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(2)日本版帰化試験問題 第99問

C 祝日
 いよいよ最後の項目である。アメリカの祝日について、少し長くなるが書いておこう。
 一般にアメリカ人は休みすぎだと思われているが、実は祝日はそんなに多くない。連邦政府が決めているFederal Holidayは、10日しかない。正月も2日から仕事だ(これは日本人としてはちょっと辛い)。
 日本の祝日は15日あるし、盆暮れの休みもある。日本は、祝日を作らないと休めない社会だというのが、これでよくわかると思う。
 アメリカの祝日らしい祝日ナンバー・ワンは、映画でもおなじみのインディペンデンス・デイ(独立記念日)だろう。この日は各地で式典が行われ、花火が打ち上げられる。
 日本は外国から独立したという経験がない。それはそれですばらしい歴史なのだが、筆者はスラバヤでインドネシアの独立記念式典に参加した時に、誇らしげに国歌を歌うかの地の人々を見て、心から羨ましく思った経験がある。せめて建国記念の日を、これは神話だからといって有耶無耶にするのではなく、日本は建国が伝説になるほどの歴史を持つ国なのだと、胸を張って語り継いでいかねばならないと思う。
 筆者が約8年住んだカリフォルニアでは、それに匹敵するぐらいにぎやかなのが、5月5日のシンコ・デ・マヨである。メキシコ人が多いこともあって、このメキシコの戦勝記念日を祝う人が多い。保守系の白人は、それを白い目で見ているが、そんなことにはお構いなしだ。「カリフォルニアはもともと、俺達のものだった」という思いがメキシコ人には強くあり、合法、非合法の移民での「逆侵略」というか、「奪回作戦」が進んでいるかのようだ。日本でも、在日コリアンや帰化した連中が、終戦記念日を「光復節」として祝いだしたら、要注意だ。
 サンクスギビングデー(感謝祭)はアメリカ人が好きな祝日のひとつだ。家族や友人が集まり、同じ食卓を囲んで楽しむ。筆者はこれを「アメリカのお盆」と呼んでいる。
 アメリカでは軍人に感謝する為の祝日が、10日のうち2日もある。メモリアル・デイ(戦没将兵追悼記念日)とヴェテランズ・デイ(退役軍人の日)だ。軍隊が好きかどうかといった低い次元の話ではなく、国のために自分を捧げた軍人に感謝し、敬意を表するというのは、国家・国民としての義務ではないか。翻って日本では、民主党政権の官房長官であった仙谷由人が「自衛隊は暴力装置」と発言したことでも明らかなように、まるで、今日の繁栄が、軍人=防衛力とは無関係にあるかのような、歪んだ思想が蔓延している。
 そもそも日本では、祝日は祭日であり、その由来は、神道の祭祀と関連があるものが多い。それを子供たちに正しく教えるだけで、国家観や歴史観は少しずつ変わるのではなかろうか。祝日ではない母の日や、クリスマスの由来は知っていても、神武天皇ご即位の日に由来する「建国記念の日」とか、五穀豊穣を神々に感謝する新嘗祭に由来する「勤労感謝の日」とかを子供に教える人は少ないだろう。アメリカの子供は、それぞれの祝日の由来を先生から習い、その意義を父母に聞かされて育つ。そうやって幼い頃から国家意識を育むのだ。
 GHQによって、祭日が宗教と切り離され祝日になったというのは周知の事実だが、それが日本の伝統宗教で祝う日であることを、これ以上希薄にしてはなるまい。多様性の国アメリカでは、キリスト教に基づく祝日・クリスマスへの批判はあるし、実際、ユダヤ教徒やアフリカ系民族の一部は祝うことをしないが、だからといってクリスマスを祝日から外そうというような愚論は出ない。何故ならアメリカは、キリスト教徒の信教の自由を求める人々が作った国だからだ。
 他国の例を挙げると、ドイツでは年間14日の祝日があるが、宗教と関係がないのは、3日だけで、あとは「公現祭」(イエスの生誕を祝福しに3人の賢者が東方から来たという故事に基づく)や、「聖母被昇天祭」(聖母マリアは死なないで、天に挙げられたという故事に基づく)といった宗教色の濃いものばかりだ。
 もう占領軍はいないのだから、日本の色を前面に打ち出すことに躊躇はいらない。それとも我々はまだ、精神的占領軍として存在する、反日特アに気兼ねをし続けねばならないというのだろうか。

【アメリカ市民権試験問題】

■第99問 いつ独立記念日を祝うか。

(答)7月4日。

【帰化試験問題】

★第99問 天皇誕生日はいつか。

(答)2月23日。

 もちろん独立記念日は、アメリカで最も重要な祝日だ。
 日本には建国記念の日があるが、それもアメリカの独立記念日と同じように国民全体で祝えるようになりたいものだ。
 建国記念の日は既に聞いたので、別の祝日を問うことにしよう。当然天長節だ。

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