました。Goodpatchには「偉大なプロダクトは、偉大なチームから生まれる」という言葉と共に、このカルチャーが根付いています。

それでは、実際のクライアントワークの事例と携わったチームについてご紹介します!

ヘルスケアアプリ「FiNC」

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株式会社FiNC Technologiesさんが提供するヘルスケアアプリ「FiNC」は、2015年夏よりGoodpatchがデザインパートナーとして、サービス利用時のUX、より心地の良いUIデザインなどをお手伝いしています。UXデザイナー、UIデザイナーともに2018新卒のメンバーです。

建設業界の職人、現場をつなぐ「助太刀」

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助太刀」は『出会うのが難しかった優秀な職人や、今すぐ働きたくなる現場をカンタンに見つけられる』というコンセプトで、リリースから1年でユーザー数は5万人を突破しているサービスです。GoodpatchはプロダクトのリニューアルプロジェクトにてUX・UIデザインを担当しました。チームメンバーのひとりであるUIデザイナーには2019新卒がいます。

気づけば夢中で盛り上がる、お茶の間メディア「Catari」

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ブランドアイデンティティからUX/UIデザイン、開発までお手伝いしたTBSテレビさんのメディア「Catari」は、2017新卒の野田がUXデザイナーを担当しました。

ここではいくつかの事例をご紹介しましたが、GoodpatchはUIデザインだけの会社ではありません。プロダクトはもちろん、サービス全体・空間・組織あらゆるものをデザインして、デザインの領域を拡大していきたいと考えています。僕たちが目指すところは日本NO.1のデザイン会社です。色々な登り方はあると思いますが、限られたトップへの道にチャレンジする、そんな日本一の環境がGoodpatchにはあります。

新卒入社、Goodpatch UXデザイナーのキャリア

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Goodpatchに新卒入社して丸3年を迎えるBX/UXデザイナー岩田からは、デザインとの出会い、Goodpatchに入社を決めるまで、そして新卒がキャリアを選ぶときに大切なことについてお話しさせていただきました!

岩田:
僕は大学までは経済学を専攻していて、普段、デザインを意識することはあまりありませんでした。しかし、機会に恵まれて参加した「5泊6日のデザイン思考研修」をきっかけにデザインに興味を持つようになります。「ロジカルにだけでなくエモーショナルに」、「戦略的なだけでなく感覚的に」と、AかBではなく、AとBを両立しようとするデザインの考え方にどんどんと惹かれていきました。その結果、デザインに触れられる環境を求めて、デザインを学べる大学院へ進学します。

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Goodpatchとの出会いは、修士1年のころに参加したサマーインターンがきっかけです。その後、長期インターンとしても働かせてもらえることになり、デザイナーやエンジニアが肩を並べて楽しそうにものづくりをしている姿がとても魅力的に写ったのを覚えています。

働き方に惹かれる一方で、当時の組織状態は実はあまりよくなく、入社したいことを伝えると、人事や関わりのあった社員さんにも驚かれるほどでした。それでも入社を決意するのは、全社員があつまるイベントでの代表土屋の言葉があったからでした。

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この言葉から、「いい感情にも悪い感情にも向き合う」「会社もプロダクトとして捉え、全員がつくり手としてプロトタイピングしていく」姿勢が垣間見え、Goodpatchは良い方向に変わっていく予感がして、入社への意思が強まりました。

①いま良いところではなく、この先良くなっていくところに行きたい②変化の波がある場所に行きたい、という考えがあったこともGoodpatchに入社する決め手になりました。

領域に縛られないデザイナーの仕事

入社後の3年間では、スタートアップから大企業、リニューアルからゼロイチまでと様々なプロジェクトに関わってきました。幅広い業界やビジネスに関われることは、Goodpatchの魅力の1つだと思います。

GoodpatchはUIデザインから始まった会社ですが、今はそれ以上に範囲が広がっています。クライアントも解決の糸口をみつけられていないような状況からデザインすることにやりがいを感じています。その例を、僕が最近担当したHolmesさんを事例にご紹介します。

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実際にプロジェクトをやってみると、依頼とアウトプットが変わることもあります。
Holmesさんの場合は、UI/UXの見直しをする依頼をいただくことからはじまり、アウトプットは会社のコアを説明するようなタグラインとブランドステートメントの作成になりました。

Goodpatchのデザイナーは本質的に良いものを作るために、なぜやるかのWhyまで踏み込んでデザインすることを心がけています。

自分の選択肢を正解にする覚悟

最後に、デザインは判断の積み重ねで出来るものだと思っています。そして良い判断をするには、まずは複数の選択肢をもつことが欠かせません。就職活動においても、まずはたくさんの選択肢をみることからはじめてみてください。そしてデザインにおいても就職活動においても、何より大切なのは自分が決めた選択肢を正確にしていく覚悟と意思だと思います。悔いのない決断ができるようにしてください。

僕が入社してからの3年間でGoodpatchは大きく変化しました。そして次の3年でもたくさんのチャレンジがあることと思います。デザインが大好きで、この変化を楽しんでいけるような人とぜひ一緒に働きたいと思っています!

最後に

今回は前後編で「ReDesigner Meetup2020」の様子をお届けしました。デザインの力を信じる7社から、それぞれの切り口で自社が思うデザイン戦略やデザイン組織のあり方・デザイナーとしての働き方などのお話がありましたね!

デザイナーに特化した就活プラットフォームReDesinger for Studentでは、今後もオンラインでの企業合同ミートアップなどを予定しています。デザイナーとしてのキャリアの一歩を踏み出すために、ぜひこちらもチェックしてみてください!


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