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「ゴールドラッシュの販売機」の巻

 カリフォルニアのスーパーのレジの周りには、たいてい宝くじの自動販売機が何台かある。流石はゴールドラッシュに沸いた州だ。一攫千金を狙う人々が多いこと多いこと。
 一番オーソドックスな宝くじであるLotteryなど、購入者が多いから、1等賞金も桁外れだ。しかも、1等が出なかった場合には、永遠にその賞金が次の抽選に回されるので、場合によっては、一生はおろか、二生、三生遊んで暮らせるだけの金が入る。高額になりすぎた場合には、分割で全額もらうか、何割かを一括でもらうかを選択できる。オレは絶対に一括でもらうぞぉと決心しているが、当たったことは勿論ない。宝くじといえば、日本で、たった1枚景品でもらった年末ジャンボで1万円当たったことがあるので、もう運は使い果たしたかもしれない。
 写真1枚目(2008年06月08日撮影)の右端に写っているのは、スーパーのレジにある、レジ係が扱う宝くじ販売機だ。マークシートに記入して渡せば、その番号のカードが自動発行される。ガソリンスタンド併設のコンビニでも同じものがある。番号を言わずに、機械でランダムに選んでもらうことも可能だ。

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 スクラッチカードの宝くじも大人気だ。これもレジで売っていることもあるが、専用の販売機もある。2枚目の写真(撮影日同じ)は、ヒスパニックの親子が自動販売機の前で買いまくっているシーンである。
 彼らだけではなく、憑りつかれたかのように買っては削り、買っては削りしている人が結構いる。暇だったので暫く見ていたのだが、当たった人はいたものの、カードをレジに持って行って、数ドルもらっただけのようだった。そうそう当たるモンではないだろう。じゃんじゃん当たるなら、このスーパーの経営者がくじを買い占めているハズだ。 
 驚くべきことに、カリフォルニアには宝くじ番組まで存在する。
 ある種の宝くじを買って、外れた場合に公開録画に参加できる。そしてスタジオで選ばれた見学者が、ゲームに挑戦して、成功したら大金をくれてやるという恐るべき番組なのである。ルーレットのようなものを回しただけで、100万ドルもらえる可能性さえあるのだ。そしてその金はみんな、宝くじを買った人が使ったお金なのだ。
 Loteryはたかが1枚1ドル。だからこそ皆が気軽に買ってしまう。
 射幸心を煽るからという理由で、日本は高額賞金に規制をかけるが、実際はそうではないだろう。日本では、「あぶく銭」を儲けた人に対しての嫉妬が、歪んだ形で爆発する可能性があるからだと思う。悪平等を愛することこそが日本人の心の闇なのだ。一方射幸心がなくなってしまえば、アメリカという国は立ち行かない。たとえそれが空疎なものであっても、夢を見続けることができるのがアメリカであり、だからこそ、宝くじという名のゴールドラッシュが今も続いているのだと思うのだ。

拙ブログ『無闇にアメリカに来てはいけない』より「ゴールドラッシュの販売機」(2008年06月23日07:51付)に加筆修正した。

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